2011-11-27 03:38:08

「恋の罪―愛にさまよう女たち」

テーマ:【愛・性・男と女】


「愛のむきだし」で衝撃的な性癖と愛を描き、
「冷たい熱帯魚」で強烈な愛と性を描いた園子温監督。


この2作が“むきだしにされた男の性”だとしたら、
最新作「恋の罪」は“女の性のむきだし”か……。


四国での上映は愛媛だけで香川は上映無し。
早く映画が観たいけど、まだ観られていないので、
とりあえず、小説版を読む。



園子温監督の映画「恋の罪」の脚本を元に、
オリジナルの設定を加えて文庫化したもの。


「恋の罪―愛にさまよう女たち」
園  子温:原案
村上 桃子:小説
泰文堂 (リンダブックス)/2011.12.1/571円




月灯りの舞

あの夜も渋谷区円山町は雨だった―。
深夜のラブホテル街、和子は売春容疑がかかった
デリヘル嬢たちを事情聴取していた。


セーラー服の女子高生、昼間は地味なOL、母娘デリヘル嬢…
性を売り物にする女たちと対峙するうちに、
和子はかつてこの地で起きた殺人事件を思い出していた。


それは本能をむきだしにした女たちが犯した、
美しくも悲しい事件だった。
              <裏表紙より>



1990年代に渋谷区円山町ラブホテル街で実際に起きた、
エリート女性殺人事件からインスパイアされて
作られたという作品。


映画の構成がどうなっているかわからないが、
小説では ラブホ街で起こった猟奇事件を
女刑事が追っていくサスペンスドラマ風。

事件と取り調べで出逢って行くデリヘル嬢たちの
それぞれの人生と性が交互に語られていく。


愛してるから、抱かれ、セックスをすることが
ほとんどの女だと思うが、ここに登場する女たちは、
皆、何らかの事情でカラダを売ることで「女」を
実感し、「愛」ではなく「金」を媒体にカラダを売る。

だが、金を稼ぐためにカラダを売るというのとも少し違う。

セックスをセックスとして行う為に金を媒体にしているに
過ぎない。


例え数枚のお札であっても、セックスをするのに
「金をとる」ことで自分を保ち、女のプライドを
持ち、中にはそれで自分を“正当化”する女たち。


母娘でデリヘルをやっている女は、
カラダを売ることでしか生きられない。


誰の子か解らぬ子供を妊娠、
妊娠中も妊婦マニアたちに性を提供し、
出産後は母乳マニアと交わるプレイをし、
娘が大きくなれば、母娘で3Pをする。
生きていくことがセックスをすることである女。


欲望をさらけ出すこと、その欲望に忠実である
生き方を選んだ女たち。

それは解放されているかに見え、
性の快楽に翻弄されているようで、どこか哀しい。



そこそこの快楽を貪り、楽しめるとこだけを楽しめれば
誰も傷つけず、日常は保たれ、精神は守られるのだろう。


でも、一度 快楽の渕に落ちた女は、もっと深いものを
求めて、抜けられなくなっていく。


そして、その快楽は底しれぬものを孕み、
様々な感情を生み出し、突き詰めていくと、
人の心や日常を破壊していく。



女は、セックスに溺れる女や性を見せつけられると嫌悪感を
感じることが多いが、ここまであからさまに
さらされてしまうと、すがすがしいほど。

しかし、女といもののずるさ、愚かさ、せつなさを
性を通して、最大限に突きつけられる。




恋の罪―愛にさまよう女たち (リンダブックス)/園 子温
¥600
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