さくらんぼの花の咲く丘 | 雷神トールのブログ

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家に籠っているとデイナの思い出に胸が塞がるので、イランシーのさくらんぼが満開かもとカミサンが言い、15℃とすこし寒いけれど午後から晴れ間が射し始めた昨日、近所の田舎道の散歩へ出かけました。

イランシー( Irancy )はワインの産地で、かつてはブルゴーニュワインの銘酒としてオークセールを中心に大規模なブドウ畑が広がっていたらしいですが、ピロクセラという害虫にやられ、ほぼ全滅の被害に合いました。最近になって少しずつ復興のきざしが見えています。

サンファルジョーからは60kmほどのヨンヌ川の畔の丘にブドウ畑とサクランボの栽培をやっている丘があります。もう20年以上前に訪れた時は、サクランボの花が満開で、丘の斜面に降り注ぐ太陽の光が、町から出てきた僕たちに田舎の豪奢を味あわせてくれたのでした。

去年も行って見ましたが、すでに遅く、サクランボは散って、小さな一角にわずか残ったリンゴが花を咲かせていました。

田舎の一本道は、上り下りしながらずうっと先まで見えるんです。

途中、牛が道路を横切りました。

$フランスの田舎暮らし-牛


この辺は、オークセール( Auxerre )という町の南20kmほどのところですが、見渡す限りの畑です。北ブルゴーニュの風景ですね。

$フランスの田舎暮らし-風景


しばらく走るとクーランジュという小さな村へ出ます。 Coulanges la Vineuse もワインの産地で、あっさりした軽いワインです。香りがフランボワーズ(木イチゴの一種)のいい香りがするのと、透明なルービー色をしています。畑が小さく量が少ないので、日本には行ってないようです。ウチの近所のスーパーでは売ってますが、少し離れたジアンでは売ってません。

$フランスの田舎暮らし-クーランジュ


この村の入り口にも「さくらんぼ」畑があって低く形を整えた木が並んでいます。
写真は村へ入る道から撮ったものでさくらんぼの木の向うに村の家々と教会が見えます。

$フランスの田舎暮らし-クーランジュ3


サクランボの木をこんな風に低く仕立てています。摘み取りやすくするためでしょうか。
背後の斜面の黄土色の部分が「ぶどう畑」です。

$フランスの田舎暮らし-クーランジュ6


クーランジュ・ワインはヴィンテージワインもありますが、僕らは2・3年前の新しいワインをテーブル・ワインとして鶏の料理なんかと合わせて飲みます。ボージョレ・ヌーボーみたいですね。ボージョレよりずっと上品な、癖のないワインですよ。去年の夏には畑仕事を終えた村のお婆さんに、カーブ(地下のワイン倉)を教えてもらいました。

$フランスの田舎暮らし-クーランジュ4


「さくらんぼ」は六月が実りのシーズンですね。その頃になると道端でも売ってます。キロ600円くらい。半分の1リーヴルでも食べきれないくらいあります。大粒の真っ赤で少し渋みのある「ビガロー」種が好きです。

クーランジュの村を抜けて、丘から一直線の道を下ると運河とヨンヌ川に突き当ります。

運河で船を停めて読書をしてる人がいました。これから夏にかけて、運河でヨーロッパ中を旅して回る人とよく出会います。

$フランスの田舎暮らし-船1


背後の丘の柳の木に隠れた辺りが目的地の「イランシー」なんです。

船が遠くて読書中のおじさんが見えにくいかも。もう一度、こんどは少しアップして。

$フランスの田舎暮らし-船2



運河とヨンヌ川を渡るとヴァンスロット( Vincelottes )という小さな村に着きます。ここまで我が家から60km弱です。4・5年前、釣りに来ていた魚影の濃いヨンヌ川は水嵩が増えていました。

村の出口に、ロバ君がいました。カメラを向けると近寄って来た。

$フランスの田舎暮らし-ロバ1


カミサンは4・5歳の頃、同じヨンヌ県の田舎に住んだことがあり父親がロバを飼っていたと言います。

あんな優しい動物を何故「バカ」の代名詞のように言うんだろうと。
「ガンコだからじゃないか」と答えます。「ネコもガンコよ。いちど、なにかしたいと思ったら徹底して意志を通そうとするわね」

$フランスの田舎暮らし-ろば2


ヴァンスロットの村を抜けると道は上り坂になります。ここからイランシーは1kmです。つづれ折りの道を登ります。イランシーの村があり、ワインカーヴが増えていました。イランシー・ワインはクーランジュよりもっとフルーテイーで透明なルビー色の赤が綺麗なワインです。平凡社の「ワイン用語辞典」にはブルゴーニュワインとして載っていました。

が、今日はワインカーブは素通りで裏の丘へ。まず、ぶどう畑から。

$フランスの田舎暮らし-イランワイン


右上にイランシー村と教会が霞んで見えます。教会の屋根を修復中で覆いが光って見えます。

こんなに大きなサクランボの古木が数百本。ぶどう畑の隣にあります。

$フランスの田舎暮らし-サクランボイラン


薄曇りの、あまり上天気とは言えませんが、時おり陽光が射してきます。

$フランスの田舎暮らし-ひかり


後ろの斜面もさくらんぼでいっぱいです。

$フランスの田舎暮らし-いっぱい


こんな古木もあります。樹齢は百年くらいはありそう。

$フランスの田舎暮らし-古木



今年は気候の加減か「たんぽぽ」がやたらと生えています。ちょうど花盛りですが、「たんぽぽ退治」に苦労させられてるので敬遠、路傍に咲いている「ククー coucou 」を摘みました。ククーは鳥なら「カッコー」ですが、花は辞書によると「ラッパ水仙」「セイヨウ桜草」と出ていますが、どうも?桜草の一種かもしれません。花瓶に挿したのを今朝撮りました。

$フランスの田舎暮らし-くくー




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