こんにちは北カリフォルニアの会議通訳者、EJEXPERTの代表のブラッドリー純子です。
会議や記者会見でも逐次通訳の時にプロの通訳者は必ずメモを取っていますよね。
通訳学校で最初に教えられるスキルのひとつです。
逆に言えば、ノートテイキングしていない通訳者はアマチュアだと言って間違いないでしょう。
それくらい通訳ノートは通訳者にとって欠かせないもの。
では一体どんなノートを取っているのか?
クライアントにもたまに聞かれたり、ジーっと観察されることもあります
じつは、速記でも文章にして書いているわけでもありません。かなり特殊なやり方でやっています。
通訳ノートの共通点は、後から読み返してもほぼ判読不可能ところです(笑)。
通訳ノートといってもノートを取っているわけでもなく
短期記憶をサポートするためのもの、要は補足として要点や数字や名称などを書き留めているだけです。
内容はあくまでも頭の中にあって、道しるべとしてメモっているだけです。
私は、逐次通訳はかなりスピーディに訳出するので(ゆっくりだと忘れてしまうため)
ノートテイキングもかなり走り書き状態になります。
時間的余裕がないことが多いので英語と日本語が入り混じったものに。
通訳者を使い慣れてないクライアントだと、会議終了後に
「通訳されてる時にノート取ってましたよね?あれをまとめたものでいいので送ってもらえませんか?」
とお願いされたこともたまにありますが、実際にノートをお見せし
いかに再生が不可能であるかを説明した上で申し訳ないですが、と丁重に御断りします。
通訳馴れしたクライアントはあらかじめ録音できるICレコーダーなるものを必ず持参されています。
ノートテイキングの取り方は通訳者によって多少異なると思いますが、だいたいどの方も似たような感じです。
レターサイズの真ん中に縦線を引いて話の区切りごとに横線を引いていきます。訳出が終わった部分がわかるように斜線か縦線を必ず引いておく。
毎回逐次通訳だとものすごい量の紙を使うので全然エコじゃありません。
いろいろ使ってみた結果、以下の条件を満たしているTargetブランド(?)のノートパッドに落ち着きました。
①めくりやすいリング式
②レターサイズ
③枚数が多い
④値段が手頃で近所で買える
でも最近は移動が多いのでなるべく荷物を軽くしたいと思っている私にとって
このアメリカサイズのノートパッドも結構かさばるし重い...
表紙もオシャレ感ゼロ
二日間程度の会議で全部使い切ってしまう感じです。
なんとか通訳ノートも現代化できないか、いろいろと模索しているところです。
私が会員になっているATA (全米翻訳者協会)の最新の会報誌にiPadやSurfaceを使うという特集が載っていました。
iPad miniとSurfaceは持っていますが、イマイチ通訳ノートとしては使い勝手が悪い。
他に手段はないかな、と思っていたら
知り合いの通訳者でこういうのを使っている方がいました。
付属のペンで書いて上のボタンを押せばすぐ消えます。磁石式のボードなのでお値段も安いです。
横で見ていて、いいなあと思ったのですが、一度消すと書き留めたものが永遠に消えてしまうのが難点。
通訳していると長い名称とかが何度か出てくることがあります。
そんな時は前のページに戻ってもう一度確認する必要があるわけです。
なので残念ながら、私には実用的ではありません。
そしたら
先日こんなデバイスをネットで見つけました。
Remarkable(リマーカブル)というペーパータブレット。
KindleとiPadを合わせたような感じだそうです。