【指導者】

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『指導者は選手から能動性を引き出し、自分の野球に自分自身で責任を持てる選手に仕向けておくことが肝要だ。そのためには、練習の時から自分で考える習慣を身につけさせたい。』 

落合博満(日本の元プロ野球選手、プロ野球監督) 

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 「フランケンシュタイン・コンプレックス」なる言葉がある。SF作家のアシモフの言葉というが、人造人間を作り出す者が、やがて自らが創造したものに滅ぼされるのではないかと恐れる心理である。小説や映画でよくある筋書きである。

 「ロボットは人間に危害を与えてはならない」。この第1条で有名なアシモフのロボット3原則は、そうした人間心理をふまえて彼が小説に登場させたルールである。作中では2058年版のロボット工学のハンドブックに初めて掲載されたということになっている。

 ならば、事態は天才SF作家の予想を上回るペースで進んでいるのだろうか。人の操作なしに探索や攻撃判断を行える自律型人工知能(AI)を備えた兵器開発を禁止せよ--そう訴える文書が研究者ら1万2000人余の署名を集めてAIの国際会議で公表された。

 物理学者のホーキング博士やアップルの共同創設者ウォズニアック氏らが名を連ねた同文書は、AI兵器が戦争における火薬、核兵器に次ぐ「第3の革命」をもたらすと警告する。今の技術水準でも数年後には自動的に敵を掃討(そうとう)するAI兵器の配備が可能といわれる。

 20年以上前に亡くなったアシモフは述べている。「現在の最も悲しい光景は、社会が知恵を積み上げるよりも早く科学が知識を積み上げていることだ」。誰しも頭に浮かぶのは軍事大国のAI軍拡競争と、闇市場を介した殺人ロボットのテロ組織などへの拡散だろう。

 フランケンシュタインとは19世紀の原作では自らが作った怪物に復讐(ふくしゅう)される学生の名前だった。AI技術の未来に黒い影を落とすその不吉な響きである。
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