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自分を語る時……人を卑下する時

Theme: あすなろVoice~ブログ 2012-02-08 08:00:00

私は、久しぶりにある人物を尋ねた。
彼とは、数カ月に一度、気軽にランチを楽しむ。そして、その彼と過ごす時間で
必ずと言っていい程に、毎回彼から色々な事を見せられたり、気付かされたり
するのだ。
その日、彼との話題は、彼が指導を受け持っているスポーツクラブのことだった。
社会人チームで、お遊びの延長線上のような同好会といったところだろうか?
そのチームの昨今の出来事を彼がシェアーしてくれた。



このごろ、そのチーム全体の流れが急に滞りだしたというのだ。まとめ役の彼は
しばらくの間じっと黙って様子を伺っていたが、どうも原因はサブリーダーに
あるという。このサブリーダーの彼は、どうやらキャプテンになりたいらしく
現在のキャプテンのやり方にも不満を持っているらしい。
そして、その思いが行動やチームメイトへの言葉の端々に荒々しく出るようになり
その頃からチームの雰囲気が一変してきたそうだ。



いつの頃からか、彼は無意識のうちに自分を語りだし、その内容がいつも自分を
賞賛する内容ばかりになり、あげくの果てはそれを元にチームメイトのプレーを
非難する事が多くなったというのだ。確かに、彼にプレーヤーとしての実力が
あるから、サブリーダーというポジションについている訳だが、個人戦じゃなく
チームプレーである限り、彼一人の実力だけで勝利は掴めない。全体の個人個人の力量を上げてチームとしての実力を上げる事が大切で、リーダーとサブリーダーのいちばんの役目は、下にいるチームメイトのサポートなのに、どうも最近の彼は、
自己満足に浸ることに重点をおいているのと、その為に他のメンバーの至らなさを
バカにしては、自分を鼻にかけているというのだ。



彼いわく、スポーツであろうがなかろうが、真に実力のある者は決して自ら自分を
語ったり、自分の功績を他人にひけらかしたりはしないという。自らそれをする
者は、人に認められることや賞賛されることでしか、自分を認識出来ないし、
絶えずそこにエネルギーを注ぐので、早かれ遅かれチームから孤立してゆくので
いずれは戦力にならなくなる。そして、暇さえあれば自分の功績などをひけらかし

凄いとか有能だと周りに認識させる言葉ばかりを口にし、あげくには他を卑下する

ようになっていくという



本当に実力がある者や、リーダーにふさわしい者は、そんな自己価値に身を

置いたりしない。絶えず、チーム全体を考え、自分の向上に励み、下の者への

育成の資源になってゆく。その行為に、そんな奢りなど必要ないとのことだった。
私には、縁もゆかりもない世界の話だったが、この話を聞きながら考えさせられた。
チームプレーのスポーツの話だが、例えば会社や家庭内、対人関係など、すべてに
あてはまると思った。……そう思えば、よくありがちな話だな~。
私は自分の周りにも似たような会話が充満していることを思い出し、他人事じゃ

ない気がして、耳が痛かった。



人に自分を語る時、確かに賞賛や承認など何も求めていなかったら、そんなこと

する必要はない。決まって、凄いね……とか、自分のやった功績をたたえてほしい

という願望があるものだ。
反対に、人を否定したり卑下する時は、その者達より自分が正しいことや優れて

いることをアピールしたいだけし、人に対して簡単に無能だとか間違っていると

言い放つ人は、自分だけが正しいと思っていたりして、大抵は相手の弱点や

一部だけしか見てないし、そんな時に見ている相手の部分は決まって自分より

劣っている所ばかりにフォーカスしている。

どんな人間だって、欠点のみの人なんていないし、会社であれチームであれ、

人と関わり何かを成し遂げる時に大切なのは、みんなが相手のそのものを

認め、互いに至らない所をどうカバーし合って全体のスキルをあげるかであって

決して、単独プレーに走ることじゃない。所詮、一人で出来ることなんて限られてる

もんだし、自己満足に浸ることや、人を卑下するのみの中から生まれるものなんて
何もないと思うけど……

まして、周りが毎回その話をうんざりしながら聞いているのを見てると、みんなが

可哀想になってくるけど、何よりもそれに気付くこともなく永遠に言い続ける

彼の姿が痛々しくてね……人からの賞賛でしか満足出来ないってのも悲しい

生き方だけど、それが彼の人生なんだろうな……。

そして、彼が続けた。



それをしている限りは、その本人の成長はあり得ない。自己満足や達成感に浸ろう
とする者は、必ず足元をすくわれ、自分の世界を自分で狭めていくんだ。
だって、彼は自分だけが正しいと思っているから、自分と同じやり方しか認められ
ない。でも、本当は得点を上げる方法なんて五万とある。彼がやれるプレーは
その内の数通りに過ぎないのに、まるで自分は万能選手だと勘違いしているし、
何より彼は、自己満足と人が自分を賞賛してくれて、認められてるんたという

優越感に浸ることしか見えてないから、チームへは何一つ貢献してないばかりか、反対にその奢りが足かせになってるんだけどね……と言った。



一通り話終えた彼は、元々みんなが好きなスポーツを通して、日頃のストレスを発散
する時間を共有しようという趣旨で始めたものだったのに、今は逆効果で何の為に
してるのか、さっぱり分からなくなってきて……。みんなが、そんな思いじゃない
けど、一人暴走して意味を履き違えると全体が壊れていくし、今のチームが乱れて
いることの原因が自分だって、本人がそれに気付いてないから仕方ないんだけどね
と言い、せっかくの美味しいランチに水を差すような愚痴話になっちゃったねと
苦笑していた。



なんだか彼の経験談を通して、人の葛藤の流れのひとつを見せられてような感じ
だった。誰の内にも宿る、よくある出来事だ。
人は、人に認められたいと思うものだ。でも、それを外に求める限り、ずっと自分を
賞賛してくれる人を探し続け、相手に自分を賞賛させるように戦力を練り続けなけ
ればならない。それでしか自己を認識できず、満足できなくなるから……。
それを永遠にやり続けるって、途方もない労力だな~と、つくづく感じさせられた。



私は、恩師の言葉を思い出していた。


  どんな時も、自分の行うすべての行為を、

              何の為に行っているのか……完全に把握していなさい


  そして、そのすべてに対して自分に完全なる責任が、
                   課せられていることを知りなさい

                      それが、真の自分を生きることなのだと……



私は、今一度誰かに本当に真の自分を生きる覚悟があるかと問われている

ような、そんな気がしていた













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