雪がちらつく寒いころ、
とあるお茶の先生が、袋帯をお誂え下さいました。
選んだ帯は、眼の有る方らしい、
味のある金地の無地。
味があるというのは、
金地ながら、ムガシルクという野蚕を用いているため、
風合いが、柔らかで軽やかで、
多くの方が締めている西陣の金色の帯とは
味わいが、各段違う。
その帯をしめて、お店に少し
お立ちより下さったのですが、
おぐしを上品に整えて、
ほのかにお化粧をされたその姿が、
控えめながら上品な着物姿で
とても美しくて。
年齢は詳しくは書けませんが、
成人式4回ぐらい?(笑)。
お元気なことはもとより、
お美しくて、
ものを選ぶセンス、着こなす姿、柔和な表情に、
年齢を重ねたさきに、
こんなに素敵な姿があるのか・・と
思えた瞬間でした。
普段から心細やかに、動かれる姿が重なり、
年齢を重ねるということは、
若い方に静かなエールをおくることかな。
ふと、
病床の中でも、
温かいお言葉を下さった別のお客様も
思い出され、
そう思えるようになってきました。
日々着物専門店