仙谷由人国家戦略担当相(公務員制度改革担当)は、6月中旬にスイス・ジュネーブで開かれる国際労働機関(ILO)総会に出席し、政府代表演説で公務員の労働基本権回復を表明する方針を固めた。これまで日本政府に公務員の基本権拡大を求めていたILOに対し、政権交代で方針転換したことをアピールするのが狙いだ。

 自民党政権時代は窓口業務などの公共サービスの低下、教育現場の混乱、防災上の懸念などから労使交渉で勤務条件などを決める協約締結権やスト権に制限を加えてきた。その代わりに、人事院が国会と内閣に給与改定勧告を行っている。

 これに対し、民主党支持団体の日本労働組合総連合会(連合)はILOに提訴。ILOは過去5回、日本政府に公務員の労働基本権拡大を勧告した。

 連合などの要求を受け、民主党は昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)で「公務員の労働基本権を回復し、労使交渉で給与を決定する仕組みを作る」と公約した。政権交代後、政府の労使関係制度検討委員会は昨年12月、人事院勧告の廃止を前提に協約締結権を公務員に付与するモデルケースをまとめた。

 仙谷氏が政府側委員長を務める政府・民主党のマニフェスト企画委員会も、夏の参院選マニフェストに公務員の労働基本権回復と、労使交渉を担当する「公務員庁」新設を盛り込む方向で調整中だ。仙谷氏はILO演説で、こうした民主党政権の方針を伝えることにしている。

 また、仙谷氏は3月17日の参院予算委員会で、協約締結権だけでなくスト権付与も検討していることを明らかにした。政府は来年の通常国会への関連法案提出を検討しており、スト権付与が今後、政治課題として急浮上する公算が大きい。

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