今週の範馬刃牙/第196話
2010-02-23 14:42:24 テーマ:今週の範馬刃牙‐?第196話/事切れる前に…
勇次郎の予見通り吐血して入院した徳川光成。
死を悟った光成は、主治医の鎬紅葉に夢を叶えてくれという。
もちろん、紅葉はたくみにほんとうのところを隠している。だから、光成の病状というのは、読者にもよくわからない。だけど、光成はなにかを察している。光成はおつきのボウズ、佐藤を呼びつけ、なにかを命ずる。
じっさいのところの病状は、くりかえすようにわからない。ふつうならたいへんなものが、紅葉の手にかかればあるいはということもある。紅葉は光成にきちんと話をしようとするのだが、なにかを感じとり、焦っているらしい光成は、ベッドに座りなおし、特に誰ということもなく「もたもたするんじゃない」と怒鳴りつけ、希代のドクトルファイターと総理大臣も含めた病室を凍らせるのだった。
光成の夢というのは、いちいち紅葉の名前を呼んでいることから、てっきり彼にしか叶えられないものかとおもっていましたが、そうではないっぽい。死を悟りながら、そのことに恐怖を抱いたり取り乱したりするよりさきに、彼はこの「夢」を叶えようとやっきになっている。まあ、ふつうに考えて範馬の親子対決の実現というところだとおもうが(光成は勇次郎にそのセッティングを依頼されている)、まさに彼は命にかえてもこれを観たいのだ。
ところはかわって、前回烈がのりこんだボクシング・ジム。このジムには現役のチャンピオンがいるらしい。チャンピオンは、世界戦直前ということなのか、大挙して押しかけている取材陣のインタビューに答えている。なかなかに強い選手らしく、すべての試合を1ラウンドKOで終わらせているそうだ。彼のこころがけるところは、「無駄な時間を過ごしたくない」ということ。
「相手のアクションに対し
理に叶ったリアクション
理に叶うなら
3分は長すぎるということです」
彼は、試合中のある瞬間において、相手の動きに対してとるべき行動を、こたえとして知っている。あるいは、知っているつもりでいる。相手の予測できないあらゆるアクションに対応するためには、すさまじい練習と柔軟性が不可欠だろう。しかし、瞬間で切り取る限りにおいては、できるかどうかはべつとして、そこには「こたえ」があると、彼は考える。それをじっさいにつかんでいるから、彼はチャンピオンになったのだ。
練習を始めたチャンピオンは、しかしあるものに目をとめる。前回烈が破裂させたからっぽのサンドバッグだ。トレーナーから事情を聞いたチャンピオンは、「理に叶ってない」という。「そんなこたえはありえない」といっているのだ。
会長は鏡の前で練習をしている烈を指す。このひとも、チャンピオンとの会話を見るかぎりでは、あれほどの破壊力を目にしながら、烈のことをよくわかっていないようだ。理解できないもの、ありえないこたえをじっさいに目にして、思考停止に陥っているのかもしれない。
烈のすさまじい肉体を見て、チャンピオンは「やれるよアイツ」という。彼は、いちおう烈の実力を見抜いているつもりでいる。「理に叶っていない」といいながらそういうことを口にするのだから、もしかするとほんとうに烈の実力を見抜いているのかもしれない。しかし、その語り口から感じられるのは、あくまでじぶんのよく知っている度量衡でものを計量しようとする、ということは計量できるものと考えている、経験に裏付けられた一種の傲慢さだ。チャンピオンは烈とスパーリングをしたいという。
しぶしぶ、会長は烈に声をかけるのだが、しかし相手がチャンピオンと知った烈は、あっさりこれを拒否する。
「あの人の力量では
わたしが全力を出せないからです」
つづく。
チャンピオンもそうだが、もちろん烈の語り口もそうとうに傲慢だ。
両者の相手を見るその見方において、その形状は相似だ。
ふたりとも、じぶんの片手にもつものさしで相手を計りきれるものと考え、また計っている。
この時点では、厳密にはどちらのものさしが大きいのかをいうことはできない。だけど、読者としての僕は、やはり両者には埋めがたい差があるのではないかとおもう。いってみれば、烈が彼のしかたでチャンピオンから読み取っているものは、そのものさしの短いことそのものではなく、計りきれない存在がありうるということをまったく想定していない傲慢さなのではないかとおもわれる。流動的なたたかいの局面では、とった行動が正解であるかどうかなどということは、結果としてそういえるだけであって、その瞬間では、なんともいいがたいものなんではないだろうか。もちろん、ある技術体系に身をゆだねて、拳法の技を修得しようとすることは、「こたえ」を求めていくことなのかもしれない。だけれど、現実には、それはどこまでも漸近するだけのものであって、こたえと現実がぴたりと一致することなど、くりかえすようにそれは結果的にいえるだけであって、動的な時間性のなかではありえないのではないだろうか。むしろ、そうした予測不可能性のなかに肉体をあずけ、対戦するふたりがつくりだすなにか物語のようなものに身をゆだねたときだけ、彼らは、チャンピオンが「理」と呼んでいるところのものを事後的に掬い上げる。そうした積み重ねが、やがて技術の体系として確立されていく…。
とはいえ、いかに烈が世界でも屈指の実戦型ファイターだとしても、ここではボクシングのルールが採用されるわけだから、なんともいいがたいというぶぶんもある。スパーをするならきっとグローブをつけることになるだろうし、それだけでもけっこう、烈の知っているものとはちがったたたかいとなってしまうだろう。
まあ、ふつうに考えて勝負になんないだろうけど。
走って川面を行くひとですよ。
に、人間じゃねェ…ッ!!
光成の夢のはなしと烈のはなしが同時に進んでいるわけですけど、こんなに今後の展開が見えないということも珍しい。これからなにが起こるのか、さっぱり予測がつきません。
まあ、特にこの漫画では、予想をすることにほとんど意味なんてありませんが。
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1 ■あ~やっとコメントできる!
今回の話で、やはりジムの人達は、サンドバッグを壊された点で
「貴方に教える事がありません!」と言って烈を断るべきだと思った。
現実としてのリアリティを考えるなら、サンドバッグを
破壊できても=それが強さにならないので、
ジムの人たちと、烈の戦いや関係に興味が持てるが
これは漫画の話、破壊できる事がそのまま強さになる世界!
ジムの人達がサンドバッグを壊せない時点で列の方が
はるかに技術が上なはずなのだ!
それに烈の態度とその正当性…烈の技術力、ジムの人達は何も教える事が無いではないか!
ここで烈が苦戦、もしくは敗北、または烈がジムの人達より技術で劣っている話があれば
話は続くが、残念ながら、話を作っているのが板垣恵介だからそれは無い!
一体烈は何を教わりに来たの?
そして、刃牙のこう言う所が、流動的なたたかいの局面がない、
いわゆるドラゴンボールを思わして嫌だ><!
現実的に考えたら普通、チャンピオンにも勝ち目あるでしょ!
現実&普通はtsucchiniさんのいう通りなんだから!
まあ、ネタバレ見るにお互いの文化を見せ合って戦うドラマになるかな?
戦いの中で、お互い教えあうような形に!と思ってるんで、
チャンピオンの方にも何か見せ場が欲しいな!