【勝利は】

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『勝利は、常に、落ち着いて偉大な目的をいだいて働く者の手にあります。』  

エマソン(アメリカ/思想家・哲学者) 



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 問題発言や不祥事で短命に終わる閣僚がいる。長く務める閣僚との違いは何か、言葉遣いに着目した研究がある。筑波大の大南勝(おおみなみまさる)、掛谷(かけや)英紀両氏が国会会議録をもとに分析した論文だ。長期大臣に目立つ単語に「御存じ」があり、主に「御存じのとおり」と使われる

 「是非ご理解いただきたい」などに用いる「是非」も多く、相手を取り込もうとする姿勢が見える。一方の短命大臣は「頑張る」「一生懸命」など自分の努力を一方的にアピールする発言が目立つ。自己中心的で聞き手への配慮に欠ける面が、うかがえるという

 辞めてはいないが、自己中心的といえば稲田朋美防衛相もかなりのものだ。国会で間違った答えをしても「記憶に基づいた答弁であって虚偽の答弁をしたという認識はない」と手前勝手な理屈を述べる

 外遊先では他国の女性閣僚たちと壇上に並んで、「私たちの共通点はグッドルッキング(美しい)」と語る。公の場に似つかわしくない容姿への言及は、どう受け止められたか

 数々の迷言を生んだ稲田氏だが、一昨日の発言には言葉を失った。東京都議選の自民候補への応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と語った。自衛隊がまるで党のものであるかのような言いぶりだ 

 自衛隊を政治利用してはいけない。そんな最低限の規律もないのか。資質が問われる事態である。まさかこのまま、何ごともなかったかのように「一生懸命」に「頑張る」おつもりではあるまい。 

【6/29 朝日新聞・天声人語】
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