これは、歌舞伎俳優の市川海老蔵氏夫人、タレント・女優の小林麻央さんが今日・9月1日に開設した自らのブログの最初のテーマである。

小林さんは2010年に海老蔵氏と結婚、梨園の妻となったが、今年春乳がんにかかっていたことが分かり、現在その治療に専念し表舞台からは姿を消している。リブログの内容にも書いてあるが、小林さんは医者から「がんの陰に隠れないで」と励ましの言葉をもらったという。

 

確かに、がんはなかなか治りにくい病気だと長年いわれ続けた。しかし、近年の治療技術の向上により、がんは克服できる病気として認知されてきている。がんにかかったからといって落ち込んではいけない。

 

僕の祖母、父も長年ヘビースモーカーだった影響で、祖母は肺がん、父も肝硬変という病気にかかりながらも、前向きに長生きしてほしいという祈りを常に持ちながら生きてきた。僕も、これまで大きな病気らしい病気にかかったことはないが、就職支援のためのカウンセリングで、発達障害といわれたことで、「今まで健常者だった自分がなぜ障害者にならなければいけないのか」と疑った。父も「障害者扱いされることで社会的ないじめにあう」からと、障害者手帳の交付には反対ではないが、慎重を期するように言われたことがあった。

 

しかし、病気を抱えている人と同じで、障害者だからといって決して落ち込んではいけない。人間は決して1人だけでは生きていけない。仲間がいて、絆があって、楽しいひと時を過ごしてこそ、新しい自分の明日という光を見つけることができる。僕も就労移行支援作業所で度々休んでスタッフにご迷惑をかけることはあるが、精一杯明日の希望を見つけようと頑張っている。

 

麻央さんの「がんの陰に隠れないで」という言葉は、「がんだからといって落ち込んでしまう、特別な意識を持たなければいけない」ということではなく、「がんを克服し、それを前向きにとらえることで、自分自身の新しい発見、そして仲間たちとの絆を深めることで、新しい自分を見つけ出す」ことになる。それだけに、今、この抜け出せないトンネルの中にいる僕たちの心の中に、明日という光を見つけ出すきっかけづくりになる一言だったと感じた。