エリザベス女王杯
テーマ:競馬大波乱の女王杯、その要因は極端なペース by ’半笑い’さん
先週末はエリザベス女王杯が行われました。
展開的には、離して飛ばした2騎(クィーンスプマンテ・テイエムプリキュア)によるワンツーで、いわゆる「行った行った」のレース。圧倒的1番人気・ブエナビスタは、際立った末脚を見せながら3着止まりでしたが、ラップ的にはどのようなレースだったのでしょうか。
◆エリザベス女王杯(GI・京都芝11F)
2009年:36.0-36.7-24.1-36.8=2'13"6(クィーンスプマンテ)
2008年:35.1-36.6-25.2-35.2=2'12"1(リトルアマポーラ)
2007年:36.2-37.0-24.6-34.1=2'11"9(ダイワスカーレット)
2006年:34.8-34.8-25.3-36.5=2'11"4(カワカミプリンセス=降着)
※「3F-3F-2F-3F」で表記、( )内は勝ち馬。06年は降着でフサイチパンドラが1着繰り上がり。
今年の芝は9Rまで稍重でしたが、その9R・嵯峨野特別も「2'00"6」と標準的な時計が出ていましたし、8R・黄菊賞も昨年より速い「1'48"6」。重馬場発表の土曜・比叡Sはハイペースのせいもありましたが、昨年日曜に行われた同レースより1.5秒も速く、少なくとも良発表の昨年より時計が掛かる馬場ではなかったと見ていいでしょう。即ち今年のエリザベス女王杯は、額面上も昨年より1.5秒遅いタイムでしたが、実質は更に遅く「例年より2秒程度遅い決着」と判断したいと思います。
ラップを見てみると特に「第1~第2ブロック」が遅く、前半だけで2008年より1秒、ハイペースの06年と比べると3秒程度遅いという明らかなスローペース。前半の流れ自体は07年とほぼ同じ流れでしたが、問題は今年がこの程度の流れで前2頭の大逃げになった点でしょう。
07年は逃げたダイワスカーレットに後続馬群が途切れずに続き、3・4番手の馬が常に3馬身以内にいる「溜め逃げ」でしたが、今年は前2頭と3・4番手が残り6Fで10馬身以上、残り4Fでは25馬身程度離れているという「超大逃げ」。即ち3・4番手の好位勢の踏んだラップで言えば、今年は07年よりも4秒程度遅い、特殊な流れだったということになります。
これを踏まえて考えると、昨年の勝ち馬リトルアマポーラは、一見昨年より積極的なレース運びにも見えましたが、実際は「昨年より前半で3秒ほど遅い、呑気なラップを踏んでいた」というのが正解。ディフェンディングチャンピオンがこの位置でがっちり折り合っていたのも、前2頭の「行った行った」を生んだカラクリと言えそうです。
流石にここまで極端なペースだと、今後のレースで再現性は低そうですが、触れておくべきは「第3ブロック」の速さでしょう。これは1月にテイエムプリキュアが日経新春杯を逃げ切った時と同様のラップ構成で、「『第2ブロック』までに緩めて余力を蓄えられれば、『第3ブロック』でリードを拡げて流れ込む」という切れ味はないが底力はある逃げ・先行馬の常套手段。単純な「前恵まれ」ではなく、1・2着馬は「8~9Fで切れ味を活かすレインダンス・ブラボーデイジーらが好位から大失速したのと比べると、一線を画すスタミナを見せたのは間違いなさそうです。
意外と上位の序列は、長距離では参考になるものと考えていいでしょう。




