2013年10月16日(水)

ショスタコーヴィッチの室内楽について

テーマ:音楽の話
 入院以来、ずっとショスタコーヴィッチを聴いています。
 特によく聴いているのは室内楽です。
 まだまだ語れるほど聴いてはいないのですが、数年前とずいぶん異なって聴こえるようになったので、そのあたりについて書いてみます。

 三年ほど前だったでしょうか。初めてショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲を全部聴いたのは・・・・・・。それは、もう何十年も前、初めて交響曲第五番を聴いた時のように、不幸な出逢いでした。
 初めて聴いた感想は 「まるで荒れた墓場に吹く風のような曲だ」 というもの。
 暗く、絶望的だと感じたのです。

 ところが、どうでしょう。
 近頃は、「究極の癒やし」と聴こえるようになったのです。

 まだまだ後半の弦楽四重奏は聴き込めていないのですが、十番までについて少し書いてみます。

 すべての曲が素晴らしいのですが、特に気に入っているのは一番、四番、五番、八番あたりでしょうか。う~ん、やはり三番も六番も足しておきます。

 ショスタコーヴィッチが弦楽四重奏曲を書き始めたのはかなり遅く、一番の完成ですら交響曲五番の後になります。そうした時間的な意味からも、彼のカルテットはすべてベートーヴェンの後期のような趣を持っていると云えます。
 大上段に構え、まるで真剣白羽取りのような気合いで創った交響曲五番の反動とも云えるプライベートな感情が、カルテット一番に溢れています。ショスタコーヴィッチが創った曲のなかで、もっとも美しい曲の一つです。

 決して暗くも悲しくもないカルテットの一番ですが、わたしには「悲しみの清流」のせせらぎが響いてきます。近頃、いちばん惹きつけられる音楽です。

 四番や五番の緩徐楽章にも、悲しみの感情が溢れています。
 そして涙が人を癒すように、これらの曲に真の優しさが流れています。

 しかし、これらの曲に癒されるためには、きっとたくさんの地獄を見ている必要があるのでしょうね。人の暗黒面やうらぎりなど、辛い感情を経験する必要があるのでしょう。ですから、これらの音楽を理解することが、好ましいかどうか、わたしにはよくわかりません。
 ただ資本主義というものが、軍産複合体とエネルギーマネーに支配されるようになっている現在、わたしたちの生活の裏側に、暗黒は常に存在しています。
 その意味で、ショスタコーヴィッチを理解することは現代すべての人間にとって必要なことであるように感じざるを得ません。


 弦楽四重奏曲だけでなく、ショスタコーヴィッチにはピアノ五重奏曲や三重奏曲という名曲があります。
 特にピアノ五重奏曲は素晴らしい曲です。
 この曲の名演奏というと、よくアルゲリッチ盤があげられるのですが、どうもわたしはアルゲリッチの素晴らしさを感じることができません。多くの演奏で彼女を聴くとまるで 「急かされている」 ように感じてしまい、音楽を味わうことが難しくなってしまうのです。
 まだ有名なジュリアードの演奏は聴いていませんが、これまでのところターリッヒやボロディン四重奏団の演奏の方が、ずっと心に響いてきます。


 下記はお勧めのMP3ダウンロードヴァージョンです。

Shostakovich: Piano Quintet in G Minor, Op.57 &.../La Dolce Volta

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