都内では、半袖シャツ姿で出勤・登校する人を見掛けるようになった。2005年にスタートしたクールビズは、今年で10年目を迎える。薄着になりがちな時季だが、体調管理の上では“今が危険な時季”といえる。

 この5月、列島を覆う大気の状態は不安定だ。今月中旬、北関東、東北を含む42地点で30度を超える「真夏日」を観測したかと思えば、北海道では季節外れの雪。1日で気温差が10度以上になる地域もあり、寒暖の差は激しい。

 とりわけ気を付けたいのは、熱中症だ。発症のピークは真夏だが、例年、今ごろから増え始める。国立環境研究所の調査によると、昨年5月に熱中症で病院に運ばれた人の数は、東京や大阪など調査対象の全国19地域だけで263人。 梅雨明けぐらいまでは、体が暑さに慣れていないことが要因という。

 一般的な予防には、エアコンの適切な使用、水分・塩分をこまめに摂取することが挙げられる。最近はさまざまなクール商品もあり、自治体の取り組みも多様。公共施設など一カ所に多人数で集まって涼をとる「クールシェア」や、水分・塩分を体に取り入れるのに有効な「経口補水液」なども活用したい。

 食中毒にも注意が必要だ。これから多くの地域が梅雨を迎えるが、高温多湿のこの時季は、食中毒の原因となる細菌が繁殖しやすい。国立感染症研究所の集計によれば、今年の腸管出血性大腸菌「O157」感染症の報告数は126例(4月22日現在)。これは昨年の約2倍に当たり、例年を上回るという。

 食中毒は、適切な加熱処理や手洗いなど、正しい知識を身に付けて実行すれば、予防が可能だ。食中毒の発症を防ぐ三原則「つけない」「増やさない」「やっつける」を守り、賢明な衛生管理に努めたい。

 ともあれ、体調管理は自らの責任と捉え、その基本をしっかり守ることが重要だ。十分な睡眠と栄養バランスのよい食事、適度な運動を心掛けよう。
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