2005年03月15日 11時34分45秒

花村萬月の「ゲルマニウムの夜」

テーマ:本でも読んでみっか
“赤目”を体感せずして日本映画を語る勿れ 」という題名で、去年の11月13日に、「赤目四十八瀧心中未遂 」という映画のことを、このブログで記事にしました。ブログを初めてすぐだったこともあり、コメントしてくれる方も少なく、日本映画は話題にもならないのかと残念に思っていました。一昨年から昨年にかけての日本の映画賞を総なめにした映画でした。話題の映画「東京タワー」で、主役をしのいだと言われている寺島しのぶは、実はこの「赤目」がデビュー作でした。119回の直木賞受賞作である車谷長吉の小説「赤目四十八瀧心中未遂 」も読みました。

うちの近所にある「赤目製作所」のことについて、映画の製作者であり監督でもあった荒戸源次郎 監督の事務所ではないかと思う、とも書きました。その赤目製作所が最近様変わりしています。看板、と言っても、前のリフォーム屋のテント地の看板のことですが、「ゲルマニウムプロダクション」という名前で、新しいブルーのシートに掛け変わっていました。そこで僕はピンときました。花村満月の「ゲルマニウムの夜 」という小説があります。第119回の芥川賞受賞作です。荒戸源治郎の次回作はこれだなと、ピンときたわけです。

赤目四十八瀧心中未遂」の記事を書いてから何カ月も過ぎましたが、つい最近、映画のブログを書いている方から、突然、「赤目」にトラックバックがありました。その方のブログに「次回作は『ゲルマニウムの夜』だと思うが」とコメントを入れたら、その方はすかさず「今回、荒戸源治郎製作だけのようですよ」と応えてくれました。そこで僕はもうちょっと確認を取ればよかったんですが、どうしてその方がそんな詳しいことを知っているのか?なにしろ生来、気が弱いために、そのままになってしまいました。

看板が変わっていたことがあってから、花村萬月 著「ゲルマニウムの夜 」を探しました。その本がないんですよ、家中探しても出てこない。もちろん、読んだことは覚えているので、確かにあったはずだと思うんですが。ブックオフに行ったら、単行本が定価1238円のところ650円、1998年9月20日第1刷、新品同様で出ていました。さっそく買い求めて一気に読みました。と言っても「ゲルマニウムの夜」はたった42ページの短編なんですけど。他に「王国の犬」と「舞踏会の夜」が入って1冊になったものです。

本の帯には「人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧(ろう)。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国――世紀末の虚無の中、<神の子>は暴走する。」とあります。

また芥川賞選考委員は、石原慎太郎「まさに冒涜の快感を謳った作品。主人公の徹底したノンモラルは、逆にある生産性をさえ感じる。」。田久保英夫「神と悪徳の挟間に籠めた問いには、わが国には珍しい追求の情熱を感じる。これは危険な小説である。」。河野多恵子「確かな手応えを感じた。主人公の<悪あがき>にある真摯さに深い説得力があり、いたく引き込まれた。」と、それぞれ絶賛しています。

ゲルマニウムの夜」は、僕も最初に読んだときには、そうとうな衝撃を受けました。そして、テーマが関連すると言われている「イグナシオ 」を読みました。なぜかこの本だけ、文庫本ですが、本棚にあり、すぐに見つかりました。短編「ゲルマニウムの夜 」は、長編「イグナシオ 」と「月の光 」という作品を合わせて書いたと、本人も認めているようです。神父や修道士の厳しい監督のもと、社会から完全に隔離した、修道院とは名ばかりの教護施設での、混血児イグナシオの生き様を描いた作品です。

他に「風転 」という上下2冊の本、これは新刊で買って読みましたが、手元にないところをみると、処分したようです。受験に失敗して鬱屈した青春の日々を送る18歳の僕ヒカルが、一匹狼のヤクザ鉄男と出会い、運命の風に吹かれて転がっていく、という2000枚の大作です。たぶん、この本以降、僕は、花村萬月の本を読まなくなったと思います。

そう多く読んでいるというわけではありませんが、花村萬月 、やはり、初期の作品が好きです。どちらにせよ、花村萬月の「ゲルマニウムの夜」、短編ですから、これだけではたぶん映画になりませんから、他の作品と混ぜ合わせて脚本を書いているんだろうと思います。同じテーマを扱った長編「イグナシオ」もありますから。どのような映画になるのか、映画が完成するのが楽しみです。これを機会に、花村萬月の初期の作品も、もう一度読み直してみたいと思います。

ここまでは僕の単なる推定で書いていますので、「ゲルマニウムの夜 」の映画化については確かなことはわかりません。どなたかご存じの方がおりましたが、映画化に関する情報、お待ちしています。今回調べてみたら、いしだ壱成鷲尾いさ子の主演で「イグナシオ 」が、1996年に映画化されていました。
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