前述したとおり、日本語を教えるための方法として「て形」「ない形」などのことばがあります。


これらは動詞の「かたち」の言い方なのですが、その前に必ず覚えておかなければならないことがあります。


それは「動詞のグループ分け」です。


まずは何も考えず、読んでいってください。


日本語の動詞にはどんな動詞がありますか?


日本語の動詞を3つのグループに分けましょう。それぞれⅠグループ、Ⅱグループ、Ⅲグループと呼びます。


まず、一番簡単なグループはⅢグループです。


Ⅲグループの動詞は「します」「来ます」です。また「勉強します」「持って来ます」等の動詞もこの中に入ります。


ⅡグループとⅠグループの動詞は「○△ます」の「ます」の一つ前、「△」の文字でチェックします。


△をローマ字にして、最後がeのときはⅡグループ、i のときはⅠグループとなります。

(もしくは△一文字を声に出して言い、「e」か「i」か判断する)


たとえば...「はたらきます」の「ます」の一つ前の文字は「き」です。「き」は「ki」ですから、i です。

ですから、「はたらきます」はⅠグループです。


おなじように「たべます」の「ます」の一つ前の文字は「べ」です。「べ」は「be」ですから、eです。

ですから、「たべます」はⅡグループです。


では、クイズです。それぞれのグループを言ってください。

1)けします

2)たちます

3)つけます

4)あげます

5)けっこんします


(答えは書きません...)


さて、ローマ字にして「i」となる動詞でも、「例外(スペシャル)」がいくつかあります。

残念ですが、これは覚えるしかありません。

まずはこの6つを覚えてください。

1)みます(見ます)

2)かります(借ります)

3)います

4)おきます(起きます)

5)あびます(浴びます)

6)きます(着ます)


この6つは「i」ですが、Ⅱグループのスペシャルです。大変ですが、覚えてください。



...いかがでしたか?

なんだか面倒くさいことになっていますが、上記が「~形」を練習する前に必ず確認しておかなければならない動詞のグループ分けです。

できるだけ授業でそのまま使えるような言い方で書きました。


では、日本人向けの解説を...

お気づきの方もいると思いますが、


Ⅰグループは五段動詞(「i」)


Ⅱグループは上一段(スペシャル)、下一段(「e」)


Ⅲグループはサ変(「します」)、カ変(「来ます」)


です。


上一段と五段の見分け方は「~ない」をつければわかります。

例)「着る」⇒「着ない」(上一段)  「切る」⇒「切らない」(五段)


が、日本語学習者はまだ「~ない」をつけることができないので、上記のような分け方になります。


私が教えた学生の中では、(とくにヨーロッパの)大学で「五段動詞」として覚えている学生もいましたが、1,2,3のほうが格段に覚えやすいと思います。


それから、「はなします」「かします」などをⅢグループとしてしまう人が結構います。

Ⅲグループの「○○します」の「○○」は「勉強」「結婚」「電話」「買い物」など名詞だということをもう一度確認してください。


また、最初の6つの上一段(スペシャル)の覚え方としてはこういうものがあります。


「日曜日は10時に起きて、シャワーを浴びて、服を着て、それから、TSUTAYAでDVDを借りて、それを家で見て、5時まで家にいて、出かけました」

これもまずは学習者でなく、教える方が覚えるものだと言うことを前提としてください。

(こんな長い文章、学習者は覚えられませんから!)



以上、基本的な動詞の分け方でした。