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2012-02-22 21:25:15

2011年12月号

テーマ:小林真代
さんずいのかはとぞいひてまなうらにふなだまりある岸をゑがけり  真中朋久  p3

木を伐りて空ひろびろとなりをりぬ月はみづからのひかりに浮かぶ 万造寺ようこ p11

犬死にと言われて犬も悔しかろ桜根方に一献ふるまう        貞包雅文 p54

功罪とまとめられつつ大半の夏は罪についてであった        相原かろ p91

とほく鳴る葉に洗はれて竹林を出づれば驚きやすき身体よ      桑原亮子 p95

松葉ずもう子に教えればその後は松葉ばかりを探して歩く      中村明美 p98

赤き布に包(くる)まれて弁当箱は僕の手のなか 揺すれば焼売(シューマイ)と焼き銀杏鳴りぬ
                                河村壽仁 p165

駄菓子屋で串ざし帆たら買ってみる帆たら辛くて顔がしぼんだ    吉澤和人 p175

帰省のたびに祖母にもらひゐし小遣ひを八十四の小母がくださる   竹下文子 p178

山影にマンション群と竹叢がやや離れゐてともに日暮れぬ     松原あけみ P196  
2012-01-28 13:07:31

12月号から十首

テーマ:春澄ちえ

1. 葬儀より歩いて帰る道すがら何年振りかの妻の手握る(竹之内重信 36)
熟年(?)夫婦の相聞、最近よくいいなと思います。

2. マイクロとミリとの違いが呑み込めず妻との原発論議進まず(吉田健一 37)

3. ようしゃなく夏の陽射しは照りつけて土の匂いのむせかえりくる(内山恭輔 93)

4. 母の世話終えし明るき窓のもとぎこちなき手で母の顔剃る(菅家徹96)
菅家さんの母の歌、この前から気になっています。

5. 三角の頭を喰らひ羽根を喰らひ二匹が一匹となりゆく日暮れ(刈谷君代 107)
風炎集『襤褸』、かまきりからの始まりが壮絶でした。

6. 倖せな男だと思ふ私を妻にした事だけをのぞけば(井上政枝111)
なんと!

7. 君の撮りし大和座りの御仏の膝はしろがねの光に満ちをり(大木恵理子122)

8. 鎮もれる宇宙の如き納骨堂冷たき陶器に父と母と兄(久長幸次郎 126)
「宇宙」という比喩。

9. 一瞬で空いつぱいに大好きと伝へたいんだ花火みたいに(岡本妙 129)
「花火みたいに」。旧かなで口語。

10. 飲み止しの紅茶カップに紅移し誰の電話か君は中座す(北島邦夫 164)
どこかせつない男性の歌。

2012-01-25 20:05:46

塔2011年12月号10首選(相原かろ)今年もよろしくお願いします

テーマ:相原かろ

※逆頁順



どの辺に視線を向けてすれ違うべきかと吾は未だに迷う 杉山太郎 p191


十八番歌を兄は唄わず初に聞く解説つきの蒙古放浪歌  加藤京子 p168


残業に未明の城址見て帰るくらがりひろきわが啄木碑  田中 濯 p115


たしかここに鯉を売る店あつたはず鯉棲む水のにほひ広げて 

                          小林真代 p108


結婚の第一条件は信仰とその父母(ちちはは)の方針なりぬ     山上節子 p102


小学校下校合図の「月の沙漠」隣り家のピアノとマッチしており 

                         増田芙蓉子 p101


食べるよりむしろ作るとき箸のないやり方なんて考えられない  

                           吉田淳美 p59


幼なより一番多く食べて来し魚をきかれてアユと答へぬ  広瀬俊子 p58


午前中座りし人のシャーペンの折れたる芯が机にありぬ  山口泰子 p51


ふんふんと頷きながら八歳は刺繍の裏のゴチャゴチャを見る 

                          石井夢津子p38

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