今回ワクチン接種したにも関わらず、インフルエンザにかかってしまった斗夜です。
せっかくなんで、これをネタにさせていただき、医師(研修医)の観点からインフルエンザの罹患から治癒までのストーリーを書いていこうと思います。
(前の記事と一部重なる部分はありますが、ご了承下さい)
1月28日(土)
朝のどに違和感を感じる。
ただ斗夜は暖房をつけたまま寝てしまい、同様の症状を呈することは度々あったのであまり気にしなかった。実際昼には違和感はなくなってたしね(^^;)
その晩、病棟の飲み会に参加。終わりのほうで、頭がガンガン、咳が出始める。
ただし、斗夜はお酒はあまり強くないので勢いにまかせて飲んだ場合、頭痛はたびたび起こり、んでもって飲みすぎると咳、時折発疹もでることはあった。(今回は発疹はなかった)
帰ったあとも頭痛は継続、寒気も出てきた。が、飲みすぎると寒気を感じることが度々あったんで、やっぱりあまり気にしなかった┌θ☆(;--) ゲシッ!!
まあ普段と違うのは、いつもに比べて少量の酒で上記症状が出た事、あと今まではどんなに遅くても帰って1~2時間くらいで消えていたのが、一晩中続いていたということでしょうか?
1月29日(日)
頭痛と咳が続くがマスクをして通常業務をこなす。
頭痛に加えて倦怠感も感じたが、二日酔いと思い込み、その日病棟に定刻どおりに来たのは自分だけという状態だったので、自分はまだマシだと思っていた。
回診終了後も非常に体はだるかったので、ためしに熱を計ると37.8度と微熱。
念のためインフルエンザキットにてチェックすると、判定は陰性。
普通の感冒と診断、葛根湯を処方し、普段は日曜日も病棟にいるのだがその日は午前中で退散、家に帰ってソッコーで寝る。
21時ごろ眼が覚め、熱を測ると38.5度、葛根湯を飲んで寝ようとするも、頭痛と悪寒がひどく、2~3時間おきに眼が覚める。
1月30日(月)
倦怠感と頭痛を感じつつも、耐えられないほどではないので普段どおり出勤。
カンファランス中も微妙に咳と鼻水は増えた感じはするが、マスクをして普通に業務。
(鼻水は増えたといっても花粉症に比べればまだマシだったし)
で、10時ぐらいになっても変わらないんで熱を測ってみると相変わらず38度台。
もう一度インフルエンザキットでチェックすると、陽性でした\(__;)。
すぐにタミフルを内服、指導医・部長に感染した旨を伝えて売店でウィダーとポカリを買い込み帰宅、床につきました。
同日夜、熱を計るとなんと37度に解熱(@@;)!!
微熱とはいえそれまで高熱が続いてたんで、すこぶる楽になりました(^^ )
1月31日(火)
36台に解熱(時折37度1,2分になりましたが)するも、2日間の出勤停止のため休んでました。
ちなみに、休み中何をしていたかというと、ここぞとばかりに寝てました┌θ☆(;--) ゲシッ!!
もしくはテレビをつけてぼ~っと見たり、そしてまた寝ると・・・。
病院変わって2ヶ月なりましたが、その間休みという休みを取ってなかったので、久し振りに休日をとった気がしました(^^;)
まあそういうわけで、まだインフルエンザの流行は続いていますが、今回の反省点は
①インフルエンザワクチンをうっていても、油断しない
「予防」摂取なんだから、かかるときはかかります。特に斗夜みたいに傍目からみて(本人の自覚症状はともかく)疲れきって体力が落ちている人は。
ただ、予防接種が無意味とは考えてませんし、来年以降もきちんと摂取して行こうと思います。
予防接種を打っていたから周囲に比べて一番最後まで罹患しなかったかもしれませんし、今回症状が軽くですんだのも(実際勤務そのものはできてた)、ワクチンが関与してないとはいえませんので。
②発症早期(微熱)の段階でインフルエンザキットを試しても、当てにならない
基本的にインフルエンザキットは熱発後12時間たたないと陽性率は低いといわれています。
熱発したときにインフルエンザを疑ったまではよかったんですけど、今思うとそこでインフルエンザキットに手が行くのをグッとこらえて、葛根湯で様子を見て、それでも38度に至ったときにインフルエンザキットを試せばベストのタイミングでタミフルを使えたのではないかと思います。
では、インフルエンザを疑ってはじめからタミフルを使ってみてはどうか?
これに対しても斗夜はあまりお勧めはしません。
というのも、どんな薬にも副作用はあり、タミフルも例外ではありませんので。最近有名になった精神症状や腎不全もそうですが、吐き気、ヒトによってはアレルギー反応も起こります。吐き気に関しては斗夜を含めタミフルを服用した周りのドクターでも結構いましたよ(病気そのものによる症状も否定できませんが・・・)。しかも長期的にみて他に副作用が絶対にないとは言いませんし。
予防効果をいうのであれば、多少はあるんでしょうけど、インフルエンザワクチンの方がまだ予防効果はありますし、インフルエンザワクチンに比べてタミフルの副作用に関してはまだわからない点もあるので、予防効果の劣るほうを優先するのもどうかと・・・。(ちなみにタミフルの添付文書
には、「インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、本剤の予防使用はワクチン療法に置き換わるものではない。」と、書いてあります!!)
そもそもタミフルを世界で一番使っているのは日本なわけで、大規模な実験場と化してますな・・・。
よく患者さんによく分からないからタミフルを飲ませてもらえないかという患者さんはいますけど、まだ市場に登場して間もない薬をいたずらに飲むのもどうかと思いますよ。特に子供に関しては。
もし斗夜が次に同じようなことに出会ったら、まずは、
葛根湯orPL顆粒(普通の風邪薬)で様子を見る
→半日以上経っても熱が下がらないor熱が38度台持続の場合、インフルエンザキットで試す。
→陽性とでたら、タミフルを内服する
それまでは他の感染症(感冒を含む)を疑って、葛根湯なり抗生剤なり使って様子を見ようと思います。
まあ一番の問題は、インフルエンザと診断にいたるまでいくつか徴候(赤字)はあったんですけど、それがありふれた症状(青字)になっていた斗夜の生活習慣だと思います┌θ┌θ☆(;--) ゲシッゲシッ!!。
参考:
財団法人 日本医薬情報センター iyakuSearch 医薬品情報データベース