Bunkamuraザ・ミュージアムで「語りかける風景」展を観た! | とんとん・にっき

Bunkamuraザ・ミュージアムで「語りかける風景」展を観た!

とんとん・にっき-fuukei

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催している「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景」展を観てきました。ストラスブールは、フランス北東部アルザス地方の中心都市、以前、ル・コルビュジエの「ロンシャンの教会」を観に行ったときに、パリのEst駅からル・コルビュジエ号に乗ってベルフォート駅に着きました。たしかストラスブールのちょっと手前と憶えていましたが、いまヨーロッパの地図を開いて見てみると、ベルフォートはストラスブールよりだいぶ南でした。どうしてそんな勘違いをしたのか、あるいは鉄道が曲がりくねっているのか、今となってはよく分かりません。


それはさておき、「コロー、モネ、シスレーからピカソまで」と副題にあります。「風景画」という切り口で、19世紀半ばのバルビゾン派から、印象派の画家を中心に、20世紀初頭までに及ぶ作品群と出会える展覧会でした。構成が、家の中から外を見るという風景画の原点である「窓からの風景」からはじまり、次第に独立した「風景画」に発展し、やがて「都市の風景」に至り、伝統から隔絶した新しい絵画表現になります。


シニャックの「アンティーブ、夕暮れ」から、モネ「ひなげしの咲く麦畑」を通って、カンディンスキーの「サン=クルー公園」へと至る「点描」の流れも必見です。突然にピカソの「闘牛士さばき」が出てきたり、ヴラマンク「都市の風景」が出てきたりと驚かせたりします。ロベールの「風景」やルソーの「木の幹の習作」のスーパー・リアリズム?も楽しめます。「外光派」のひとりとして印象派の画家たちに多大な影響を与えたといわれる、ブーダンの「海景」も観ることができます。


構成は以下の通り。


Ⅰ 窓からの風景

Ⅱ 人物のいる風景

Ⅲ 都市の風景

Ⅳ 水辺の風景

Ⅴ 田園の風景

Ⅵ 木のある風景



Ⅰ 窓からの風景




Ⅱ 人物のいる風景




Ⅲ 都市の風景




Ⅳ 水辺の風景




Ⅴ 田園の風景





Ⅵ 木のある風景




フランス北東部アルザス地方の中心都市ストラスブールは、ライン河沿いの交通の要所として古くから栄え、フランスとドイツの文化が融合した観光の名所でもある。美術館・博物館も多く、ストラスブール美術館と総称する中には10の施設がある。本展はそのうちの古典美術館と近現代美術館が収蔵する風景画の秀作約80点で構成される。展覧会は6つの章に分かれ、「窓からの風景」、「人物のいる風景」、「都市の風景」、「水辺の風景」、「田園の風景」、「木のある風景」として、ヨーロッパ近代美術における風景画を体系的にたどりながら、その特徴を分かりやすく説明する。本展ではコロー、クールベ、モネ、シスレー、シニャック、デュフィといったフランス近代絵画を代表する画家の作品に加え、ストラスブールを拠点に活動した日本であまり知られることがなかった才能豊かな画家たちが描いた風景画も堪能することができる。また、ピカソ、カンディンスキー、エルンストらの描く意外な風景画も、展覧会に華を添えている。


「Bunkamuraザ・ミュージアム」ホームページ

とんとん・にっき-nature 「語りかける風景」

ストラスブール美術館所蔵

図録

編集:

宮澤政男(Bunkamuraザ・ミュージアム、チーフキュレイター)

山本敦子(岐阜県美術館、学芸部長)

制作:印象社

企画協力:

ホワイトインターナショナル