2014年03月09日(日)

『難病からの第一歩』 第36回全国マスターズスイミングフェスティバル 

テーマ:まじめな話
 第36回全国マスターズスイミングフェスティバルに参加してきました。
 ほんとうはできるだけ小さな地方大会から復帰したかったのですが、さまざまな理由から、『全国マスターズ』 というメジャー大会から再スタートすることになってしまいました。北は北海道から、南は九州まで、参加人数930名。

 昨年の後縦靱帯骨化症発覚による手術以来、わたしにとって初めての競技会となります。

 このブログを読んでいただいている皆さまならご存じでしょうが、後縦靱帯骨化症というのは脊椎の靱帯が骨に変わり、その骨が神経を痛めつけるという難病です。その症状から、当初わたしはヘルニアとばかり思っていました。しかし現実には、ヘルニアもありましたが、骨化症の方が酷かったのです。

 わたしの場合、比較的早い発見と手術によって、大きな障害が残ることはありませんでした。ひどい場合は麻痺や不随が残る場合もあるそうです。

Neck


 だからと云って、すべてがうまくいった訳ではありません。わたしにも不思議な後遺症が残っています。何種類か特定の動きにおいて、筋力が異常に発揮できなくなってしまうのです。この異常は手首を使う際にもっとも多く見られ、ほとんどまったく力の入らない位置もあります。
 もう一つ困っているのは、肩関節の旋回における特定位置における違和感と痛み、そして脱力感です。ある位置に来ると、力を入れることができなくなります。惰性や振り子運動でその位置を通過してしまえば問題はありません。しかし、その位置に腕が止まってしまうと、力を出すことができなくなってしまうのです。
 先生曰く、こうした症状は 「良くなる場合もあれば、良くならない場合もある」 とのこと。

 幸運なことは、こうした症状が下半身にはほとんど出なかったことです。
 ですから、職業であるスキーにはそれほど大きな影響はでていません。


 手術から約半年が経ち、「くれぐれも頑張らないように」 と先生に云われて参加して来ました。
 最初の種目 『混合フリーリレー』 では腕の回転にもどかしさを感じながら泳ぎ、次の個人種目 『50m自由形』 ではそのタイムの遅さに愕然としました。ベストから2秒落ち、昨年の春から1秒5落ちの 28.81 というもの・・・。さすがのわたしも肩を落としました。順位はラッキーにも2位となりましたが、入賞させていただいたことが恥ずかしいタイムです。

 こうした一日目だったので、二日目の個人種目 『100m個人メドレー』 はタイムが悪いという覚悟はできていました。
「もう一度、水泳そのものを感じながら泳ごう」 と決めていました。

 スタートから5回バタフライキックを打って浮上、10ストロークで25メートルとなります。躰の小さいわたしは、競技ではピッチが早くないとダメなのです。
 バックで21ストロークで折り返し、平泳ぎとなります。

 手術の後遺症をもっとも感じるのが、この平泳ぎです。ふだんのトレーニングではまず泳ぐことを避けてしまう種目。首だけでなく、3回の手術を経験した右ヒザにも大きな負担がかかります。

 ・・・・・・ところが、平泳ぎでストロークしていると、とても嬉しい気持ちになってきたのです。いつもなら、一番苦しいところなのに、躰が熱くなり、心も熱くなってきました。
「ああ、思いっきり泳げるって、なんて嬉しいんだ」
 そう素直に感じました。少し感動すらしてしまいました。
 ターンしてクロールに入っても、同じ気持ちが続いていました。
「たとえタイムが悪くても、こうして思い切り泳げることが幸せだ」 とワンストロークごとに感じました。

 ゴール前、思い切ってノーブレで泳ぎ、ゴールすると、手動計測の係員の方が 「おめでとうございます」 と声を掛けて下さいました。
 掲示板を見ようとしましたが、少し感動で文字盤が滲んでいました。
 プールから上がって目を懲らすと、やはりタイムは決して良くないのですが、「1位」の文字が・・・・・・。嬉しいおまけが付いてきました。

 今日の平泳ぎでわたしを包んでくれた感動を、その昔スキーでも味わったことがあります。
 もっともっと遠い昔、それこそ50年以上も昔、小学生だった頃、やり始めたばかりの水泳で味わったこともあります。

 不思議な気持ちで隣のプールに移動し、ゆるゆるとダウンしました。
 ダウンを終えプールサイドに上がると、男子の50m背泳のレースをやっていました。特別な意図なく、レースを見ていると、どうみても70歳以上の方が、ゴールと同時に力強くガッツポーズし、「よっしゃあ!」 と叫ばれました。

 それを見た瞬間、ふたたび視界がかすみました。
 とても嬉しい感動でした。

 尊敬する友人であり、大先輩、松本弘さんの例を出すまでもなく、人間は70歳になっても燃えることができる。思い切り何かに取り組むことができる。
 ・・・・・・たとえ、記録が悪くても。
 たとえ、どこかに障碍があっても。

 期せずしてパラリンピックの真っ只中です。
 もっともっとパラリンピックを見たいと思いました。

 人間、もって生まれる資質は、大きく異なり不平等、不公平です。
 そんな異なった資質を持って生まれる人間が、どのようにその資質を生かしていくのか、それぞれにそれぞれの方法があるのではないでしょうか。

 これからどこまで復帰できるか分かりませんが、できることをできるだけ続けていきますね。
 
JSCA

 一緒に参加した大町スイミングの皆さまと。
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