もっと小金井市を、おもしろく。~白井亨(小金井市議会議員)blog

第一子誕生をキッカケに地域に目を向け色んな「縁」のおかげで地域に生きる“日常の豊かさ”を実感。小金井市を持続可能なおもしろいまちにするため、2013年市議会議員初当選。2015年12月市長選挙に出馬も惜敗。2017年市議選でトップ当選、再び市政の最前線へ。


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17日土曜日は、こがおも勉強会【保育シリーズ】第3弾『小金井市の保育行政、民間委託への経過と今後の展望』を開催いたしました。狭いこがおも事務所には、私を含めて16名の多様な背景の方が集まり、小金井市保育行政の民間委託化の流れについて、前公立保育園運営協議会共同委員長の三橋さんの話に耳を傾け、熱い意見交換ができたと思います。

 

全てを網羅できませんが、ポイントを掻い摘んで当日の模様をご報告いたします。

 

 

●おことわり

 

はじめにおことわりしておきたいことは、このタイトルでは三橋さんが民間委託を推進してきたかのようなニュアンスがあるとご指摘を受けました。特にそういう事実はありません。公立保育園運営協議会立ち上げの経緯やずっと行革で出されている「公立保育所の民間委託化」について十分な情報と知見をもっているため、こういうお題目にしたという理解でお願いします。

 

また、「今後の展望」に関しても、ご本人とすれば『ちょっと荷が重いですよ』ということで、全体的にこれまでの協議の経過をご存知の立場からの、個人的な見解という位置づけで捉えて頂ければと思います。

 

(追記)青文字部分:2016年9月23日

※三橋さんからblogにコメントを頂いております。詳細はコメント欄を御覧ください。また、この記事を読む上での注意点を記述頂いてますので、その点抜き出してお知らせしておきます。

『当日は多面的な視点が必要だからこそということで、極端な例やわかりやすくたとえ話も交える中で、前後の説明が無いと表現が不正確なものや誤解を招く可能性がある記載も多数あると思いましたので、読まれる方は、その点はご理解の上で読んで頂ければと思います。(一つ一つはコメントしませんが、特に冒頭の話などは誤解を生じる可能性があるのではないかと思います。その点を含め)僕が全体を通じてお伝えをしたかったのは、利用者・行政(経営者)、民間・公立、(総合的見直し等に)賛成・反対など立場や意見の違いはあれど、協議をする上で「信頼関係(相互理解)」が大事だということ。(具体的な相互理解を培ってきた例として運営協議会や五園連での活動実績を取り上げさせていただきました。)』

 

※上記を踏まえた上で、以下、三橋さんのお話を聴いた要点メモとなりますこと、ご了承ください(文責:白井亨)

 

●「民間委託化」という話について

 

強引なことを言うと、公立保育所は市の持ち物だから、行政が方針を決めてしまえばある意味市民に相談することなく進めてしまうこともできる。裁判の課題もあるものの、将来的な委託を承諾して入所してもらう形にすればそのリスクはなくなる。ただし、小金井市は保育の分野に関してはそれをしてこなかった(別の分野ではそういうこともあった→一時の学童や小学校給食の民間委託など)。

 

小金井市の行財政改革の取り組みの一環で、公立保育所の民間委託はずっと前から議論されてきた。その理由の1つとして、保育所職員が多いからである(※1)。これまでずっと進められてきた人件費削減の流れで、人件費を減らすためのいわゆる“行革の目玉”とも言われてきた。

 

(※1)ちなみに平成27年度で正規職員691人(決算カード:特別会計含む)中、保育所職員122人=正規職員の約18%を占める)

 

H18年の児童福祉審議会(※2)の答申は、本会議24回、起草会議32回、10ヶ所以上の見学をして検討して提出した。この時の課題とか、運営主体の問題とか、現状でも課題と言われていることと同じ。研修の方法、多様なニーズとの対応。民営化問題の課題、選考、人事交流など、様々具体的に書かれてある。

 

 

(※2)児童福祉審議会答申(平成18年3月30日)「3.保育業務の見直しについて」

https://www.city.koganei.lg.jp/shisei/singikaitou/singikaitounotousinkirokuteigen/hukusikenkoiryo_tosi/jidoufukushishinngik.files/3.pdf

平成15年9月1日に市長より諮問された「適正な保護者負担と行政サービスの在り方及び業務運営の簡素効率化のための見直しについて」における4つの項目(「1.保育料の改定について」「2.保育業務の見直しについて」「3.学童保育業務の見直しについて」「4.ピノキオ幼児園業務の見直しについて」)について、小金井市児童福祉審議会において審議を行い、その結果を平成18年3月30日に市長へ答申しました。

 

 

この児童福祉審議会の結論の読み方は難しい。保育業務の一部の改善は認めながら、現行の市立園での改善でも可能と触れ、1園の委託では財政効果が薄く効果がないと否定されている。しかし一方、3年をめどに改革の中身を評価議論することが示唆されている。また、現行体制で保育業務の十分な改善がみられない場合は、運営協議会等で民間委託の計画・内容について検討することにも触れており、その可能性も残している。

 

 

●公立保育園運営協議会設立にあたって

 

<ポイント>

・行政からは(委託云々ではなく)まずは父母の意見を聞きたいという主旨と聞いていた

・運営協議会は「委託の是非を議論する場ではない」ことを前提にスタートした

・学童のそれをモデルにしているが、非公開ではなく原則公開とすることにした

・学識や公募市民を入れるという提案もした

 

行政の審議会は大体方向性が決まっていると言われるが、小金井市はそうならないケースも多い。保護者の間では「ガス抜きにされるのではないか?」という懸念もあったが、そのために行政側に2つの提案をした。

 

①共同代表(共同委員長)形式→行政側+保護者側

②覚書の締結→以下

 

 

<覚書の概要>

・協議会は民間委託を協議の前提にしない。

・まとまったら結論を出すことも否定しない。

・外部に開かれた議論をする。

・有識者や第三者を交えた議論をする。

・意見はすべて公開(原則)

・報告書を可能な限りまとめること。

・協議スケジュールを協議会の中で確認する。ただし、平成27年4月に結論を出すことを条件としない(※3)

・この覚書を担当者が変わるたびに更新している。

・基本体に信頼関係で進めているというのがベース。議論がかみ合う形で進めていきたい(いまのところはおおむね進めていけている)と考えている。

 

(※3)この運営協議会を立ち上げる際に、市は既に組合側へ「平成27年度委託」を示していた。が、実際は委託はまだされていない。

 

 

 ●保育園運営協議会の議論について

民間・公立ともに行政が理解していない。特に民間の保育所のことを理解していない。公立に比べたら普段からコミュニケーションしていない。研修や人材育成についてなどが顕著だった。保育検討協議会(平成27年度)では、民間委託への賛否を打ち出していない(※4)。多様な意見があったので両論併記の形をとった。

 

(※4)「今後の小金井市の保育行政の在り方に関する意見 ~小金井市保育検討協議会報告~」(平成27年12月)

https://www.city.koganei.lg.jp/shisei/seisakukeikaku/kosodate/kyogikai/unnkyoudai26kaikara.files/siryou118.pdf

 

<公立園の役割認識:行政による3つの認識>

・行政機関としての役割

・地域の子育て支援の拠点

・保育施設の拠点

→これはすなわち課題でもあり、できているというわけではない。

 

(ここで、実際に保育検討協議会の委員を務めていた方からの意見として、『報告書では公立園を核として民間の保育の質の向上とあるが、みんなの意見じゃなかった。現実に議論されていた内容とずいぶん違う報告書となったと思っている。保育の拠点と言っていた人は一人だけ、スタンダードとかいってたのも一人ぐらい。』という声が入りました)

 

一応最終物は会長、行政の目を通っている。公立保育所の管理運営の効率化についてはひとつの意見に集約することはできなかった(と報告書に記載してある)ので、各委員の意見がそのまま掲載されている。

 

 

●公立保育園の役割と運営形態の見直しについて

 

どうしても保育の質の話より、結局財政の話に終始しまいがちだった。経営の方からすれば限られた財源の中でうまくやってよということになる。

 

確かに、民間だから質が低いとかいう話ではなく、確率論・表面に出てくる話と思っている。他の自治体では「公立でもひどいところがある」という話は聞く。

 

ちなみに公立保育園で毎年とっているアンケートによると、小金井の公立保育園の父母の実に95%が満足している。変えることに不安を感じている。そのような状況の中であえて変えるような場合には、説明が必要となる。それに対して、財政が原因というと結局お金なのか?となってしまう。

 

実をいうと民間委託しても財政効果は出ない。事業譲渡すれば財政効果が出るが、それは補助金の話(※民営の方が補助金が多く出るということ)にすぎない。補助金の制度は永続的なものではない。本来の民営化の効果は運営者同士が競争して切磋琢磨することにあり、お金の付け替えではないはず。現状では(保育園が不足しており)競争原理が働くような状況とはいえない。

 

また、小金井市は平成24年に発行した施設白書で「保育園は建て替えるつもりはない」としているのに、公立保育園の民営化の議論では建替えることを前提とした財政効果を論じる方もいる。

 

●活発な意見交換が

 

三橋さんからは、関係する過去の経緯なども含めお話をいただけ、イベントは2時間の予定でしたが、それでは時間が足りず途中質問を受けたりもあり結局3時間のイベントとなりました。

 

参加者からは、以下のような意見も出されています。

 

・待機児童増えているといいつつ、運営者としては経営的には不安。公立保育園に対して保育の質は負けていない(カラーはあるけれども)。建て替えたけやき保育園は非常に立派、民間だったら2つ作れる(それだけ余裕を持ったスペース取りをしている)。行政は民間に定員の弾力化を求めているが、公立はやらない。また、障害を持つ子どもやアレルギーのある子どもについては民間園はリスクが高すぎる。民間としては入って来たら断ることはしない(できない)。

 

・保育園に入れない人をどう考えるのか?入れない人も協議会に入れてはどうか、と市に提案したが叶わなかった。

 

・民間委託を前提にしないと書いてあるが、逆に残すことを前提の話に聞こえる。フェアではないと思う(それが住民の思いであればよいが)。(他市で)保育園の評価委員をしているが、公立保育園がよいと評価されるのは民営化されて最初の1年だけで、それ以後は民間の方が評価が高いことが多い。本当に質が語られているのか。

 

・保育の質は父母が見ている。悪いところが淘汰される仕組みが必要、善し悪しのうわさはあるが(定員が不足している状況では)預けざるをえない。

 

・社会福祉法人のやってることが伝わっていない。

 

・なぜ行政が教育、保育やるのかというところに立ちかえって、本来は子供に対してどう時間をお金をかけるべきかという議論が本来あるべき。

 

・サービスに求めるものが高すぎるのではないか。現在150のレベルは100でもよいかもしれない。150にするのはコストがかかっている。その質が必要かという議論があるのではないか。行政に求めるものが大きすぎるのではないか。

 

・民間保育園のことしか知らない。公立の悪いうわさしか入ってこなかったりする。そういう情報を取りまとめるところがない。幼稚園のことも知りたい、小規模保育園の話とか。家庭的保育とか。知りたいが情報がない。小金井の子供としてどこにいっても幸せに生活できるようにするには、連携すること、ちゃんとした情報が必要。公立保育には延長保育の枠があるとかといううわさ。大変な子供を公立が預かっているとか。保育課が対応できる体制がない。

 

・昔は園長会は公立と私立も一緒だったが、今はなくなった。私立園の園長の会は認可のみ。

 

・公立・私立両方入れたが、比較してしまう。私立は情報がない、保護者会もない、親同士もしらない、という情報格差がある。民間運営の場合に行政が保育園との関わりが消えてしまうのが課題。

 

・行政は私立保育園を全然把握していない(いい面も悪い面も)。

 

・三鷹の場合は民間委託した保育園に対する行政の管理体制を厳しくしているが、これに対しては細かすぎるという批判もある。

 

●終わりに

以上がイベントでのお話と意見交換の内容でした(全てを網羅できていませんので、その点ご了承ください)。

 

個人的な見解を述べると、小金井市としての保育行政へのビジョンがない、と感じています。今の「子ども・子育て支援事業計画」は5年タームですが、今後、就学前児童が減少トレンドになる中、子ども育ちのために小金井の保育をどうしていきたいのか、どうより良きものにしていくか、長期的な視野でのビジョンが必要ではないかと思います。

 


基本的にオープンなイベントなので、オフレコ話は聴けませんでしたが、それでもこれまでの児童福祉審議会の答申から公立保育園での議論や実情、保護者からもリアルな話、そして民間保育園の園長さんなども交え、時にシビアな話も入ったものの、多様な立場の人が互いの状況を理解するようなシーンもあったり、多くの気づきを得ることができたのではないかと思います。


議員時代から、保育に関わる色んな立場の人が一堂に集まり意見交換をする機会が少ないと感じていました。①公立認可保育所、②私立認可保育所、③認可外保育所、④待機児童の親たち、に分断されていると感じていました。幼稚園を含めると⑤つですね。

 

この保育シリーズの勉強会、一旦これで連続企画は終わりますが、引き続き定期的に開催していきたいと思います。

 

 

(参考)

『「公立保育所の民間委託は、平成32年を目途に」〜小金井市議会・厚生文教委員会にて』(2016-09-08)

『小金井市の保育について、意見交換しました〜<待機児童、保育料の見直し&認可外との格差、民間委託>』(2016-08-23)

 

 

 

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