2021(令和3)年3月11日、14時46分18秒。
東日本大震災の発生から、10年が経ちました。
この震災で犠牲になった方の数は1万5899人、今なお行方不明の方が2526人。
本日、改めて犠牲となられた皆様のご冥福をお祈り申し上げるとともに、行方不明の方が一刻も早く大切な方の元へと戻られることを強く願います。
また、被災されたすべての皆様に心からお見舞い申し上げます。
「10年」という時の長さがどれくらいのものかは、人によって違うと思います。
私にとっては「あっという間のようで、長くて苦しい10年」でした。
私自身は東京に住んでいる身ですが、親族に東北に住んでいる人がいますし、その被害のあまりの甚大さや、遅々として進まない復興、そして福島第一原発事故による影響を連日報道で見てきましたので、震災というものを身近な存在だと思いながら過ごしてきました。
自分自身のことで精一杯で、復興のために何かできたのか、と問われると、何も出来てなかったな、と反省するばかりなのですが、震災に心を寄せることも、大事なことだと思って10年間生きてきました。
今日、こうして一つの節目を迎えたわけですが、これで終わりではありません。
街の復興はかなり進みましたがまだ途上の所もありますし、何より「心の復興」は完全になし得たとは言いがたいのが現状です。「節目」で何かが変わるわけではなく、ただの通過点に過ぎない、ということなのです。心の傷はそう簡単に癒えるものではありません。これからも継続的に寄り添い、少しでも前を向けるようにサポートすることが必要だと思います。
また、折からの少子高齢化や人口減少による地域の疲弊に、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、被災地域や被災者の皆様の「これから」を改めて考える必要に迫られているように思えます。
さらに、福島第一原発事故では溶解した燃料の取り出しがまだ始まっておらず、汚染水やがれきの処理も難題です。廃炉まであと30年と目標こそ定められているものの、その通りに進むかどうかは疑問がありますし、少なくとも「今、この世を生きている全世代」が、福島第一原発の問題と向き合わなければならないのは確実と言えるでしょう。
だからこそ、ここで終わらせてはいけない。
そして言うまでもなく、日本は災害大国です。
ここ最近の地球温暖化による気候変動で、水害は毎年どこかしらで起こるようになってしまいました。また、南海トラフ地震や首都直下地震と言った、日本に壊滅的な被害をもたらすとされる巨大地震の発生も「近い将来、確実に起こる」と言われています。火山の噴火の可能性も気になるところです。
災害そのものを人為的に阻害することはできませんが、命を守り、被害を抑えることはできます。
そのためにも、10年前の東日本大震災で何があったのか、そこからどのような教訓が得られたのか、改めて学び、行動する必要があります。
それこそが、これからを生きる私達の使命です。
私はこれからも、東日本大震災と向き合っていきます。
2021(令和3)年3月11日
「K電車で行こう 新館」
管理人 八百万