大豆食品の危機(遺伝子組み換え大豆が食卓に載る日は近い?) | さりげなく★スローフード

大豆食品の危機(遺伝子組み換え大豆が食卓に載る日は近い?)

昨日の日経新聞で、「非遺伝子組み換え大豆」から作られた味噌が店頭から消えてなくなる日が来るかもしれない、という論説を載せていました。


日本同様、ヨーロッパでも遺伝子組み換え食品に対する消費者の目は厳しいのですが、一方で中国、インド等の新興国も「非遺伝子組み換え大豆」を輸入しようとしている。
そうなると、絶対量が増えないなか、輸入争奪戦が繰り広げられることになります。


日本の大豆は、自給率はわずか5%ほどです。
ということは、95%の大豆は輸入品です。


典型的日本食を彩る食品の多くが大豆からできていることは言うまでもありません。
しょう油、豆腐、油揚げ、味噌、納豆・・・・・・


ぼくは、おいしい五分付きくらいのご飯に、納豆、味噌汁に漬物があれば、基本的にはもう満足なのですが、そのうちの多くは大豆食品ということになります。
大豆の95%が輸入ですから、すべて国産で賄うのは極めて困難です。

(もっとも、輸入大豆から油がとられる量も多く、食用品大豆に限れば、75%の輸入になるようです)


さて、日本の輸入大豆の75%は、アメリカから輸入されています。
そのアメリカで作られている大豆の80%は、遺伝子組み換え大豆です。


さて食品表示はどうなっているか。

表示欄を見て、「大豆(遺伝子組み換えでない)」)という記述を見かけられた方は多いと思います。
が、ここには実はグレーゾーンがあります。

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日本ではJAS法と食品衛生法によって、「大豆、とうもろこし、ばれいしょ(ジャガイモ)、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜」の7作物について、以下の2つの項目に該当する食品を対象に「遺伝子組み換え食品」としての表示が義務づけられています。


○原材料欄に記載されている原料の3番目まで
○少なくとも原材料の重量に占める割合が5%以上であること


注:上記2つの基準に加え、分別された原料の場合は、遺伝子組み換え原料の混入率が5%までは表示対象から外され。また、混入があっても「遺伝子組み換えでない」と表示することが許されています。


ただし、この表示法が適用されるのは、原料中に遺伝子組み換えによるタンパク質やDNAが検出できる場合のみです。醤油や植物油などは、遺伝子組み換えダイズ、トウモロコシ、ナタネ(カノーラ)が原材料に使われていても、タンパク質やDNAが加工過程で分解されるとして表示対象外とされています。
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/gm/basic/label_html  より)

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つまり、
●5%以内であれば、「遺伝子組み換えでない」と表示する必要がない
●混入のときも、表示義務はない
●醤油や植物油には表示義務がない

こういうことになります。


ということは・・・・・・
日本の輸入大豆の75%は、アメリカから輸入されている。
しかも、アメリカで作られている大豆の80%は、遺伝子組み換え大豆である。

こうなると、遺伝子組み換え大豆が100%入ってないとはまず言えないのではないかと思います。


さて、干ばつのあったオーストラリアでは、いまや73%の人が「遺伝子組み換え小麦作付けに賛成」に回ってしまったことを、以前の日記に書きました。


「負けるな、オーストラリア!(遺伝子組換え小麦)」
http://ameblo.jp/toshi-shun/entry-10103322362.html


日本の食卓に、いまや堂々と遺伝子組み換え大豆が入り込もうとしています。
それでいいのか、どうか。

私たち消費者に、その態度が求められつつあります。