年齢を重ねるということ。 | 日々着物専門店「呉服の佐々木」若女将記♪

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職人さんが丁寧に作る「モノづくり」を代々大切に考えて参りました。心がはっとするような「和のもの」や「きもの」。
まだまだ修行中♪の若女将がご紹介します。

雪がちらつく寒いころ、

とあるお茶の先生が、袋帯をお誂え下さいました。

 

選んだ帯は、眼の有る方らしい、

味のある金地の無地。

 

味があるというのは、

金地ながら、ムガシルクという野蚕を用いているため、

 

風合いが、柔らかで軽やかで、

多くの方が締めている西陣の金色の帯とは

味わいが、各段違う。

 

その帯をしめて、お店に少し

お立ちより下さったのですが、

 

おぐしを上品に整えて、

ほのかにお化粧をされたその姿が、

控えめながら上品な着物姿で

 

とても美しくて。

 

年齢は詳しくは書けませんが、

成人式4回ぐらい?(笑)。

お元気なことはもとより、

お美しくて、

ものを選ぶセンス、着こなす姿、柔和な表情に、

 

年齢を重ねたさきに、

こんなに素敵な姿があるのか・・と

思えた瞬間でした。

 

普段から心細やかに、動かれる姿が重なり、

年齢を重ねるということは、

若い方に静かなエールをおくることかな。

 

ふと、

病床の中でも、

温かいお言葉を下さった別のお客様も

思い出され、

 

そう思えるようになってきました。

 

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呉服の佐々木