鮎川集会所

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さかなやは鮎川に着くと


先ず自分の会社に案内してくれた


勿論会社なんか無い


あいつのオヤジが一台で作りあげた会社ダイスイの屋根や残骸が在るだけだ
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直ぐ横では


自衛隊のレッカー車やトラックが瓦礫の撤去に当たって居て


ひっきりなしに


僕等の前をトラックが行ったり来たりしていた。
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その中で


あの・・・・



アホのさかなや・・・・・



『とっくりさんwとっくりさんwこれ!俺の会社の屋根w写真撮って下さい(笑)』って・・・ポーズ取りだした(笑)


┐( ̄ヘ ̄)┌
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『これこれwダイスイのネーム入りwここ!会社の一部っす(笑)』tって・・・またもやポーズ(笑)
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湘南ナンバーのレンタカーで来た三人組が


瓦礫の中で笑顔でポーズ取って写真撮ってる・・・・・。


自衛隊の人の白い目が・・・・


マジで突き刺さってるんですけど(笑)


『さかなや・・・・かなり俺達・・・白い目で見られてるけど・・・・』


『そうっすね(笑)デヘヘッヘ~~wwwでもこれ俺ん家ですからww関係無いっすよww』


まあ・・・確かにそうなんだけどww


きっとツイッター辺りで観光客がなんたらカンタラって・・書かれてるだろうな~~・・・なんて思いながらもww


まあ辺りを詮索。
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鮎川はね


捕鯨基地でもあって


普通のお魚とは別に捕鯨で栄えた町でも在るんだって


だから至る所にクジラのレリーフやクジラ博物館みたいな物があり


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(鮎川のマンホール)


観光の名所でもあったらしい


震災後の今も、その名残をとどめる物は沢山有ったよ


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あいつの会社は本当に海から歩いて直ぐの所に在って


震災当日津波が来る前に重機などを高台の上に移動しようと会社に向かっている途中


近くの川の水があふれ出しているのに気付き


ふと・・・前を見ると


ありえない所に立ちあがる大津波を目の前にして『オヤジ!逃げろ!逃げろ!』ってギヤーをバックに入れ!猛スピードで坂をバックで登って逃げたらしい


あそこで川の水に気づくのが少しでも遅ければ


『俺も津波に呑まれてたッスヨ(笑)』


さかなやは笑いながら話してくれたよ。
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ブラブラしながら話していたら


海面の上昇にさかなやが気づき


チョット水位がヤバイですね!


そろそろ避難所に行きましょうか!て事で!


鮎川集会所の避難所に到着!
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ふでむらさんから頂いた手ぬぐい!


男衆に渡して玄関に真っ先に貼り付けたさかやな
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避難所から見た鮎川

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到着した僕等を見た避難所の人達


『あら!ケイちゃんもう帰って来ちゃったの(笑)』


『なんだお前?出て行ったんじゃなかったのか?』


まあ普通の感じって言うのかな・・・なんか・・・奴も最初は今一つ溶け込めない感じだった。



兎に角僕等はトラックから山の様に積み込まれた物資を降ろす


余りの物資の量に避難所の人達も弱冠顔がほころんでくる


最初にビールのケースを渡した時!『ヒュ~!やった!』って声が聞こえて・・・嬉しかった・・・・。


そこら辺りから男の人が少しづつ手伝ってくれて


物資を降ろし終えた頃は寒かったのに汗が額をつたってた

正直到着が3時間近く遅れて居たので時間が無かった!


早速さかなやに何処で魚捌けば良い?と聞いて


集会所の厨房に案内される


さかなやとの打ち合わせでは食事当番のおばさん達がシャリだけは炊いててくれる事に成って居た・・・。


しかし・・・どうやら誰かが手伝ってくれる気配は無い



避難所に居る


店も自宅も失ったお寿司屋さんにさかなやが声を掛けて居た


『●●さん・・・横浜からわざわざ皆の為に寿司握りに来てくれたんですよ!●●さんも手伝って貰えないですか?』


『・・・・おら・・・調子悪いから・・・悪いな・・。』


『またまたwwそんな事言ってwwたまには握らないと腕が鈍っちゃいますよ(笑)』


『もう良いだ・・・腕なんか鈍っても・・・本当に風邪引いてんだ・・・。』


『でも・・・。』


『ケイちゃん!大丈夫w大丈夫だから!すいませんボランティアに来て無理なお願いしちゃって。』


寿司職人の方は何処かに行ってしまわれた。


『最初から一人でやるから大丈夫だって言ってるだろ、頼まなく良いよ・・・被災者に仕事させたら何しに来たか分からないし・・・。』


『でも・・・・とっくりさん・・一人で400~500人分の寿司握れますか?』


『出来るかどうかじゃ無くて・・・やるしかねえだろ。』


どうたらシャリの方も駄目らしく


自分達で炊かないといけないようですと・・・さかなやが何度も謝りながら言って来た


『大丈夫!大丈夫!』


僕等は厨房に通されて魚を梱包から解き、準備を始めた。


『さかなや!お前も手伝え!ブリの切りつけしろ。』


『またまた(笑)デへへへっへww』


『早くしろよ!折角助かった命粗末にするな。』


『・・・・・あ・・・ハイ・・・。( ̄Д ̄;;』



避難所の若手でさかなやと連絡を取り合ってくれてたヤス君が米炊きを手伝ってくれた


最初は土鍋で炊くのかと思ってたらガス釜が有ったので米の計り方水の計り方教えて最終的には15升!3升炊きで5回!


ヤスは炊くたびに上手く成って行きw


『寿司はシャリが命っすよね!とっくりさんw』って何度も言ってたな(笑)

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兄貴も何か手伝える事有るか?って言ってくれたので


軍艦のシャリの握り方教えて軍艦専門職人に仕立て上げたww


握り始めるとおばさん達が少しづつ覗きに来てくれ出した。


(おお?少しは興味持っててくれたのかな?)


『美味しそうなマグロ~!これ!後で食べれるの?』


『ハイ!待ってて下さい!』



『あれ?ヤス?お前米炊けんのか?(笑)大丈夫か?』


『何言ってんだよ!俺のシャリ食ってみろ!マジで旨め~んだからよw』


一人・・・又一人兄貴が握った軍艦に海苔を巻いてくれる人


玉子を切って折に詰めてくれる人


僕が握った寿司を折に詰めてくれる人


ガリを詰める人



気づいたら10人以上の人が自分に出来る事


鮎川とっくり支店が出来あがってた。




マグロ2貫、カンパチ、ブリ、鯛、玉子、海老、いか、一貫づつ、軍艦ネギトロ2貫を一人前として大体400人分!
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1時ごろから握り始めて


180人前を握り


120人前が終わった頃が4時半過ぎ


まずい・・・・間に合わない・・・・時間との勝負!



避難所の夜は早い、僕等が到着した日に初めて電気が通ったので暗くなる前に食事をして早く寝ると言うサイクルが出来あがって居る。


遅くとも6時半がリミットだと踏んで必死に握りマシーンと化して居た。


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これは避難所のヤスが送ってくれた写メ


俺達が必死に握ってる横で・・・・・


アホのさかなやの野郎の


そーっと伸びる手
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俺は気づかなかったけど・・・



食ってたらしい


( ̄∩ ̄#


しかもあの野郎ビールも飲んでやがった(笑)

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気づいたら名前も知らない人達と笑いながら
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冗談を言い合いながら


大変だったけど


近隣の家に住む所20人前


何処其処地区40人前


・・・もう・・・一体自分が何人前握ったんだか分らなかった頃
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後は此処の集会所の60で終わりだよ!


て声掛けられた時!


疲れきってた気持ちが蘇って又スピードアップww


其処で朝方さかなやが声掛けてたお寿司屋さんが腕まくりして入って来た!


『すいませんでした・・・関係の無い人がこんなに一生懸命やってくれてるのに・・・見てたら居ても立ても居られなくなって・・・・手伝わせて下さい。』


『お願いします。』





人が人を動かす事って有るんだね・・・。





7時半ごろか・・・・厨房の人の分大皿に盛りつけて終了。


皆乾杯して喜んでた




僕はトイレにも行けづ・・・7時間近く握り続けて



流石に疲れて空の発泡スチロールにヘタり込んだ。

『とっくりさん!何飲みますか?』 さかなやが言ってくれたけど・・・。


流石に避難所の人の物を頂くのは気が引けて


『良いよ・・・お前達が飲んでくれ・・。』


そうするとヤス君が僕にビールを突き出し


『俺マジで嬉しいんですよ!俺達漁港の人間です・・・魚食うのが当たり前で・・・何とも思って居ませんでした。でも1ヶ月以上生魚食ってません!何より食いたかったのが寿司だったんですよ!本当にありがたくて・・・一緒に飲んで下さい。』



前日の朝8時から一睡もしないで鮎川まで緊張しながら来て・・・ズーッと握りぱなし・・・疲れてヘトヘトだったけど・・・。


嬉しかった


本当だったら皆さんはただ待ってるだけでスムーズに寿司を渡すはずだったのに・・・色々な事が在って結局は皆さんを手伝わしてしまう失態。


しかし


一人また一人と手伝ってくれて最後は一緒に食事をして飲んで欲しいとまで言われて



料理人やってて



本当に良かった



この時ほど心底そう思えた事無かった。



皆美味しい美味しいって!


女性陣もビールが進君(笑)


疲れたから・・・そろそろトラックに行って寝ようかな・・・って思った時



『外のテントで漁師達がお礼言いたいから来て欲しいって言ってるんで!言葉悪いけど悪い人達じゃないんで来て貰っても良いですか?』


さかなやの方見ると



嬉しそうに笑って


行きましょうよwって感じで先に歩いて行った。



外のテントは三つあって


その中の一つは道路のU自工を逆さにして薪をくべ、食料を焼けるようにしていて


カンパチやブリのカマを其処で漁師達が焼いて居た。


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『旨がった~!あのマグロは宮城じゃ食えね~マグロだじょ!東京さ行ぐマグロだ!』


『俺達魚食ってる時が一番幸せなんだ!良ぐ来でくれたな~・・・。』


要らないって言ってるのに食え食え言われて


炭火で焼き上げた本格焼物食べさせられた(笑)


まさか


被災地でこんな旨い物御馳走に成るなんて夢にも思って無かったよ。
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此処で色々な話をした


漁師の人が酔った勢いも在ったのだろう


さかなやに問いかけた!


『オイ!ケイちゃん!おら放射能さ浴びた魚こ捕ってくるで!なじょにかして放射能さ取ってけろ!』


さかなやは笑ってたけど


顔は笑って居なかった


『頼むぞケイちゃん。』


困った様にさかなやが僕に聞く



『とっくりさん・・・もし魚取れたとして売れると思いますか?』


皆が僕を凝視して居た。


さかなやは自分の口では言えなかったのだろう・・・・少なくともそう聞かれて言葉が無かったんだと思う。


『売れないよね・・・今は・・・・。』



場のテンションは一気に下がる


しかし漁師の順宝丸のオヤジ通称ずんぽのオヤジは『なじょにかして放射能さ取ったらええべ!』って言ってた・・。


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漁師の人達はグッチャグチャになった海に今日も明日も毎日海に出て


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瓦礫の撤去に励んでいる


俺達の海を


又漁が出来る様に!


魚が住める海に!って・・・家も無くなり・・・明日の生活も見えない中ガソリンを自腹で切り


毎日海の掃除をしてる
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沢山沢山


貴重な話を聞いた


涙が何度出そうに成ったか分からない


結局僕等は夜中の2時過ぎまで


飲み明かした


長く成ったので





今度




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