哲人政治家

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今村復興相がまた失言をしたらしい。

【これがまだ東北で、あっちの方だったからよかった。けど、これが本当、首都圏に近かったりすると、莫大(ばくだい)な、甚大な被害があった。】 (毎日新聞より)

 

大臣になって舞い上がっているのかもしれない。為政者として人々を上から見下ろしていると、このような発言になるのだろう。被災した人々の苦しみに寄り添っているなら、絶対に出てこない言葉である。政治家としての見識を持ち合わせていない、飲み屋で偉そうに一席ぶっているおっさん以下のレベルである。

 

大臣と言っても小粒な人物ばかりの昨今だが、本日はかつて哲人政治家と呼ばれた田渕豊吉をとり上げてみたい。田渕は1882年に和歌山県御坊市の生まれた。つまり、私と同郷である。生家も私の生家とは同じ通りにあり、100メートルと離れていない。

 

造り酒屋の四男坊で、幼少のころから勉強が好きであったと聞いている。とくに英語が゜好きで、便所に辞書を置いて用を足す毎に単語を覚え、ページ単位に憶えるとそれを破り尻を拭いたという逸話が残っている。

 

早稲田大学の政経を経て、約7年間の欧米留学をしている。この経験によって日本を客観的に見る視点を獲得したと考えられる。1920年に衆議院議員となったが、良い意味でお坊ちゃんだったのだろう、決して俗に染まることはなく一貫してリベラルな姿勢を貫いた。その超俗的な言動から、田渕仙人とも哲人政治家とも呼ばれたのである。

 

関東大震災時における朝鮮人大虐殺事件の真相を追及する演説に対して、尾崎行雄は「日本国民の良心の叫びとして、わが国議会演説史にちりばめられた不滅の宝石であった」と絶賛したという。(ウィキペディアより)

 

彼は一貫して戦争反対を訴え続け、大政翼賛会が発足した後も無所属を貫き、東条英機の演説に対し痛烈なヤジを浴びせ続けた。そのため、不規則発言等により懲罰をうけること4回、議長による退場命令はその数知れずであったという。

 

残念ながら、1942年の翼賛選挙において落選して、政治家として無念の幕を下ろし、そして日本は敗戦への道をひた走ることになってしまった。

国会議員に落選したのち、誰かが田渕に御坊市長に立候補してほしいと頼みに行ったらしい。彼は「クジラが泉水で泳げるかあよ。」と答えたと言われている。豪放磊落な田渕らしいが、実際のところは健康を害していたのかもしれない。それからほどなく1943年に失意のうちに死亡している。享年60歳であった。

 

山下公園にて

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一昨日はへたくそなエイプリル・フール記事を書いたりして皆様方の失笑を買っている私ですが、政界では私よりもっとセンスのよくないというより下司な冗談がまかり通っているようです。このような事態に、あるニュースキャスターが、「政界では毎日がエイプリルフール」と言っておりました。

 

こういう状況が一番子供の教育上よくないんではないかと思うのです。やれ道徳教育だの、教育勅語だの掛け声掛けていれば、日本人の品性が上がるというものではないようです。言っている当事者たちが見苦しい状態をさらしているのですから。

 

森友問題の本質は、政治家と結びついている人が、特別な恩恵を受けることができるのではないかということでしょう。そのことは誰もが感じていることであります。当然、政治家や官僚はそのようなことを否定しなければならないのです。

 

役人は自分の潔白を証明するために、この件についてのやり取りを開示しなくてはならない。なのに関係文書はすべて破棄したと言ってのける。八億円もの値引きをした土地払い下げに関する資料は、会計監査を受けなければならないと専門家は言う。関係資料は5年間保持しなければならないはずらしい。罰則規定がないからと都合の悪いものは処分(したことに)してしまう。官僚の思い上がりでしょう。

 

政治家は自分の潔白を証明するために、このような土地払い下げが正当なものであるかどうか、そして関係資料を破棄してしまった役所のあり方が良いのかどうか、それらのことに対して態度をはっきりさせなくてはいけない。もし、それが良くないと判断するのであれば、関係した官僚を追及せねばならないはずです。

 

①森友学園に対する土地払い下げが正当なものであるかどうか?

②関係資料を破棄してしまった役所のあり方が良いのかどうか?

 

予算委員会において安倍首相は上記2点について質問された時、自分は森友問題に関係していないというだけで、聞かれたことにはまともに答えることはしませんでした。質問が理解できないほど頭がわるい訳ではないと思うのですが、国会という公の場で堂々とぼけた答弁が許されるということが情けなさ過ぎる。われわれ国民の意識が低すぎると思うのです。

 

森友学園に100万円寄付したかどうかというようなことは些末な問題です。行政府の長としては、官僚が国民に対して公平に対応するよう指導しなければならない。そこに不公平があれば官僚を追及しなければならない。というのはあくまで建前で、現実は、官僚は政治家の意図を忖度するからこそ、おのれの職分を逸脱したことを行うのです。だから政治家は官僚を追及はできない。また、そのようなもたれあいがお互いの力の源泉となっています。この構図を突き崩さない限り、日本はいつまでたっても三流国のままでしょう。選挙の時には是非このことを想起してもらいたいと思うのです。

 

 

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よく考えて欲しい。

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( 朝日新聞デジタルより ) 

 ≪  これまで3度の運転差し止めの司法判断が出ていた関西電力高浜原発3、4号機。1年前の大津地裁決定の後、大阪高裁が出した決定は一転、「再稼働容認」だった。差し止めを求めていた住民らは「東京電力福島第一原発事故を忘れたかのような決定だ」と落胆した。一方、原発に経済的に依存する地元・福井では歓迎する声が…… ≫

 

下級審では割合リベラルな判決が出されるのだが、上級審になるにしたがって行政の思惑通りの判決が出る傾向がある。三権分立とは名ばかりで、最高裁長官も最高裁判事も人事権は内閣が握っているわけだから、考えてみればそれは当然のこととも言える。法律の専門家としての矜持を持ち続ける人は出世がしにくい仕組みになっている。いきおい裁判官の上目遣いのヒラメ官僚化がはびこるのである。

 

森友学園の問題で、「忖度」という言葉が飛び交っている。官僚が総理大臣夫人の意図を「忖度」することがあったのかどうかということが問題になっている。しかし、元官僚出身のある評論家にいわせると「官僚から忖度を取ったら何も残らない。」らしい。官僚は出世するかしないかで収入も大きく違うし、出世すれば個室や秘書付きの役職にも天下りできるし、何度も退職金を受け取ることができる。出世するには政治家に「あいつは役に立つ」と見込まれなくてはならない。それで、無理な注文も通してしまうヒラメ官僚だらけになるのである。

 

森友問題では政府は苦しい答弁に終始しているように見受けられる。夫人付き秘書官が財務省に問い合わせをした行為さえ、それは秘書官の個人としての行為だと言い張る始末だ。

政治家が地元の陳情を受けて、役所に問い合わせるということは普通にありうることだが、問題はその結果だ。受け付けられていい陳情と受け付けるべきでない陳情があるわけで、森友の場合は、絶対受け付けられるべきではない要求が受け付けられているということが問題なのである。

 

なぜ森友側にとってこれ以上はない条件で国有地の払い下げが決定されたのか、その経緯を詳らかにする必要がある。しかしその経緯を記した文書は既に破棄されているという。はたしてそれは役所として正しい在り方なのか、それを追及する義務は行政側にあるはずである。しかし、やろうとしない。官僚側にも政治家側にも明らかになってはまずい事情がそこにあると断定しても間違いないだろう。

 

政治家や官僚それに裁判官までもが、あからさまな国民への裏切り行為をして恥じない。それなのに「美しい国」を標榜する。日本はそんな夜郎自大な国に成り下がっているのである。

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100万円寄付したとかしなかったとか、そんなことばかり焦点が当てられている。しかし事の本質は、エキセントリックな人物が創立しようとした小学校に対し、財務省や大阪府が異常なまでの配慮をしたということにある。 
 

≪ 学校法人「森友学園」の小学校開設の認可を巡り、大阪府の松井一郎知事は21日、府私立学校審議会(私学審)が2015年1月に「認可適当」の答申を出す前、財務省近畿財務局から「口頭で森友側に売却するとの見通しが(担当課に)伝えられた」と述べた。府庁で記者団に明らかにした。財務省は毎日新聞の取材に対し「府に契約の見通しを伝えたことはない」と否定している。  ≫  ( 毎日新聞 )

 

森友学園の土地取得にめどが立たねば、大阪府は学校設立の認可をするわけにはいかない。一方、財務省側は平成28年度の学校開設を、埋設物撤去を学校側に委任して売却を急いだことの理由にしている。本来はあり得ない行政判断が行われていた咎が問われているのである。

今になって責任を擦り付け合っている、当時の理財局長と大阪府知事を証人喚問するのが妥当であろう。

 

しかし、この奇矯な人物の創立する小学校に、理財局長や大阪府知事がここまでサービスした理由は何だろうか? 安倍さんは、自分がこの件に関係しているなら政治家を辞めるとか言って力みかえっているけれど、行政の長としてその理由を明らかにする義務がある。100万円の寄付がどうのという前に、役人を呼びつけて真相究明すべきではなかったのか。それができないのはなにか後ろ暗い所があるのだろうと勘繰られても仕方があるまい。

 

事件が発覚する前は、「素晴らしい教育方針と妻から聞いている。」と言っていた。それが一転して今では「しつこい人」だ。この人の言葉は信用できない。

悪魔の証明って

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学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題に関して、共産党の小池晃書記局長が、学園側が自民党国会議員に便宜を図るよう求めた記録が存在すると主張し、安倍晋三首相を追及した。

 

小池氏 「私どもは、ある自民党国会議員事務所の面談記録を入手しました。そこには、森友学園側と(売却に関わった)近畿財務局や大阪航空局とのやり取りが克明に記録されている。記録は、2013(平成25)年8月5日から始まります。一部紹介します。」 ‥‥( ある政治家の事務所に籠池氏が来訪し、いろいろなやり取りがあったことを述べる)‥‥

 

それに対して安倍首相は次のように答える。

 

安倍首相 「まず、読まれた文書は、どういう文書かも分からないですよね。本当のことかどうか分からないものを、立証する責任はそちらにある。そこで、国会議員の事務所、まるで私の事務所であるかのごとくの印象を与えていますよ。印象を与えていますが、そういう事務所がどこの事務所かということを、われわれは知らないんですから。今、小池さんが『その事務所はどこだ』と言われたらいいじゃないですか? ないものを証明するのは、いわば『悪魔の証明』といわれている。その事務所の名前も出さずに、これは調べようがない。それと、不当な働きかけはなかったと(財務省の)局長から聞いているわけですから、そうお答えしているわけです」

 

悪魔の証明とは、「存在しないものを存在しないと証明する」ことで、論理的には不可能とされている。例えば雪男を発見すれば、それはそのまま雪男が存在することの証明となる、しかし、雪男が見つからないからと言って、雪男が存在しないということは言えない、というようなことである。

 

しかし、安倍さんの言っていることは屁理屈というものだろう。国有地を9割引きで民間に払い下げる。そんなことは通常あり得ない。私立学校の理事長が政治家の媒介なしに、土地代を8億円も値引きできる権限を持つ役人に面会できるわけがない。

 

常識的に考えれば、安倍さんの支持母体である日本会議の幹部である籠池氏に、役人たちが配慮したのだろう。なにしろ総理夫人が名誉校長なのだから、当然籠池市の背後に総理の後光がさして見えたはずである。

 

国有財産を9割引きで売り払うことが、正当な行政であるかどうかの判断力を問われていることに気づかないのか。今回の件に関して自分の影響を払しょくしたいのであれば、交渉経過を自分から積極的に追及すべきなのに、「挙証責任は野党にある」とばかりに気色ばむ。すでに馬脚は現れているのである。こんなお粗末政治家の支持率がいまだに50%以上もあるなんて、一体どういうことなのか。

 

安倍さんはこの「悪魔の証明」という言葉が好きらしくて、以前TPP問題で甘利氏が追及された時にも、この言葉を出して反論している。しかし、イラク戦争を支持したことを追及された際には、次のように答えていたことを山本太郎議員に皮肉られている。

 

「大量破壊兵器が無いと証明出来なかったイラクが悪いといことは申し上げておきたいと思います」

 

これこそ悪魔の証明の要求ではないのか。美しい日本の国の政治はお粗末である。

( 毎日新聞より )
 
「金田法相 指示認め撤回…共謀罪「提出後に議論」文書配布」
 
 金田勝年法相は7日午前の衆院予算委員会で、「共謀罪」の成立要件を絞り込み「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に関し、「国会提出後に法務委員会で議論すべきだ」と記した文書を自身の指示で作成したと認め、撤回して謝罪した。政府・与党内で提出に向け調整中の同法案に関し、野党は予算委で度々追及している。法務委での質疑を求める文書に野党は「質問封じだ」と強く反発している。

 文書は6日に法務省が報道機関に配布。「建設的議論には、委員からの質問通告が極めて大まかな要旨のみでは不十分だ」などと記し、国会提出後に法務省刑事局長を交えて法務委員会で議論すべきだとしていた。 

 
衆院の予算委員会で、共謀罪について野党の質問にろくすっぽ答えられない法務大臣が、法案提出後に法務委員会で議論すべきだと寝言を言っている。国会で追及されている単純な矛盾点をクリアできないまま法案提出して、後は数の力で押し切ろうという魂胆が見え見えである。恥という言葉を知らないのだろうか。
 
また、最近『発見』された陸上自衛隊の南スーダンにおけるPKO活動に関する日々報告には、戦闘の深刻化とPKO撤退の可能性も認識していたことが記されていた。この間政府は一貫して、「戦闘行為ではなく『武力衝突』である」と奇妙な主張をし続けていたのである。
 
この文書については昨年九月に開示請求されたものの廃棄を理由に不開示とされていた。武力衝突を戦闘行為ではない、公的文書を捨ててしまったから開示できない、などと公の場で堂々と言える神経というのは一体なんなのだろう。頭が悪すぎるのか、それとも鈍すぎるのか?
 
極めつけは稲田大臣の次の言葉だ。
 
「憲法上、戦闘を想起するような言葉を使わないように武力衝突のような言葉を使った。」
 
正気か? 法律家のくせに自分が何を言っているのか分からないのだろうか? どろぼうをしても、「どろぼう」という言葉を使わなければ犯罪にならないのか?
 
こんなやりとりがさも当然のようにまかり通ることが子供への教育上良い訳がない。若者の政治への無関心としらけが助長されないかと心配だ。

昨日(12/27)の東京新聞・夕刊に、太平洋戦争の開戦通告が遅れたのは、日本外務省が意図的に電報発信を遅らせたことが原因であるとする新証拠が発見された、との記事があった。

 

真珠湾攻撃が開始されたのは12月7日の午後1時19分、覚書がハル米国務長官に手渡されたのが一時間後の午後2時20分だった。

 

覚書は長文なので14部に分割されて送信された。1から13部までは12月6日の午前11時25分までに発信されていたが、結論となる14部は15時間後の12月7日の午前2時38分に送られた。

 

従来の説明では、1から13部までを先に暗号解読してタイプライターで清書しておけば、12月7日の朝に14部を追加すれば、開戦までに十分間に合ったはずが大使館の怠慢で12月7日の朝からすべての分の清書を始めたため間に合わなかったというものだ。つまり意図的に遅らせたわけではなく、すべて大使館員の責任であるというものであった。

 

しかし、当時の一等書記官である奥村勝蔵氏が、「夜半まで13通が出そろったが、後の訂正電信を待ちあぐんでいた」と1945年に証言している。当時のタイプライターは途中で訂正追加が出来ないので、訂正電報が届くまでは清書できなかったというのである。結局12月7日の朝から14通分の清書を始めたが、開戦には間に合わなかったというのである。

 

今回の新証拠というのは、その訂正電報らしきものが12月7日の午前0時20分と午前1時32分に発信されていることが、米海軍の傍受記録に残っていたというものである。そのとおりなら奥村氏の証言を裏付ける有力な根拠となる。

 

この新証拠の評価については、例によって歴史学者の立ち位置によって随分違うようだ。右寄りの人はどうしても大使館員に責任を押し付けたいらしい。

 

歴史家は歴史家で実証的な研究をしていただきたいのだが、この問題を大使館員の怠慢として矮小化したいという根性のさもしさが気に食わない。これが外務省本省の責任ではなく大使館員の責任なら、日本の罪は軽いあるいは日本は卑怯ではない、というふうに考えることができる、その思考回路がさもしいというのである。

 

日本が武士道精神に満ち溢れた正々堂々とした国であると思いたいのなら、開戦通告が届いたことを確認してから攻撃すればよかっただけのことではないのか?

 

まあ、そんな理性があったなら無謀な開戦には踏み切らなかっただろう。それに、戦争は殺し合いである。卑怯もへったくれもない。やるからにはなにがなんでも勝たねばならない。相手の不意を衝くのは当たり前のことである。開戦前に通告しなければならないという意識はそれほど強くなかったかまったくなかった、というのは下種の勘繰りだろうか?
思うに、不意討ちがいけないのではなく、戦争をすることがいけないのである。

 

真珠湾攻撃について日本は卑怯だったし、南京事件については日本は残虐だった、どちらも素直に謝ればよいのではないだろうか。

カストロが死んだ

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11月25日、キューバのカストロが90歳で死んだ。団塊の世代より上の人には感慨深いものがあったのではないでしょうか。

 

トランプ次期米大統領は「残忍な独裁者が死去した。」と声明を発表したが、私はそうであったとは思わない。確かにカストロはキューバの社会主義体制を維持するために、人々の人権をある程度抑圧したということはあったと思う。しかし、アメリカの傀儡であったバチスタ政権は、アメリカ資本やマフィアと共に大衆を搾取する腐敗したろくでなし政権で、それを倒したカストロに大義は確かにあった。

 

革命によって、キューバにおける権益を失ったアメリカはカストロを追い落とすために経済封鎖を行った。製糖産業以外にめぼしい産業のないキューバが経済封鎖されれば、ソ連に頼るしかなかったのだ。カストロが独裁者だというなら、アメリカがカストロをそのように追い込んだという一面もある。

 

私個人は、カストロが理想主義者であり、キューバを愛していたことは間違いないことだと信じている。決して金日成と同列に語られるべき革命家ではないし、またキューバは北朝鮮でもない。キューバは貧しいながらも、教育や医療に力を入れているし、医療制度については先進国より充実しているといえる面もある。なにより、開放的な音楽や文化も健在で、人々の表情が北朝鮮に比べて圧倒的に明るい。

 

アメリカがもっとキューバに対して寛容になれば、キューバは我々と十分価値観を共にできる国であると私は考えている。それにしても、これから経済を発展させねばならないキューバにとって、トランプ大統領の登場はあまりにも間が悪すぎるような気がする。

 

江の島から見る富士山

 

 

 

トランプ大統領への期待

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民主主義というのはもどかしい制度です。常に大部分の人が何らかの不満を感じているのが民主主義です。今回の米大統領選では米メディア100社のうち57社がクリントン支持、それに対してトランプ支持はたった2社だったといいます。しかしクリントンは破れました。投票数はクリントンが少し上回っていました、クリントン支持側は今でも結果を受け入れることが出来ないようです。アメリカが真っ二つに分断されてしまった感があります。

 

長らく共和党を支持し続けてきた人でも「トランプには大統領になってほしくない」という人が少なくなかった、それにもかかわらずトランプが勝ったのは、裕福ではない白人層が変革を望んだからだといわれています。大富豪のトランプが果たして低所得者層に有利な政策を打ち出してくれるかどうかは分かりませんが、アメリカのエスタプリッシュのど真ん中に居るクリントンに入れたくないという気持ちは理解できます。

 

クリントンが大統領になってもおそらくアメリカは変わらない、それより大胆な発言をするトランプに大変革をもたらしてほしい、ということなのでしょう。より良い方向に変わればよいのですが、大変革というものは誰にとってもよいということにはならないのが常です。個人的にはあまり過大な期待は持たない方が良いように思います。

 

私自身もトランプの勝利には落胆している一人ですが、かすかに期待している面もあります。それは、TPPから撤退するということと、アメリカ軍の駐留費をもっと負担しないと軍を引き上げると、表明していることです。

 

成金不動産屋のトランプには今のところアメリカ・エスタブリッシュメントの息はかかっていないようなので、本当にTPPをぶち壊してくれるかもしれません。本当のところは分かりませんが。

 

TPP問題よりもっと重要なのは駐留米軍の問題です。「金をもっと負担しないと軍を引き上げる」というのなら引き上げてもらってはどうでしょう。日本は現在、米軍の駐留費用の75%を負担しています。残りの25%というのは、兵隊の給料とジェット機の燃料代くらいなものです。兵隊の住居や光熱費、各施設で働く日本人従業員の給料まで全部日本側が負担しているのです。もし、米軍を米本土に置いておくより日本に駐留させておいた方がアメリカ側の財政負担はずっと軽いのです。現状において明らかに日本は駐留費用を負担しすぎです。アメリカは自国の世界戦略のために軍を日本に駐留させているのであって、決して日本を守るということが主目的ではありません。自国の軍隊を他国に置いておいた方が安く済む、そのような非常識な状態がなぜか一般には知られていない。これから大統領になろうという人物も知らないくらいだから、ほとんどのアメリカ国民も知らないでしょう。日米両政府ともにあまり大っぴらにしたくない事実です。

 

残念ながら、米軍が撤退することは実際上はあり得ないでしょう。しかし、トランプ大統領の誕生は日米関係を新たに見直すいいきっかけにするべきだと思うのです。

 

カレーの市民 ( 国立西洋美術館 )

TPP強行採決

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ブレないことが政治家の美徳であるかのように言われるが、政治家がブレないのは権力への執着というただ一点だけにおいてであることは覚えておいた方が良いような気がする。

 

 

「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」 笑うしかないが、少し前まで自民党はこんなことを言っていたのである。それが昨日の強行採決である。

山本有二農林水産相は「冗談を言ったら、クビになりそうになった」と言ったが、そうではない。本当のことを言ったからクビになりかけたのである。安倍さんは、「自民党は結党以来強行採決しようと考えたことはない」と言ったが、実はこちらの方が冗談だったのだ。

 

TPPは日本の将来を左右する重大な問題である。与党と野党という立場の違いで、こんなにもコロッと態度が変わってよいものだろうか。これだけの方針転換をするのなら、それなりの釈明が必要だと思うが、それは十分なされたのだろうか。

 

米大統領候補のクリントンもトランプもTPPには反対だと言っている。なのに日本の政府がTPPに対してこれほど前のめりになっているのはなぜだろう? 国民のほとんどはTPPがなんであるかはわかっていない。はっきりしているのは、大企業と富裕層がそれを望んでいるということだけだ。

 

安倍さんの経済政策は場当たり的で将来を見通す視点がない。大幅な金融緩和、節操のない財政出動、税収が足りなければ国債を乱発して挙句の果てはそれを日銀に引き受けさせる。株価を引き上げるために年金資金までつぎ込む。経済を刺激するために即効性がありそうなことをすべてやっているが、結果的にみればことごとく外している。自分の任期中だけは盛り上げようという姑息な計算を市場に見透かされているからだ。

 

年金資金で株に投資すれば株価は上がるのは決まっている。 見せかけは儲かっているように見えても(現実は思惑ほど上がっていない)、資金が必要になった時は株式市場に株を放出しなくてはならない。日銀はマイナス金利まで導入して、経済をコントロールする力をすっかり失っている。膨大な国債発行額は将来の政府の政策の大きな足かせとなる。なりふり構わぬ経済刺激策にもかかわらず、2年で2%のインフレ目標は5年経っても達成できていない。旧「三本の矢」がどこへ飛んで行ったかもわからないのに、性懲りもなく新「三本の矢」を放つのだという。さすがにこの頃は「あたしのアベノミクス」という言い方はしなくなったが、素直に失敗を認めないこの人に経済政策を任せておくと、とんでもないことになってしまうだろう。

 

中国や韓国・朝鮮に対する強気な態度で支持を得ている安倍首相だが、中国や北朝鮮に攻められる可能性よりも、日本経済が破たんする危険性の方がもっと大きいと私には思える。