先日、ぐるなび食市場の会社にて、「東をどり」で出しているお弁当を試食させていただきました。
むーさんブログ-金田中鮨折

「金田中」ができるまで
お話しいただいたのは料亭「金田中(かねたなか)」3代目、岡副真吾さん。

なんと「金田中」って日本二大料理屋の一つなのね~!お話がとても興味深かったです。(今回書いている事は、調べて付け足している部分もあります)

「金田中」は元の「田中」さんか金子寅さんが譲り受け「金田中」を大正時代に創業。それを岡副さんの祖父が譲り受けました。

それまでの「金田中」は茶屋さん。
茶屋とはお客さんから予約をもらうと、お客の好み試行に合わせて「仕出し屋さん」に料理を頼み、ご贔屓の「芸者さん」を呼び、会によってあった「踊り」を付ける。
そういう仕立てをするところでした。

そこに岡副さんの祖父が昭和20年に厨房を作って料亭に仕立てたそうです。

新橋演舞場はこうして作られた

銀座には「金春湯(こんぱるゆ)」という伝説の銭湯があります(今でも現役営業中!)。そこにある「金春通り」から話は始まります。
むーさんブログ-金春湯むーさんブログ-金春湯

江戸時代、幕府直属の能役者、金春太夫が委託地をもらい、芸者さん、お弟子さんの稽古場に。

築地川から東銀座は新橋の花柳界(かりゅうかい)となりました。
幕末当時活躍していた薩摩長州の若い人達が遊びに行きたいけど、一流の料亭柳橋からは田舎者と相手にされず、温かく迎え入れたのは新天地の新橋だったそうです。

ちょんまげから新しい国の方向へ。柳橋はしっかりした国づくり、新橋は新しい世界を開く場所となっていきました。

明治22年(1889年)に全線開通した東海道線を祝って、大臣など蒼々たるメンバーを乗せ1車両を借り切って、新橋駅から名古屋駅まで新橋芸者の踊りを披露しました。
むーさんブログ-旧新橋駅
(旧新橋駅跡地)

ところが当時の名古屋は演芸が盛んで「岐阜ちょうちん(遠目から見るときれいだが、近くで見ると穴が開いたり汚れたりしていて大したことがないという意味)」と笑われる始末。

そこで全国から師を招き、芸を町のもんとして育てていきました。
演技が出来ても、東の演技を見せる場所がない。そこで東京新橋組合が作ったのが新橋演舞場、最新のレンガ造りは新橋らしい新風です。


新丸の団扇。
むーさんブログ-うちわ
紐の水色は「新橋色」と呼ばれ、当時人気の芸者が西洋の文化をいち早く取り入れ愛好した事から名付けられ、女学生の間で流行った。

千社札シールはお土産で自分の名前を申し込めるですよ。

戦後、新橋演舞場の初演技が「東をどり」。

戦争でかろうじてレンガの壁が残った新橋演舞場。人々には踊りは身近にあった。それを復興させたい。そんな思いから吉川英治や川端康成、谷崎潤一郎、井上靖などなど、名だたる作家に依頼し、脚本を作り踊りを付けました。

リニューアルした「東をどり」。

新橋花柳界がはじまってから2006年に150年を迎え、「東をどり」をリニューアル。
むーさんブログ-東をどり
小難しい事を抜きに愉しめるよう4時間を2時間に短縮。

「食がある、酒がある、芸がある、その三つがそろって料亭」の思いから普段一見さんお断りの6つの料亭さんに松花堂弁当(しょうかどうべんとう、中に十字形の仕切りがあり、かぶせ蓋のある弁当)をお願いしているそうです。

そして面白いのが外見からは全く一緒の折り詰めで、当日にならないとどこの料亭のものが当たるか、分からない仕組みなんです!

「金田中」新ばし東をどり料亭の鮨折

私がいただいたのは「鮨折」。料亭なんていただいた事ないからな~。ドキドキする。
普通のお弁当に比べて高さがあるからぎっしり詰まってました。
むーさんブログ-金田中すし

ひとつひとつが品違い、味違いで楽しい玉手箱のよう。こんな白魚見た事ない!焼き穴子は上品なお味でした。カステラ玉子は少し甘くてふわふわ。
むーさんブログ-東をどり弁当焼き穴子むーさんブログ-東をどり弁当カステラ玉子むーさんブログ-東をどり弁当ごはんむーさんブログ-東をどり弁当から揚げ
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一番美味しかったのは旬の竹の子。竹の子土佐煮 粉かつお。
ワタクシ竹の子好きでして・・・シャキシャキして至福の時でした。


5月終わりの4日間のみ、一見お断り花柳界の門が開く「東をどり」。私も観に行きたくなりました。
むーさんブログ-金田中、夜の風景
私は通勤時に新橋演舞場を見かけるんですよね。よくおばちゃんたちに「演舞場どこですか?」って道を聞かれます。

それくらいしか演舞場って関係がなかったものだから、一気に開けたような気がしました。あのへんなんで料亭多いのかもなんとなく納得です。

「海軍の新橋、陸軍の赤坂」なんて話もしてて、もっとお話聞きたかったです。

むーさんブログ-東をどり弁当第88回 東をどり予約サイト(ぐるなび)
日程:4日間 5月27日(日)5月28日(月)5月29日(火)5月30日(水)
時間:1日3回開演 11:30~13:00、13:40~15:10、15:50~17:20
お値段:S席 7,500円、A席 6,500円、B席 5,500円、C席 2,500円
お弁当:2コース 5,500円(6種類の中からのお楽しみ)、2,000円