人に何かを教える時、言葉の選び方で、相手の理解は全く違ってくる。

 元陸上選手の為末大さんは、子どもたちにハードルの跳び方を教える時、「ハードルの上にふすまがあるから破ってごらん」と言う。坂東玉三郎さんは舞を教える時、腕をどの角度でどうすると言うより、「空から舞ってくる雪を両手ですくうように」とか「扇子で受けるように」と教える。すると、すぐに分かってもらえるという(『伊東豊雄 子ども建築塾』LIXIL出版)。

 何かを人に伝えたい時、自分の頭の中だけで、どんなに隙のない、正確な言葉を考え、話しても、理解されなければ意味がない。大事なのは、相手の立場に立ち、相手がどう感じているかにアンテナを張る思いやりだろう。



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