『財務会計講義』を読んでいます。
今日は、簿記論 講師日記に掲載された問題にそって、
回答を考えながら、読んでみたいと思います。
2~3行っていうのは難しいですね。削りすぎると、何かが足りない気がするのですが、気を抜くと長くなりすぎてしまいますね・・・
第1章 財務会計の機能と制度
第1節 会計の意義と領域
1 会計の意義
問1-1☆ 会計とは何か説明しなさい。
(解答案)
会計とは、経済活動を所定のルールに従って計数的に測定し、その結果を報告書にまとめて利害関係者に伝達するためのシステムである。
2 会計の領域
問1-2☆ 企業会計とは何か説明しなさい。
(解答案)
企業会計とは、営利組織である企業の経済活動を測定対象とする会計をいう。
問1-3☆ 管理会計と財務会計について、簡潔に説明しなさい。
(解答案)
管理会計とは、経営上の意思決定と計画の策定のために、企業の経済活動を測定し、企業内部での報告・伝達を行う会計をいう。
一方、財務会計とは、企業外部の利害関係者に対して報告・伝達を行う会計をいう。
3 財務諸表
問1-4★ 株主と債権者の企業の財務内容に関する関心について、簡潔に説明しなさい。
(解答案)
出資者である株主は、出資した資金の管理・運用状況と、企業の収益力に関心がある。
一方で、銀行などの債権者は、保有する債権の元本及びその利子についての企業の支払能力に関心がある。
問1-5★☆ 貸借対照表の構造について説明しなさい。
(解答案)
債権者から調達した資金である「負債」、出資者から拠出を受けた資金である「資本」と、それらの資金が企業の経済活動のために投下された状態を示す「資産」を、ある一定時点におけるストック金額として対比して表した一覧表である。
問1-6★☆ 損益計算書の構造について説明しなさい。
(解答案)
企業の経済活動の成果として得られた売上高などの「収益」と、それを獲得するための売上原価・販売費などの「費用」を、ある一定期間におけるフロー項目の集計として対比して表した一覧表である。
第2節 財務会計の機能
1 株式会社制度の特徴
問1-7☆ 株式会社制度の特徴を2つあげ、簡潔に説明しなさい。
(解答案)
株式会社制度の特徴は「株式制度」と「有限責任制度」の2つである。
「株式制度」により、企業の所有権を株式として分割することで、多数の出資者を募ることを容易にし、かつ、「有限責任制度」により、出資者の責任は出資額を限度としているため、出資者に一定の安心感を与えている。
問1-8☆ 株式会社制度の特徴から生ずる利害対立の当事者を指摘しなさい。
(解答案)
株式会社制度の利害対立の当事者は、経営者、株主、債権者である。
2 私的利害の調整制度
問1-9☆ 株主と経営者の利害調整について説明しなさい。
(解答案)
受託者である経営者が必ずしも委託者である株主のために行動するとは限らないため、両者の間には利害の対立が存在する。そのため、委託者である株主は、受託者である経営者に受託責任を遂行させるため、会計報告を通じてその管理・運用のチェックを行い、利害調整を図っている。
問1-10★ 株主と債権者の利害調整について説明しなさい。
(解答案)
株主は経営上の意思決定に参加し、かつ、有限責任である一方で、債権者は経営上の意思決定に参加できず、企業倒産時には元金を回収できないリスクも負担している。両者の利害を調整するために、企業資産の社外流出を制限する配当金額の制限が導入されている。
3 証券市場への情報提供機能
問1-11☆ 情報提供機能について説明しなさい。
(解答案)
投資者に対して、証券投資の意思決定に役立つ情報を提供することにより、証券市場がその機能を円滑に遂行できるようにする財務会計の機能が、情報提供機能である。
問1-12☆ 投資者について説明しなさい。
(解答案)
投資者とは、既存の株主や債権者に、将来において株主や債権者になりうる潜在的な人々を含めたものいう。
第3節 企業会計への法的規制
1 制度会計
問1-13☆ 制度会計の意義を述べ、その種類を列挙しなさい。
(解答案)
制度会計とは、法律制度の一環として、法律制に準拠して行われる会計をいう。根拠となる法律の違いにより、会社法による会計、金融商品取引法による会計、法人税法による税務会計の3つに分類される。
2 制度会計
問1-14☆ 会社法会計の目的を述べなさい。
(解答案)
企業をめぐる経営者・株主・債権者などの利害関係者間の利益の調整が目的である。
3 株式会社の統治制度と会計
問1-15☆ 会社法による債権者保護について説明しなさい。
(解答案)
会社法において維持すべき資本部分を厳格に定義し、配当金額の制限を行うことにより、債権者の保護を図っている。
4 金融商品取引法による会計
問1-16☆ 金融商品取引法のもとでの個別財務諸表の処理および表示基準について簡潔に説明しなさい。
(解答案)
金融商品取引法のもとでの個別財務諸表の処理については、「企業会計原則
」や「企業会計基準」などの規定に従って行い、表示については「財務諸表規則」を遵守して行われる。
5 法人税法による税務会計
問1-17☆ 法人税額の計算方法について簡潔に説明しなさい。
(解答案)
法人税額は、各事業年度ごとに算定される課税所得の額に、所定の税率を乗じて計算する。
問1-18☆ 課税所得の計算方法について簡潔に説明しなさい。
(解答案)
課税所得は、原則として益金の額から損金の額を控除した差額で算定される。しかし、法人税法では、損益計算書に記載された当期純利益を基礎とし、各種調整項目を加減算することで、課税所得を算定する方法をとっている。