天罰に委ねる

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ハンズオンで成果を挙げるのに躍起になっていた頃は、すべてをコ

ントロールすべく、少々の違和感にも即座に反応し、徹底的に持論

の浸透を求めた。議論は尽くすが、お金を出したのだから使い道も

決める、というやり方である。投資運用者としての間違った責任感

に基づくものだが、成果は得られず、起業家との確執が生じた。


最近は、実践が行われている限り、経営者の意向を尊重し、全面的

にサポートする姿勢で臨んでいる。やってみなければ分からない場

合には、自主的に取り組むことが最も重要であり、仮に失敗しても、

そこから学び気づくことで認識を改めることができる。自らの意志に

反してやらされた場合、失敗しても指示した人を怨むだけである。


とはいえ、邪悪な心で事業に取り組み、効率と称して非条理な手段

を選択する起業家も散見する。以前であれば、正義感を錦の御旗に

して、徹底的に攻撃していたが、最近は、警告をするのみに止め、

それでも敢行する場合は、(自分が手を下さなくとも)いづれは天罰

が下ると思い、静観することにしている。本人の自覚を促すことが、

最も重要なことであり、それは気づきによってのみ得られる。


大概の正義は相対的なものであり、単なる言い争いは何も生み出す

ことはなく、感情のしこりを残すだけである。新規性の高いビジネスは

見えない部分が多く、仮説検証を数多く繰り返すことで、成功法則が

紡ぎ出されるのである。実行する前から机上の空論で、起業家と投資

家が意地を張り合うことは、投資資金を枯らすだけである。行動する

ことの重要性は、机上の議論では伝えられないものである。


真摯な姿勢で取り組んでいれば、必ず活路は開けてくる。

邪悪な心や怠惰な心で利を図る者には、必ず天罰が下る。

自分勝手な都合で会社を渡り歩く人たちも、また然りである。

天罰を受けたとき、人間は謙虚な心を取り戻し、周囲の声に耳を傾

けるようになる。全てを自力で成敗していくことは正しいことではない。


お金を出したことに驕ることなく、起業家を信頼し続けてあげることが、

ビジネスを成功させる最善手であることは深く心に刻む必要がある。

邪悪な人の成敗は天罰に委ね、真摯な起業家と過ごす時間を増やす

ことを、投資家としての行動指針にしていきたい。感謝の心を大切に

する人たちと仕事ができることは、とても幸せなことである。


自らを正義の代弁者だと思った瞬間、人間は間違いを犯す。

イエローカードは出しても、レッドカードは決して出さない。

レッドカードが出せるのは、天命のみであり、天罰は必ず下される。

2007.3.4

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