2006年09月11日(月)

進化

テーマ:まじめな話

 「人類の進化」などという言葉を聞くと、すぐ「人類は 『進化』 じゃなくて、『退化』 しているんじゃないの?」 などと反論したくなる自分がいます。なぜなら、人間という存在は「地球にとってガン細胞のようなものではないか?」 と時々疑ってしまうからです。


 そんな「人類の進化」とはちょっと違う進歩もあります。

 それは陸上競技や水泳競技のタイムの短縮や、体操競技やトランポリン競技に見られる難度の向上です。

 もしかしたら、人類の持つこうした競争心や向上心そのものが自然破壊や環境破壊につながっているのかもしれませんが、人類がそろってこうした特色をスポーツの世界で昇華できるなら、未来は明るいのかも…と思ったりすることがあります。


 わたしが水泳をはじめた頃、100m自由形の日本記録は56秒くらいでした。それからすぐ東京でオリンピックがおこなわれましたので、調べてみると、そこでもっとも成績(100m自由形)のよかった日本人は岡部幸明選手で、タイムは55.2秒となっていました。

 パリ大会(1924年)まで遡ると、そこでは高石勝男選手が5位となり、タイムは1分03秒0。

 第10回のオリンピックとなるロサンゼルス大会(1932年)では、日本人選手(宮崎康二さん)が金メダルを取っていますが、タイムは58秒2。わたしの短水路のベストくらいです。

 それが現在の世界記録は47秒84で、日本記録も49秒71(佐藤久佳選手)です。

 とてつもない進化と言えるでしょう。

 いつだったか、「人間が50秒を切ることはない」と思った記憶が蘇ります。


 Race


 人間がさまざまな分野で、こうした劇的な進歩を見せたのが20世紀です。

 あらゆるスポーツ、そしてスポーツ以外でも、「月に到達したり」、「原子力」を発見したり、さまざまな進歩が見られました。産業革命以来、加速度的に見られた現象でした。しかし、そんな進歩があたりまえになると、だんだん辛い時代になっていきます。

 フリースタイルスキーにエアリアルという種目がありますが、これがいい例です。

 エアリアルでは現在、世界レベルで戦うには後方3回宙返りで4回以上のひねりが必要です。もしあなたが体操競技やトランポリン、高飛び込みなどを経験しているなら、この3回宙返り4回ひねりがどれほど過酷な世界か理解できるでしょう。こうした世界になると、最初から挑戦しようという気持ちを持てない人が多くなってきます。そして、スポーツ人口が減っていきます。衰退し、ついには滅亡してしまうかもしれません。

 もし、世界チャンピオンが後方1回宙返り1回ひねり程度なら、みんな挑戦したいと感じるはず。体操競技もメキシコオリンピックくらいまで、そんな時代でした。

 水泳でも、百メートルを2分で泳ぐ人が練習したなら、誰もがすぐ1分45秒になり、30秒になります。しかし、100mを50秒で泳ぐ人が49秒をねらうには、想像を絶する世界にその身を投じなければなりません。


 「昨日よりも今日」「今日より明日」というのはレベルが低いうちはよいのかもしれません。しかし、3回宙返り4回ひねりレベルに「昨日よりも今日」を望んだら、それは多発する事故や怪我、挫折を意味します。

 そんな高いレベルの「昨日よりも今日」が世界中にあふれていないでしょうか?

 子どもたちはそんな「昨日よりも今日」、「今日より明日」にうんざりしていないでしょうか?

 きっと身分社会や階級社会というのは「昨日と今日は同じがいい」というものだったのでしょう。生まれながらに職業や生活が規制されているのですから、そこにあるのは安定です。

 ところが、競争原理にあふれる現代はどんな人にも「今日よりも明日」が求められます。


 新しく登場したフリースキーはエアリアルの「難度」を、「表現」に変えました。つまり、競技に芸術的表現力を求め、難度以上に個性を求めたのです。つまり、競争ではなく、表現の差異を認めようとしています。…現実には表現の差異がごく狭い範囲に限られているようにも思えるため、少し問題視していますが、難度だけを求める世界とは明白に異なっています。

 現代社会も、表現に価値を見られるようになれば、少しは住みやすくならないでしょうか?

 そして、「昨日と今日、そして明日は同じでいい」と考える人も、もっとたくさん出てきた方がいいのではないでしょうか?


 誰でも、いつかは加齢による衰えを経験するはず。その事実から考えたなら、「明日はもっとダメになっても、それでいい」という価値観すら必要になります。そうでないなら、人間は「50才になったらいない方がいい」という姨捨の世界になります。

 歴史をふり返り、平和で安定した社会を見ると、必ず賢い老人が大役を担っています。

 20世紀社会は全体として、若者の価値観を持っていました。成長期の考え方を持っていました。しかし、これからは成熟、もしくは老成した価値観も必要になるのではないでしょうか?

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コメント

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2 ■一進一退

「進化」と「退化」は、人類の歴史の中で絶えず背中合わせです。何が進化で何が退化かは、何百年、何千年もの時を経て我々の子孫が決定するのかもしれませんね。

1 ■こらっ!

トナカイさんを50 50 言うなー!!

 バカー ボケー 

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