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2015-06-10 21:21:35

「サンドラの週末」

テーマ:新作映画
この映画のマリオン・コティアールは
すっぴんで、髪もひっつめて
タンクトップから細い肩がのぞき、とても薄幸そうな女性を演じています。
神戸新聞に掲載されました。

「サンドラの週末」


(C) Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema

自分は役立たずなのか、それとも必要とされる人間なのかー。
逆境に追い込まれた女性労働者が、それを自分自身で確かめる。
ベルギーの名匠ダルデンヌ兄弟監督の新作は、欧州の地方の工場を舞台に、
不況下における労働者の厳しい現実を浮かび上がらせる。

夫と2人の子供と暮らすサンドラ(マリオン・コティアール)は、体調不良で休職していたが、
ようやく復職できるようになった時、解雇を言い渡される。
社長は、サンドラがいなくても仕事は回ったし、彼女を解雇すれば
社員にボーナスを出せるという。
交渉した結果、サンドラの復職に賛成するか、ボーナスをとるか、社員投票で
決めることに。サンドラは週末、「ボーナスを諦めて欲しい」と同僚の家を回る。

冒頭、サンドラが解雇されて窮地に立たされるという場面は
せりふによる説明を排除し、サンドラや夫、友人の行動などから理解できる仕掛け。
緊張感と臨場感が増す演出だ。

多用する手持ちカメラが、同僚の家を一軒ずつ訪問する
サンドラの後姿を常に追う。細くてこわばった背中が彼女の人生を映し出す。
サンドラの復職よりボーナスを選ぶ仕事仲間たち。彼らの苦しい
家庭事情もうかがえる。観客は誰も責めることができなくなるだろう。

コティアールは米アカデミー賞主演女優賞にノミネート。
ラストシーンも彼女の後ろ姿のロングカットだが、
逆境を乗り越え、誇りと自信が加わった背中は別人のように見えた。

1時間35分
公開中。




(C) Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
神戸新聞
「びびっとシネマ」
2015年 5月29日付け夕刊 掲載

神戸新聞より転載許可済み
無断での転用はご遠慮ください。



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2015-05-21 01:04:39

『メイズ・ランナー』5月22日公開

テーマ:新作映画
久しぶりの更新です。
新作映画ご紹介します。神戸新聞に掲載されましたよ。

『メイズ・ランナー』



巨大な迷路の秘密を解かない限り、元の世界には戻れない。
10代の若者たちのサバイバルを描く。
全米で160万部を売り上げた原作の映画化。3部作になることも決定している。

そそり立つコンクリートの壁に囲まれた広場に
記憶を失った少年たちが自給自足でコロニーを形成。
壁の向こうには巨大な迷路が広がる。
朝になると迷路への扉が開き、夜が訪れると再び扉は閉じられる。
迷路は、毎日構造を変え続け、謎のモンスターも生息している。
「ランナー」と呼ばれる足の速い少年たちが、毎日迷路に入り、
襲ってくるモンスターから逃げながら出口を探す。
コロニーは少年たちばかりで形成。
月に一度地下から上昇してくるリフトで新しいメンバーが加わる。
今月やってきたのがトーマス(ディラン・オブライエン)だった…。

まるでロールプレイングゲームのような展開。
モンスターの姿に新しさはなく、これまでのアメリカ映画が
描いてきた見慣れた形状なのが少々残念だが、
それもハリウッドらしいといえるのかもしれない。
ある時、一人だけ女性が加わる。
なぜ女性でなければならないのかという意味が見当たらないと思っていたら、
それはどうやら、続編でわかるようだ。
監督は視覚効果の出身のウェス・ポール。
主役のオブライエンをはじめ、
「ラブ・アクチュアリー」のトーマス・ブロディ=サングスターや
「大統領の執事の涙」のアムル・アミーンなど今後、
旬を迎えるであろう俳優たちがこぞって出演し、
ハリウッド若手俳優の展示会のような作品だ。
彼らの輝きに期待したい。

5月22日公開
1時間53分 


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神戸新聞2015年5月15日夕刊『びびっとシネマ』掲載
神戸新聞より転載許諾済み 
無断での転送、転載等ご遠慮ください。
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2014-12-12 22:30:41

映画『おやすみなさいを言いたくて』

テーマ:新作映画
12月13日公開の「おやすみなさいを言いたくて」
女性が主人公だからこそ、成り立つリアリティがあります。
ジョリエット・ビノシュ、うまいですね~。
今、世界で何が起こっているのか、それを知ることができる映画でもあるのです。

神戸新聞に拙稿しました。
是非、お読みください!!


『おやすみなさいを言いたくて』



闘う女性。手にする武器は銃ではなくカメラだ。
世界が見捨てた地域で、今まさに起こっている真実をありのままに写し
世の中に訴えたい。
一流の報道写真家として活躍する女性とその家族が抱える葛藤を描く。
元報道写真家のエーリク・ポッペ監督の実体験が基になっている。

優しい海洋科学者の夫マーカス(ニコライ・コスター=ワルドー)と
かけがえのない2人の娘をアイルランドの家に残し、
紛争地帯で写真を撮り続けるレベッカ(ビノシュ)。
自爆テロに巻き込まれたのをきっかけに転機を迎える。

信念のために自爆テロに走る女性が行う最後の儀式の詳細な描写や、
ケニアの難民キャンプに反政府軍が襲撃した際の様子などがリアルに描かれる。

誰かが伝えなければ…と使命に燃えるレベッカの原動力は「怒り」だ。
紛争地帯で彼女はイキイキとしている。
しかし、家に帰ると妻としても母としても上手に振舞えない。
「それでも家族は理解してくれている」と思っていたが、
ある日、夫から「待つ」事に疲れ切ったと告白される。
苦悩しながらもレベッカは仕事をやめる決意をする。
浜辺をランニングするレベッカの後姿が、ロングカットでとらえられる。
背中が怒っている。やはり心は紛争地帯に向いているのだ。

枯れた土と死の匂いが漂う紛争地帯の景色と、
アイルランドの海辺の家の対比も彼女の心象風景として描かれる。


ラストシーンの衝撃は今も心を離れない。
世界はもっと根本から何かを変えなければいけない時に来ている。


12月13日から公開

1時間58分

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神戸新聞12月12日夕刊『びびっとシネマ』掲載
神戸新聞より転載許諾済み
無断での転用や転載はご遠慮ください。



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2014-11-15 22:40:17

映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』

テーマ:新作映画
エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』

公式サイトはこちら

『ロッキー』のシルベスター・スタローンが原案を出し、
1980年代にライバルだった『ターミネーター』のアーノルド・シュワルツェネッガー、
『ダイハード』のブルース・ウィリスと共演したのは2010年。
シリーズ化するヒット作となっている。

「消耗品」という意味のタイトルが示すように、過去にアクション映画で主役を張ってきたが,いまやキレのある動きを見せるには厳しい年齢の俳優ばかりが傭兵役で登場。68歳のスタローンと67歳のシュワルツェネッガーに「インディ・ジョーンズ」のハリソン・フォード72歳、「マッドマックス」のメル・ギブソン58歳らが加わり、爆発と銃の乱射が炸裂するなかアクションを繰り広げる。ほかに、『少林寺』のジェット・リー、『マスク・オブ・ゾロ』のアントニオ・バンデラス、『ブレイド』のウィズリー・スナイプスらも出演し、過去に出演したヒット作のパロディーとリアルな自虐ネタのオンパレード。

例えば、ウィズリー・スナイプスは撮影前、脱税容疑で逮捕されていたが、冒頭は彼を刑務所から救出するシーンから始まる。製作側が、往年のファンを喜ばすことだけを考えているのがわかる。
それぞれに見せ場が用意され、バンデラスは「デスペラード」で魅せた二丁拳銃さばきを披露するし、ヘリコプターと飛行機のライセンスを持っているフォードは、実際に操縦もする。
出演俳優たちの過去の作品を知っている数が多いほどお楽しみがある。ストーリーなどないも同然だが、しかし、映し出される筋肉の質量は半端ないのでそれでご破算。
11月1日(土)から公開中
2時間6分

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2014年11月7日神戸新聞夕刊「びびっとシネマ」掲載。
神戸新聞より転載許諾済み
無断での転用などはご遠慮ください
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2014-09-13 21:23:37

映画『イヴ・サンローラン』

テーマ:新作映画
「イヴ・サンローラン」


(C)WY productions - SND - Cinefrance 1888 - Herodiade - Umedia


ガラス細工のように繊細な内面から創造されたファッションは、世界中の女性の人生を彩った。ココ・シャネルやクリスチャン・ディオールらとともに20世紀のファッション業界をリードした天才デザイナー、イヴ・サンローラン。

彼の仕事ぶりを華やかに描く反面、その裏にある彼の私生活、精神のドラマへと観客を誘い、彼の人生が赤裸々に描かれていく。


1957年、師匠であるクリスチャン・ディオールの後を継いだ21歳のイヴ(ピエール・ニネ)は華々しくデビュー。時代の寵児となるが、出身地のアルジェリア独立戦争での兵役や仕事のプレッシャーでストレスがのしかかる。
やがてモロッコに居を構え、心は開放されるが薬漬けになり、刹那的な性交を繰り返す。


セレブ達が集うファッションショーが何度も登場し、イヴは成功を喜ぶが、笑顔でも瞳は笑っていない。ニネの演技が心の痛みを強く押し出す。
それでも彼が40年にわたり活躍できたのは、私生活でも仕事上でもパートナーだった男性、ピエール(ギョーム・ガリエンヌ)の存在があったからである。映画はこのピエールの視点で描かれる。


オープニングでデスクに向かう21歳のイヴの背中が映し出される。カメラが彼の手もとに寄ると、鉛筆でドレスのデッサンをしている指先。薄い背中や細く美しい手から感じられる繊細さと脆さ。

ラストシーンで再び彼の背中が映し出された時、彼が幸せな成功者だったのかどうか感じることができるだろう。

9月6日から公開
1時間46分

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神戸新聞 9月12日夕刊「びびっとシネマ」掲載
神戸新聞より転載許可済み
無断での転用などはご遠慮ください。

(C)WY productions - SND - Cinefrance 1888 - Herodiade - Umedia
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