少量コロッケでも吐き気 マルハニチロ「影響なし」撤回

 マルハニチロホールディングス(東京都)の子会社「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)で製造された冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された問題で、マルハニチロは31日未明に記者会見し、体重20キロの子どもが最高濃度(1万5千ppm)のコーンクリームコロッケを食べた場合、約8分の1個で吐き気や腹痛などの症状を起こす可能性があると発表した。

 同社はこれまで、体重20キロの子どもが一度に60個を食べないと健康に影響がないと説明していた。30日に厚生労働省の指摘を受け、計算の誤りに気づいたという。久代(くしろ)敏男社長は会見の冒頭、「計算上、大きな誤解を与える指標を提示した。大変な失策で、深くおわびいたします」と謝罪した。

 同社の佐藤信行品質保証部長によると、「食べても健康に大きな影響を及ぼさない限度量(ARfD)」を算出するべきところを、「動物に投与した場合に半数が死ぬ量」を計算していた。「食品の安全に関わる部署で検討したが、ARfDに関する知識がなかった。保健所に相談するのも忘れていた」という。