

chefカズ です。
4月28日、おかげさまで無事に最後の営業を終え、ひとまず
『トラッフル』というレストランにピリオドをうつことになりました。
オープンして3年と4ヶ月の間に、思えば本当に多くの方々に
白金高輪というある意味辺鄙な場所の名もないレストランに
来ていただけたことに、大変感動し、そして言葉には出来ない
くらい感謝しています。
長きにわたって本当にありがとうございました。
(一応言葉にしてみました。)
29日、30日と片付けをし、最後に鍵をかけ、大家さんのところへ
挨拶がてら鍵を返しに行ったあと、意外に荷物が多かったので
最後の贅沢、自分へのお疲れさん、ということでタクシーで家ま
で帰ることにしました。
少々嵩張る荷物があったのでトランクを開けてもらったのですが、
荷物を入れたら閉まり切らなさそうだったので、
「すみません、荷物トランクに入らなさそうなので後ろの座席に
入れちゃっていいですか?」と聞いたら、
「ああ、どうぞどうぞ。よかったらお客様、前の座席に乗って下さい
よ!」と妙に気持ちのいい声が返ってきました。
走り始めるとすぐに「お引っ越しですか?」と運転手さん。
言葉を濁して「まあ、そんなもんです。最後ちょっと荷物が残って
しまって。」と僕。
しばらくしてまた運転手さん、「用賀まで白金からお引っ越しです
か~。」
つられるようにして僕、「いや、じつはあそこでお店をやってたん
ですけどね…」と簡単に説明すると、
「いや、じつは私事で恐縮なんですが…」と運転手さんが語り始め
ました。今はタクシーの運転手をやっていますが、つい昨年の10月
までは何百人という従業員を抱える企業を経営していて、お抱えの
運転手を雇い、景気のいいときには月に何百万という給料をとって
経費で六本木あたりで飲みまくっていたんです。会社が傾き始め
たころ、みんなまだ大丈夫だろなんて言っていたけど、思い切って
決断し、すべて売り払って当時あった借金を清算し、なんとか横浜
の自宅だけがのこったんです。北海道にも家を持っていたんです
ですけどね。2ヶ月くらいボーとしてましたけど何かやらなきゃ、と
思って。ちょうど二種の免許を持っていたのでタクシーでも乗って
みようかと…。会社を経営するって大変ですよね。お店だっておん
なじでしょうね…。
いえ、いえ、僕のはちっぽけなレストランですから
しかし人生ドラマですな。
彼は誰かに話したかったんでしょうね。
「タクシーはみんな大変だなんていうけど、こんないい仕事ないですよ。
毎月何千万という従業員に払う給料のことも心配しなくてもいいし。お客
様を運んで、お金をいただけて、ありがたいです。気楽な仕事ですよ。
会社を経営する前になんでこういう仕事をやっておかなかったのかと
思いますねぇ。いまはコンビニで夜バイトしているお兄ちゃんをみても、
眠い目をこすって頑張っているんだなぁって、大変だなぁって思うんです。
昔は袋広げて荷物入れてるのをみると、なにちんたらやってんだ、なんて
思ったモンですけどね。」
用賀のマンションが近づき、最後にこう言っていました。
「人生いいときもあれば悪いときもあるんです。足して二で割ったらみんな
おんなじですよ、きっと。ありがとうございました。お客様も頑張ってください。
あ、荷物ゆっくりやってくださいよ。」
トリュフバターのご注文は、引き続きメールにて承っています
http://ameblo.jp/truffles/entry-10038369356.html