2011年01月04日

その情報は、情報価値がないから流通しない−13

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第12回の内容です。

-----

情報価値のありかたを考えるとき、
誰にとっての情報価値なのか、
その整理もとても大切になる。

好みや趣味が細分化され
メディアが細分化され。

そんな時代であればあるほど
誰にとっての情報価値をイメージするのか、
どこを戦略的に攻めるのか、
その視点はとても大切になる。

2010年のカンヌでデザインライオンを受賞した
TOYOTAのIQ FONTのプロジェクトは、
誰にとっての情報価値を高めるのか、
その点をとてもしたたかに&
戦略的に考え組み立てた仕事だった。

ターゲットは都市で暮らす18-35の人々。
TVCMではイメージがつくりにくいその層の人々に
効果的にアピールするために、
オリジナルフォントをつくるという企業活動を
企画し展開してる。



プロダクトの訴求ポイントは
クルマの卓越したagility(俊敏性)。

このプロジェクトは
「ToyotaのIQは卓越したAgilityをもったクルマである」
という訴求点を
「卓越したAgilityをもったクルマにしか生み出せない
フォントを作り出すプロジェクトを発信する」
という活動に変換すると同時に、
都市で暮らす18-35の人々というターゲットを
彼らの3つの興味軸
「デザイン」「テクノロジー」「モータースポーツ」に分解し
コンテンツ設計とメディア設計をしている。

「デザイン」「テクノロジー」「モータースポーツ」
それぞれの世界の代表的存在の3人を
プロジェクトの軸にすえ、
3つの視点で面白く見えるように
コンテンツは設計されている。
同時に、
「デザイン」「テクノロジー」「モータースポーツ」の
3つの軸のメディアに効果的に露出するように
したたかなPR戦略を組み立てている。

こういうユニークな視点のコンテンツは
いろいろな形で試みられてきたと思う。
商品性能のデモンストレーションを
アートや先端技術との掛け算で設計するプロジェクトは
これ以外にいいものがたくさん存在してきたと思う。
でも、その多くは、
たくさんの人の目に触れることなく
シブイ玄人仕事として日陰の花のような存在に
留まってきたものも多い。
どんなに面白くても
ダウンロード数や閲覧者数に限界があれば
面白いけど、どうなのかなあ、、、っていう
悲しい評価で終わることにもなる。
担当者の自己満足という陰口をたたかれることにもなる。

IQ FONTのプロジェクトも
ダウンロード数という指標では
24000程度の小さな効果。
でも、そもそもその目指される指標が
ダウンロード数ではなく
PR的メディア露出に置かれているから
その効果は大きなものとして評価されている。

誰に届けるのか、
どう届けるのか。
その視点が明確になれば、
そして
その視点に基づいたメディア戦略が明確になれば、
同じ情報でも
ぐっと価値の高い情報になる。

IQ FONTのプロジェクトは、
その意味での学びをたくさん与えてくれる。

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2010年12月21日

その情報は、情報価値がないから流通しない−12

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第11回の内容です。

ーーーーー

前回にひきつづき
ONESHOW10年のベスト10から。
http://www.oneclub.org/DigitalDecade/
今回は、
2007年にBest of Showになっている
「NIKE +」の情報価値です。

福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba-nikeplus

NIKEさんは、
この10年の中で
何度も金賞以上の上位受賞を果たしている広告達人であることは
インタラクティブ領域でも同じです。
NIKE FOOTBALLとか
ロナウジーニョのバイラルムービーとか
名作と言われるものは数々ありました。
でも、そのなかで
この「NIKE +」が10年のベスト10に入っていることは
とても意味深いものがあると思います。

2001年のカンヌで
NIKEさんのカスタマイズドシューズの販売サイト
「NIKE-id」がサイバーのグランプリに輝きました。
このサイトが
その年のベストオブベストに選ばれた、
金賞ではなくグランプリだったことに
その年の審査メンバーの審査眼の素晴らしさに
感心したことを憶えています。

それは、販売サイト。

でも、その評価は、
カスタマイズドシューズの販売サイトとして
よくできていたということ以上に、
ブランディングに寄与する広告活動としての
意味と評価が大きかったのだと思います。
自分仕様の商品を作っていくプロセスで
ロゴマークの色を選んだり、
自分のIDをどう埋め込むのかを考える行為は
ブランドとターゲットの距離を近づけるのに
とても効果的な行為です。
どんなカッコイイCMやポスターをつくるよりも
こうした活動にこそ
新しい広告としての意味と価値があった。
審査メンバーの多くは、
そうした意味と価値をこの仕事に見たからこそ
グランプリを贈ったのだと思います。

「NIKE +」が登場したとき
多くの前線クリエーターたちはきっと
「NIKE-id」で始まった
ユーザー価値の高い広告活動の流れを思い描きつつ
その評価をしたと思います。

何億ものおカネをかけて面白い広告をつくるのも
ブランドファンへのサービスである。
でも同じ何億のお金でも
彼らの日常スポーツライフに新たな価値を日々提供する
サービスを提供することができたら、
それはリアルに高いユーザー価値を提供することになる。
しかもそれは、ブランドイメージを
これまでとは違う深さと質で高めることができる。
しかもそれは、継続的に長期的に
絆を生み出すことができる。

NIKEさんは、
表現の領域でさまざまな革新を実現してきただけでなく
こうした活動を通じて
広告の情報価値のあり方に
一石を投じ続けてきたブランドでもあるのですね。
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2010年12月17日

その情報は、情報価値がないから流通しない−11

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第10回の内容です。

ーーーーー

福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba-oneshow10

NYのOne Showが
ついさきごろ
2010年を締めくくるものとして
Best of the Digital Decadeというランキングを発表した。
この10年を振り返り
激動の時代を代表するベスト10を選ぼうという試みだ。

その並びを見てみると
メディア環境や時代環境の変化とともに
クリエーターや広告主が
広告の情報価値のあり方を
どう考えてきたか。
それがどう変化してきたかがよく見えて面白い。

BMW FILMS。
福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba

2001年頃からスタートし
世界中の広告マンたちをたまげさせた広告キャンペーン。
TVCMのメディア購入費を
ネットの仕組みと映像制作のお金にあて
CMとは異なる4分~5分といった長尺ネット映像で
ブランディングをするという画期的試み。
今でこそ、ネット映像でブランディングすることなど
珍しくもないが、
まだ一般家庭の回線環境が整っていなかったその時代に
この挑戦がなされたことは
かなり大きな驚きだった。

BMWのブランドタグライン「Driving Pleasure」。
BMWというブランドは
「走る喜び」を最高の形で実現するブランドであり
それを実現する最高のマシンを生み出しつづけることが
BMWブランドの役割であり約束である。

時代的課題は
「走る喜びを最高のかたちで実現するブランド」という
ブランドのコアな価値を
TVCMがリアリティをもって伝えられなくなってきたこと、
だったんだと思う。
さまざまな法的規制から
究極のドライビングプレジャーを伝える映像を
TVCMが流せなくなってきたこと。
そう、
TVCMというメディアで流れる広告に
情報価値を見いだしにくくなってきた
ということだったんだと思う。

映画的コンテンツにおけるブランドの情報価値を
007映画を通じて試してきたBMWさんは
次のステップとして、
自ら映画文脈の広告映像を制作し
それをネット上の映画館で流すという新たな手法で
時代的情報価値を高めることに挑戦する。
それが、BMW FILMS。

超一流の映画監督が指名され
超一流の映画スタッフが集められ
超一流のスタントドライバーが雇われ
1本単価5億とも6億ともいわれた映像が
つぎつぎに生み出されていった。
それは、広告映像でありながら
何度も繰り返し見たくなる
価値の高い広告映像だった。

自分たちの広告映像が高い情報価値をもちにくくなった
と判断したら
それまでどっぷりつきあってきたメディアから
ドラスティックに足場を変えて
より情報価値の高い広告活動に移行する。
8、9年前にこんな思いきったことを
しかも大胆にやって見せたことは
本当に勇気のいることであったと思うし
すんごいことだったと思う。

こころから。

(つづく)









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2010年12月15日

その情報は、情報価値がないから流通しない−10

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第9回の内容です。

ーーーーー

Crispin Porter + Boguskyというを尊敬してる。
心の底から尊敬している。

Subservient Chickenとか
Counter Feit Miniとか
Whopper Sacrificeとか
オモシロおかしくぶっ飛んだ広告手法で有名なこの会社。
でも、
フクダがずっと感心してきたのは
ぶっ飛んだ表現の背後にある
マーケティング的視点や
左脳的情報整理がちゃんとしてるところ。
ただ面白いのではなく
課題解決をどう実現していくのかの
戦略設計部分がシャープに練られてるところ。
オリエンシートをよく読み込んだ上で
市場環境や社会環境など
いろんな条件を考えながら
そのオリエン課題にあげられている
伝えるべき何かが
今の時代にはどういう情報や活動に置き換わると
効果的に流通することになるのか。
そこをしっかり考えて組み立てているところ。

たとえば、
Whopper Freak Out。



オリエンはシンプルに、
50年にわたってバーガーキングの看板商品であり続けてきたWhopperが
アメリカでもっとも愛されるハンバーガーであることを伝える。
というようなものだったんだと思います。

50年の節目に展開する企業広告的ブランド広告キャンペーン。
そうしたお題は、日本でもよくあります。

Crispin Porter + Boguskyは、
そのお題を
ただ50周年とか
ただアメリカでもっとも愛されているとか
そうした事実を伝達する広告に落とすのではなく、
「もしもワッパーがある日街から消えたら・・・」という
ドキュメンタリー実験的活動に変換して伝えています。
その企画のキモは
「もっとも愛されている」のリアリティ。
オリエンのドセンターに真正面から向き合って
その伝わりのリアリティの最大化に
知恵を絞ったその結果が
このドキュメンタリー型実験広告
「Whopper Freak Out」だったんですね。

それは結果として、
「もっとも愛されている」を多くの人々に
イモーショナルに伝えることに成功しただけでなく、
バーガーキングファンには
自分だけでなく多くの熱いファンが存在することを確認させ、
Whopperファンであることに改めて誇りを感じさせる
強いものであったんだと思います。

このキャンペーン映像を見たフクダは
またまたまんまとCrispinの戦略にやられ、
バーガーキングが日本再上陸を果たした際に
真っ先にWhopperを買いに走ったのでした。

うん。たしかに美味しかった。

(つづく)
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2010年12月13日

その情報は、情報価値がないから流通しない−9

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第8回の内容です。

ーーーーー

今回はソーシャルメディアのこと。
トリプルメディアというタームが一般化してい以降
それぞれの企業さんにとって
ソーシャルメディアを始めとする
Earned Mediaの活用をどう考えるかは
重要な関心事になりつつあります。

でも、情報価値という文脈の中では
その答えはとてもシンプル。

そのコミュニケーションが送り出している情報の
情報価値が高ければ
PRやソーシャルメディアへの広がりも
自然とアクティブになる。

コアなネタさえしっかり設計されていれば
それはおのずと
メデャアに紹介されやすくなっていくし
Twitterやmixiなどのソーシャルメディアにも
広がりやすくなる。

ルパンのキャンペーンは、
その流れを強く実感させるものでした。
「渋谷のモヤイ像をいただく」というネタに
情報価値が高かったから
PR露出もどんどん発生したし、
現場を目撃した人々を起点に
ブログ、Twitterへの拡散も爆発的になった。
もちろん、
事前のマスコミ各社へのリリースクリエイティブは
緻密に行いましたし、
Twitter, YouTube、mixi、Flickrなどでの
広報活動も積極的に行いました。
でも、いわゆる
アルファーブロガー対策のようなことや
シーディングと呼ばれる活動などは
一切していない。
それをせずとも広がる流れができていたんですね。

先週の金曜日に
インテグレートの藤田さんのセミナーがあって
そのなかでも
藤田さんは同じような話をしていらっしゃました。

藤田さんを始めとするPR系の方々のメソッドには
いろんな意味で刺激されている
この1、2年の福田ではあります。
マス表現を担当してきた身として
PR系の回路の重要性や
世の中ごと化のシナリオは
たいそう勉強になってきた。
同時に、
伊藤直樹や田中耕一郎がPRを積極的に取り入れる
コミュニケーション設計を実践してきたことも
大きな刺激になってきました。

情報価値という視点が
福田なりに固まっていく流れの中には
そうした時代的プレーヤーの
活躍が大きく影響しているのです。

ちなみに福田は、
藤田さんの会社のHPで
藤田さんと対談もしています。

http://www.itgr.co.jp/itg/special/vol01.html
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2010年12月09日

その情報は、情報価値がないから流通しない−7

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第8回の内容です。

すみません。前回。
7回から9回に
シリーズ番号をスキップさせてしまったので
今回を第8回とします。

ーーーーー

2009年のカンヌで高い評価を得た
「The Best Job in the World」というプロジェクト。

この仕事は
情報価値の意味をたくさん考えさせられる仕事でした。



オーストラリアを代表する観光デスティネーション
グレートバリアリーフ。
このキャンペーンは、
この著名な観光地への注目を集め、
集客を促進することが目的でした。

Create international awareness of the islands of the Great Barrier Leaf.

紹介ビデオでも書かれていたブリーフィング内容。
それは、
どこの政府観光局においても行われてきた
きわめて一般的な内容です。
ハワイ政府観光局も、タイ観光局も、タヒチ政府観光局も、
どこの観光局においても
共通に行われて来たであろう内容。

そのオリエンに対して
このキャンペーンが提案した内容が
The Best Job in the Worldという求人広告をする
というものでした。

グレートバリアリーフの素晴らしさは
みんなよく知っている。
TVの旅番組でもたびたび登場し、
地球を代表する珊瑚の楽園であることもよくわかっている。
みんな美しい!!!って思ってる。
ネットで検索をかければ
美しい海の写真が山のように出てくる。

福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba-g8

このキャンペーンのポイントは、
どんなにいいカメラマンが撮った美しい写真をつかって
どんなに優秀なコピーライターが書いた優れたコピーをもって
このデスティネーションの素晴らしさを説いても
その広告情報に
それほど情報価値が高まることにはならない
って考えたことなんですね。

同時に、PR視点で考えると、
グレートバリアリーフの海は世界一美しいってことを伝える
キャンペーン情報は
記者さんや編集者さんにとっても
情報価値が高くないから
記事になる可能性も低い。

The Best Job in the World。
世界一うらやましい仕事の求人広告をやる。
という活動に変換されると、
とてもユニークな広報活動として
TVネタになり新聞ネタになる。
リーマンショック以降
世界的に失業の波が押し寄せているという
時代背景の計算もすばらしい。

広告の現場で
日夜、いい広告の設計を
デザイン面から
あるいはコピー面から
考え続けてきた僕たちにとって、
既存の表現お作法の枠を飛び越えた
考え方にジャンプするのは
なかなか難しい。

でも、
今の時代、
情報価値を高めることに
シンプルに向き合い
そのソリューションを探っていけば
こんなみごとな価値変換もできる。

この仕事は、そんなことを教えてくれています。

(つづく)
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2010年12月08日

その情報は、情報価値がないから流通しない−8

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第9回の内容です。
ーーーーー

コーポレートサイトのリニューアル。
そうした仕事をお引き受けする場合にも
情報価値視点の整理は大切になります。

Webサイトは
サーバーに溜まった情報(ログ)をみれば
そのサイトのどんな情報を求めて人々がやってきているのか
一目瞭然。
そのサイトのどこに情報価値の高い情報があるのか
それが日々視覚化されていくのがWebサイトなのです。
その意味で
Webサイトリニューアルプロジェクトで最初にすべきことは
過去ログの解析です。
それを見て、その企業が発信している企業情報の
どこにもっとも市場ニーズが高いのかを探っていく。

しかし、過去のWebサイトに
その企業が発信しうる全てが存在しているわけではありません。
ログがはじき出している結果は
その企業がとりあえず今
企業HPで実現しているコンテンツの中での順位づけであって
そこに全ての可能性が集約しているわけではないのです。
まあ、当たり前の話ですが。

次にすべきことは、
その企業の歴史、沿革、経営理念やフィロソフィー、
日本市場で果たしてきた役割、海外市場で果たしてきた役割、
次期経営方針、ビジョン、社長の発言、
事業内容、サービス内容、提供商品、市場ポジション、
組織構造、社風、経営者の個性、社会活動など
その企業にまつわるあらゆる情報を読みこむこと。
そして同時に
主要部署にインタビューをかけて
文書ではみえてこない企業情報を拾いあげていくこと。
そして、そうした全体像をふまえた上で
その企業の強みが発揮される、あるいは
その企業らしさがもっとも現れる
情報発信のあり方がどこにあるのかを考える。

情報価値という視点にたったとき
そこにはいろいろな物差しがありえます。
わかりやすく技術力が優れていてその評価が圧倒的なら
それを基本に考えればいいし、
その企業の評価を支える特定商品ブランドやラインナップがあるなら
それを基本に考えるのもいい、
その企業の経営者が圧倒的にユニークで
その人に情報価値が高いなら
その人を中心に据えたあり方を考えるのもいい。
また、
その企業の個性が「圧倒的明るさ」という社風にあるのだったら
それを基本に考えるのもいい。

企業も人間も同じです。
人間を好きになる理由は、いろいろです。
仕事ができる、頭がいい、能力が高い、ということもあれば
家柄がいい、学歴が高い、収入が高いということもある。
性格がいい、優しい、明るい、マメである、ということもある。
その人が選ばれる理由は
必ずしも実績やスペックだけとは限らないのです。
その企業がもっている
情報価値の高い要素を柔らかく考えていく必要があるのです。

もちろんその企業が
今後どうなりたいか、
どういう企業に見られたいか。
その要素も重要です。
そのアウトプットの最終チューニングは
そうした要素もふまえながら
その落としどころを探っていくことになります。

ただ、コーポレートサイト設計において
もっと重要なポイントがあります。
それは、コーポレートサイトの価値は
リニューアルしたタイミングではなく
運用されて以降に決まっていくということ。
短期的な広告活動ではなく、
その企業があり続ける限り運用される企業活動そのものなのです。
リニューアルの瞬間にその表現が褒められても
それが短期的価値しか持たないとすると
そのサイトの情報価値は
ほんの数ヶ月で下落していくことにもなる。

最近さまざまな場面で語られているように
コーポレートサイトは
企業が自ら所有し運営するメディアなのです。
それがメディアであるという視点にたつと、
2つのことがとても大切になってくる。
メディアとしてどれだけ良くできた箱になっているか
その企業ブランドにふさわしい箱になっているか、
使いやすい箱になっているか、という点。
そしてもうひとつは、
そのメディアに載せるべき情報の情報価値を高める
情報編集と編成のあり方を日々考える機能が
あるか、という点。

結局、その企業の情報活動の価値は
日々の発信活動の視点と内容によって決まります。
企業が生き物のようであるように
その企業の姿をうつす鏡であるコーポレートサイトも
生き物のように姿を変えていくべきです。
その頻度と内容が
その企業のイメージをつくっていくことになる。

2003年からずっとお手伝いしている
森ビルさんのコーポレートサイト。
2008年に実施しリニューアルでは
企業のオウンドメディアとしてのあり方を模索しています。
街づくりの会社、ビルをたてる会社という側面だけではなく
文化事業、タウンマネージメントなど
さまざまな顔を持つに至った
現在の森ビルさんの活動が多面的に発信される箱は
どうあるべきなのか。

福田敏也 オフィシャルブログ PEACE! Powered by Ameba-mori

777は、CMS、
コンテンツマネージメントシステムの意味を重視しています。
決して、システム開発の会社ではありませんが
そのあり方にはとても興味があります。
なぜなら、
そのあり方を考えることが
企業の情報発信の頻度と鮮度を保つことになる
と信じているから。
その仕組みとしての価値だけでなく
表現としてのあり方を考えることが
その企業の情報発信の価値を高めると信じているから。

森ビルさんのコーポレートサイトでは
画像とテキストを入れるだけで
トップエリアの企業情報が即座に切り替わる
CMSをつくっています。
それなりに表現リッチなエリアであっても
どんなスキルの担当者も対応できる仕組みをつくる。
そのことで
そのサイトは価値の高い情報発信の
道具になっていく。

CREATIVE CMS。
CMSという領域は
ただ単に、省力化やコスト効率化という文脈だけで
語られるべきではなく、
企業の情報価値を高める積極的な道具として
考えられるべきです。
その領域は中には、
クリエーターにしか組み立てられない
CMS設計がある。
そう信じているのです。

コーポレートサイトにおける情報価値の話を書き始めたら
予想を超えて長くなってしまいました。
すいません。

(つづく)
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2010年12月06日

その情報は、情報価値がないから流通しない−6

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第7回の内容です。
ーーーーー

永谷園の生姜部の存在を知ったのは
とある民放の情報番組でした。

永谷園という企業で始まっている
ユニークな企業活動「生姜部」。
その情報番組は
生姜部に所属する永谷園社員の方が
生姜部の活動を紹介する内容になっていました。
大学の先生との研究活動、
畑で育てながらの活動、
生姜レシピの研究。。。

面白い会社だなあ。
ってシンプルに思いました。
PRも上手だなあって、
って思いました。

その生姜部の活動が
広告会社の仕掛けだったことを知ったのは
それから1、2ヶ月後。
同時に
この生姜部の仕掛けが
生姜系新商品の発売にあわせた
広告キャンペーンだったことを知りました。

生姜をテーマにした永谷園の新商品シリーズ。
そのデビューを成功させ
市場に定着させることが
オリエンで提示された課題であったことが想像されます。
それに対してプレゼンした答えが
「生姜部という社内組織をつくる」。

「永谷園から生姜をテーマにした商品シリーズ、新発売!」
という情報の
時代的情報価値を高めるために
「永谷園は生姜部という組織をつくり
生姜をテーマにした企業活動を始めました。」
という情報に変換して伝えるその知恵。
とてもユニークなものでした。

情報価値を高めるクリエイティブにおいて
有効な視点となるのが
商品情報や企業情報を
企業活動情報に変換してみる、という視点。
企業情報と企業活動情報の差は
たった一言「活動」というコトバが違うだけなのですが
それが結構、大きな違いになる。

新商品情報は
立派なリリースをつくって
時代的商品であることを声高に伝える資料をつくっても
新聞・雑誌ネタ的には
新商品紹介欄の一部に入る情報にしかならない。
よっぽど画期的商品でない限り。
でも、
ユニークな企業活動という話になると
扱いはずいぶん違ってくる。
ユニークな企業活動は
社会の時代的出来事として扱われるので
その活動はりっぱな記事として
新聞紙面で紹介され
経済番組で紹介され
マーケティング雑誌で紹介され、
ということになっていく。
流通しにくかった情報が
とつぜん流通しやすい情報にかわるのですね。

永谷園の生姜部は、
PR活動を中心に展開し
このジャンル商品の時代価値を高めた上で
マス広告のフェーズに入ると
その活動を紹介しながら
具体的な商品が紹介されていく
という流れをつくっていました。

(つづく)
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2010年12月02日

その情報は、情報価値がないから流通しない−5

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第6回の内容です。
ーーーーー

前回のブログでは
PR系エージェンシーが展開する情報クリエイティブ
のことを書いたんですが、
このブログでの一連の「情報価値」の話が
PR系の情報クリエイティブ話で終わってしまうと
そりゃお前のメソッドじゃないだろ!
って、怒られてしまいます。

そりゃ、そうなんですよね。

自分たちの企画仕事のなかでは
概念整理にとどまらず
いろんな局面で情報価値を考え
シミュレーションしている気がします。

その商品に情報価値はあるのか。
その商品スペックに情報価値はあるのか。
その企業情報に情報価値はあるのか。
とか、
その映像に情報価値はあるのか。
その仕掛けに情報価値はあるのか。
そのイベントに情報価値はあるのか。
その伝え方に情報価値はあるのか。
とか。

情報価値の有無を考え
それが大きくなければ
情報加工を施し
価値の高い送り出しを考える。

たとえば、
昨年末から今年の年初にかけてやっていた
LUPIN STEAL JAPAN PROJECT。
その仕事は
ルパン三世という日本を代表するアニメキャラクターの
時代的情報価値を高める仕事だったと思います。

ルパン三世が世に提供しているコア価値は

「すごいお宝をいとも軽やかに盗んでみせるその痛快さ」

でも、その情報価値は
時代の流れとともにパワーを失いつつあった。
だとすると、
その情報に時代的リアリティの情報加工を施し
情報価値を高めてみる。

みんなが日々暮らす街中リアルに存在するすごいお宝を
いとも軽やかに盗んでみせるその痛快さ」

それが、

渋谷駅東口の
モヤイ像を、
いただくぜ。
ルパン三世

という広告になったのでした。

(つづく)
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2010年11月30日

その情報は、情報価値がないから流通しない−4

テーマ:情報価値のクリエイティブ
「その情報は、情報価値がないから流通しない」
というテーマで書き始めたら
なにやらいろいろ書きたくなって
止まらなくなってきました。
このエントリーは、その第5回の内容です。
ーーーーー

広告業界ではPR系の会社が元気です。
インテグレートさんやビルコムさんをはじめとする
たくさんのPR系エージェンシーさんが
得意先の直指名を受けて
コミュニケーション設計をやる時代になっています。
ある種、総合エージェンシーは
そうした勢力に押され気味とも言える時代です。

広告クリエイティブには
情報クリエイティブと表現クリエイティブがある。
これまで、いわゆるクリエイティブと言われてきたのは
広告会社が主導してきた表現クリエイティブであり、
今の時代、注目すべきなのは、
情報をクリエイティブする視点。
その視点でのクリエイティブが市場や生活者を動かすために
重要となっている。
インテグレート代表の藤田さんが
語っていらっしゃるメソッドの骨子はそうした内容です。

たとえば、インテグレートさんの事例によく登場する
「夜家事族」という情報クリエイティブ。
音の静かな洗濯機というメリット訴求では
市場やメディアは動きにくいという分析のもと
今の時代背景や生活実態をふまえた上で
「夜家事族」という情報キーワードを開発。
そのキーワードが
メディアに乗っかっていくシナリオを書いていく。
メディアは、
単なる新商品情報には動きにくいが
社会現象ネタには敏感に反応するから
そのテーマの記事化が実現していく。
その文脈にのって
「だから、音の静かな洗濯機が今、求められている」
という流れで商品情報が露出していく流れをつくる。

「音の静かな洗濯機」という情報には
時代的情報価値が低いから
その情報加工を行い
情報価値の高いコトバに変換していく。

この記事のテーマになっている
情報価値のクリエイティブという考え方は
すでにPR領域では
こんな感じで実現しています。

(つづく)
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