東京・葛飾区の柴又が舞台の映画「男はつらいよ」。主人公「寅さん」の妹さくら役を演じた倍賞千恵子さんが、撮影中の出来事を振り返っている(『倍賞千恵子の現場』PHP新書)

 手前に寅さんとさくらのアップを捉え、背景に通行人が通り過ぎる場面。芝居が始まった途端、山田洋次監督がダメ出しを。そして、通行人役のもとに駆け寄り、問い掛けた。「あなたは今、どこから来たの? どこに帰る人なの?」

 子どもが待っているから帰宅を急ぐ。夕焼けに見とれつつ、ゆっくり歩く――。おのずと歩き方一つにも違いが出るはず、と。全ての役に、みずみずしい命を吹き込もうとした監督の姿勢が、国民に長く愛される人情喜劇を生んだのであろう

 御書に「其の国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ」(1467ページ)と。日蓮大聖人は、地域広布を進める使命と自覚を教えられている。広布のドラマに“脇役”は存在しないのだ

 リーダーは、一人一人に焦点を合わせ、前進への活力を送りたい。「何のために信心を始めましたか?」「今後の目標を一緒に決めましょう!」。“出発地”と“目的地”が定まれば、今、取るべき行動もまた明確になる。主体者としての一人の「一歩」によって、地域の新たな広布の扉は開く。 

【8/4 聖教新聞・名字の言】
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