2006年07月26日 08時15分24秒

映画「嫌われ松子の一生」を観た!

テーマ:映画もいいかも
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中島哲也監督は「松子に会いたいから映画にする」と言ってくれた、主演の中谷美紀さんは「松子を演じるために女優を続けてきたのかも知れない」と言ってくれたと、原作者の山田宗樹は、コメントしています。それにしても観る前からこの映画、主演の中谷美紀が中島哲也監督と撮影中に衝突したことが大いに話題になっていました。その辺を克明に書いた中谷美紀の手記?もあるというし。まあ、それも「番宣」の一つの手法かもしれませんが、さもありなん、初日の舞台挨拶では「和解した」とか?


数多くバンバン打たれたテレビCM、「嫌われ松子」の子供時代の、黒目を寄せて唇をとがらすヘンな顔、小説には出てこないし、あれってなんなんだろうと思っていました。松子が父親の「笑い顔」を見たいためにやる仕草なんですね。父親は妹ばかりを可愛がって、自分の方を見てくれないと思いこんでいる松子。映像ならではの松子の思いを象徴した個所、「映像ならでは」の表現なんですね。なるほどね。


昭和22年、福岡県大野島に生まれた川尻松子(中谷美紀)。お姫さまのような人生を夢みる明るい少女時代を過ごし、やがて中学校の教師となる。しかし、ある事件が原因で20代でクビに。その後、愛を求めて男性遍歴を重ねるたびにますます不幸になってゆく松子。いつしかソープ嬢に身を落とし、果ては同棲中のヒモを殺害して刑務所に服役してしまう。


「原作に忠実に」ということであれば、ありきたりの平々凡々な2時間ドラマのような作品になるでしょう。しかし、この映画はその辺が違います。「映像ならでは」の表現、たしかにストーリーは大いに飛びまくります。小説とはまったく違う世界が展開します。原作の積み重ねられた詳細な場面を、いちいち立ち止まらないで2時間ちょっとという枠に思い切って纏まる。どれを取ってどれをを捨てるか、「編集の妙」というか、その辺りの作業が監督の手腕の見せ所、ですね。


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そして、まずはこの映画の最大の特徴である映像。ポップな衣装にヘアスタイル。悲惨な物語を彩る華麗な美術に音楽。そして400カットを超えるCGとアニメ。徹底的に不幸な松子の人生を、CM界の巨匠・中島監督がディズニー映画のようなファンタジックな世界につくりあげた、とオフィシャルサイトにはあります。どうして背景に星が瞬くの?安手のプリクラじゃあるまいし、とは、言いっこなしに。安っぽくすることも「映像表現」なんだから・・・。


もう一つ、「ありえない?キャスティング」ですね。最初からゴリが突っ張った臭い演技で出てきます。コメディアンから、ミュージシャン、実力派俳優にいたるまで、映画初出演者を多く含んだ新しい組み合わせによる「手垢のついていないキャスティング」が実現、とあります。あれっ、柴咲コウ、出ていたっけ?木村カエラとボニー・ピンク、よかったですね。片平なぎさ、うまく使われていました。香川照之と柄本明、危なげない演技でした。


そうそう、もう一つありました。♪ま~げて 伸ばして お星様をつかもぉ♪ この歌が、映画が終わってからも、ずっと耳について離れませんでした。歌詞が「おうちに帰ろう」でしたね。松子は若い頃に家を出てしまいます。父親は病弱な妹ばかりに愛情を注ぐので、松子はずっと寂しかった。でも故郷の家に帰りたかった。映画の全体を通して「おかえり」という言葉がキーワードになっています。でも「家」を求め続けた松子に「おかえり」と言ってくれたのは亡くなった妹だけでした。


ラスト、松子は天国への階段を登っていきました。まるでハッピーエンドのように。50歳過ぎて、一人ぼっちで、友達も一人もいなくて、ぶくぶく太って、臭くなっていく。嫌われ松子になってしまいます。それにしても晩年の松子を醜く描きすぎです。あんなに太らせなくてもいい、誇張のしすぎです。原作も映画も、40過ぎてから亡くなるまでの松子を描き切れていないのが残念です。


多くの人が、松子の映画を完成させるために心血を注いでくれた。物語の中の松子は不幸だったかも知れないが、小説のヒロインとしての松子は最高の幸せ者だと思う。と、原作者の山田宗樹は、コメントしています。


「嫌われ松子の一生」オフィシャルサイト


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