2007年11月03日(土)

レコードの日

テーマ:音楽の話

 11月3日の今日は、「レコードの日」だそうです。

 わたしもそうですが、わたしのまわりには、レコードへの想いが深い友人が多いです。


 “LPレコード、33回転の深淵 ” を書かれている CORPS さんはいうに及ばず、友人の多くがたくさんのレコードを所有していて、よく借りたり、貸したりした記憶があります。


 いちばんレコードを聴いたのは高校時代でしょうか?

 近くのレコード屋さんに自転車で行き、どれを買おうかとレコードを繰っている時など、いつも大きな期待感と不思議な興奮を味わったものです。


 当時のレコードは装丁がしっかりとしていて、あたかも本のような見開きになっていることも多く、美しい写真や芸術的な文章がたくさん記載されていました。ですから、写真を見たり、文章を読む喜びも大きかったように記憶しています。

 フルトヴェングラーのベートーヴェン9番に書かれていた評論に感動し、何度もなんども読み返したことを、昨日のことのように覚えています。

 たしか評論の冒頭に、こんなふうなことが書かれていたような…。

 「宇宙が雪崩を打って落ち始める…」

 そのレコードの表紙は、下のCDと同じものだったような気がします。当然ですが、大きくて、なかにはしっかりと本のようなページが入っていました。


ベートーヴェン : 交響曲第9番op.125 「合唱」


 当時、レコードは高価なもので、たいへんな宝物に感じられました。

 やがて時代がまわり、音楽の主流がレコードからテープへ移り、やがてCDへと変わりました。いつしか、わたしもレコードプレーヤーを持っていない不便を忘れるようになりました。


 不必要なものがあふれている自宅を片づけようと、レコードを整理したのは数年前のこと。そのとき、数百枚のレコードを売りました。なかには手元に置いておきたいと感じたレコードもたくさんありました。

 見開きの空間に、自分の文字で詩のようなものが書いてあったり、感想が書いてあったりするものも多かったです。買った場所と日にち、雑感が少々書かれているものもたくさんありました。

 しかし、「プレーヤーがないのに置いておいても仕方がない」と強いて考え、ぜんぶ売りました。

 別れは辛かったです。


 レコードを扱う時、ほんとうに集中したことも覚えています。

 デジタルでなく、じっさいに音の波が刻まれ、壊れやすい繊細な生き物。スプレーをかけたり、拭いたり、吹いたりするとき、いつも真剣でした。

 レコード一枚に、何と大きな世界が広がっているのだろうと感じました。


 もし一枚だけレコードを手元に残しておくとしたら、やはり上記のフルトヴェングラーでしょうか。

 わたしの持っていたレコードは二枚組で、片面に5番が入っていました。その演奏が、わたしは今でも大好きで、手放すときも「これだけは壁に飾ろうか」と最後まで悩みました。

 バイロイト祝祭管弦楽団による第9交響曲の録音年代は1951年だったはず。

 今ではその音源を徹底的に改良した新盤が出ています。もしフルトヴェングラーを聴きたいなら、上記のCDではなく、こちらの方がいいかもしれませんね。

ベートーヴェン:交響曲第9番[第2世代復刻]
¥2,174 Amazon.co.jp

 高校時代よく通ったレコード屋さんが、昨年倒産したと聞きました。

 最後の数年はレコード屋というより、本屋として頑張っていて、わたしも何度か訪れたことがあります。

 店を閉めるとき、そこの社長がわたしの父にこう言ったそうです。

「うちでいちばんレコードを買ってくれたのは、お宅の息子さんですよ。ありがとうございました」

 もし、わたしに直接、そう言ってくれたなら、きっと涙したに違いありません。

 レコードに、たくさんの感動と勇気をもらいましたから。

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コメント

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4 ■私は

何とかLP再生の環境を維持しています。

CDに比べると、不便なところもあります
が、やはりLPでなければ聴けないものも
ありますから・・・10月に行ったオーディ
オフェアでは、LPを扱っているブースが
結構ありましたよ!!

3 ■感受性を失わずにありたい

はじめまして。上のジャケットも持っていました。その後、買い替えして擬似ステレオからモノ足音入りになりました。現在もそれを使っていますが、「雪崩を打って落下する」の宇野氏に勝るとも劣らない聞き入れ込みをされているこちらの幾つかのベートーヴェン鑑賞録を拝読して、大変印象に残りました。そういう感受性を失わずにありたいとは思うのですが、決して容易ではありません。

2 ■トナカイ様

「別れは辛かったです。」
トナカイ様の思いの全てが集約されいるお言葉、と感じました。
バイロイトの第九は、やはり私も特級の演奏と感じます。引き締まってしかもスケールの大きい第一章、天国的第三章・・・。
記事を拝読いたしまして、あらためて「LPファン」になりました。

1 ■レコード

そんな日があるんですね!
知らなかったです。

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