阿修羅

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奈良東大寺の隣に興福寺がある。


そこにひっそり、たたずむ「阿修羅(あしゅら)像」







眉間に剣のある端正な「三面六臂


3つの顔と6本の手を持つ


優美な姿態の美しい少年(少女?)だ。


このはかなげな少年である阿修羅は実は



釈迦を守る帝釈天と天空でバトルを繰り広げる



いわば、釈迦の天敵だった


名前は古代インドの魔神アスラに由来する。



釈迦に言いくるめられて、釈迦を守る「天部八部衆の一人」


に帰依した阿修羅は一見穏やかなその顔の下に、本来の猛々しさを


押し込めたような表情を見せている。


奈良の大仏に代表されるように釈迦像といえばどれも、



のっぺりした顔にパンチパーマ、でかい図体をのさばらせている。



貫禄があるというべきか。ヤダナ~。



カッコイイのは断然阿修羅だよ。美しい!



そんな優美な阿修羅は実は1200年以上も呪われているというのだ。




彼の肘には



釘が何本も打ち込まれている



ことがレントゲン写真によって判明している。



また、ぱっと見にはわからないが


片目は製作の工程で潰されているそうだ。


法隆寺の秘仏とされる聖徳太子像も、



光背が脳天から釘で打ち付けてある



という話。


一族を殺された太子の呪いを封じ込めるために。



幾度となく襲う火災から唯一生き延びた


不思議な運命を持つ阿修羅像。だが、それは


封じ込められた災い



が焼かれることによって解かれるのを恐れた人々によって


救い出されたのかもしれない。


彼はいまだ仏像の中に


荒ぶる心を閉じ込めたまま、その鋭い牙を磨いでいるような気がする。


少しひそめた眉からその苦悩が垣間見られる。



それにしても釈迦のヤツ


寝そべって余裕で笑てやがる。チッ。







読んで見たい本⇒「 阿修羅を究める 」興福寺監



【注】


■寝そべる釈迦は「寝釈迦仏」といって本来は臨終にある釈迦の姿。


上の写真]はタイのワット・ポーにある


身長33メートルの巨大な寝釈迦仏。金箔に包まれギンギン。


タイ系仏像は日本と比べると超ドハデだ。



■度重なる火災で天平時代に作られた像の大半は後に復興されたものばかり。


「天部八部衆」のうち、頭部しか残されていない


五部浄(ごぶじょう)もカワイイのだ。


阿修羅にも実在のモデルがいるという話。女性?


彼女に呪われるようなどんな悪事を働いたんだろうか。






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