桐朋学園芸術短期大学芸術科演劇専攻         同窓会

桐朋学園演劇科同窓会のページです。

会員皆さんの近況、公演情報等およせください。


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今回は新学長に就任され、益々ご多忙な蜷川幸雄さんに、
お話しを伺うことができました。


   平成15年4月22日(火) 桐朋学園・学長室にて  

  インタビューアー: 4期・福永典明
 参加委員:10期・奈木 隆
  聞き書き: 5期・吉川 淨

   

福永) 学長就任に当たり、これからの抱負や思いを忌憚の無いところでお聞かせ頂けますか

蜷川) 私は大学教育を受けて無いから、大学に対する思いが人一倍あるんですよ。
まっ、それだけで学長を引き受けた訳じゃないですがね・・・。
優れた文学とか文化的な蓄積がないがしろにされ、輪を掛けて基礎的な教養があまりにも無さ過ぎるという思いがあったね。
きちっとした基礎的な教養を教えるべきだと思ったし、大学で色々な知識を知った方がいい。
その為には先行する世代が若い人達と、きちっと取っ組まなければいけないと思うんだよね。
これが学長をお引き受けした一番の理由ですかね・・・。

福永) 蜷川さんが学長になられたことで、大変な反響があったんですが・・・。

蜷川)そう?犬が人噛んでもニュースになんないけど、人が犬噛んだんだから(笑)。
私が出来る限界はあるんだから、その中で演出家として現場の空気を学校に持ち込んで、
学校という枠の中にはまっていたものが少しでも風通しのいいものになればいいなぁーと思ってます。
僕らは教養主義的な演劇とか啓蒙主義的な演劇を否定して小劇場やアンダーグラウンドをやったんだけど、今は教養というものの大切さが失せてしまった為に、今度は逆に教養を叫ばなければならないという、矛盾というかパラドックスに出会ってる訳ですよ。
ある種ヨーロッパ演劇の啓蒙性とか教育性を否定し過ぎたあまりに、新劇?!オイオイ!何処へ行っちゃったんだよ!って。

福永)桐朋学園演劇科の創設者でもある3人の先生方に対する、何か思いみたいなものがあればお聞かせ頂けますか

蜷川)ドイツ表現主義を学んでらした千田是也先生の前衛精神のあった時代のものは大好き!
《セツアンの善人》や《おさえれば止まるアルトゥロ・ウイの栄達》・・・
よかったねー!田中千禾夫先生は兎に角本がいいもの。
《マリアの首》なんか最高!
現代演劇のある種の到達点だと思うんですよね。
若い頃観てショックを起こした、素晴らしい!
僕は安部公房先生の初期の頃の授業を受けてるんですよ。
スタニスラフスキーキ-全盛の時代からブレヒトに移行する時も、両方の教育を受けてるから丁度峠に立ってるみたいなものでですよ。
ヨーロッパで仕事する時は両方の教育を受けけてるから対等に渡り合える。
そういう両方の教育育を受けられたことに感謝してますよ。

福永)来年から新設される
ステージ・クリエイトという学科についてなんですが・・

蜷川)質のいい演劇を支える為には
それだけのある幅を持ち得る人間達がやらなきゃいけないんだよ。
そんなスタッフを今創らないといけないと思うしね。
ある部分に片寄る前に。

福永)今の若者達はかなり映像に対する関心度が高いように思うんですが、この科にもある部分必要性があるのではないかと・・・

蜷川)そうだね、・・・そうか・・必要かも知れないねー?・・(考え込む)・・・

福永)同窓会のOB達に何かメッセージを頂けますか

蜷川)再生させなきゃいけないね・・・。
近年いい役者が出てないし、いい作品が出てない。
ルネッサンスを創らなきゃねー。
卒業生の血を混ぜて現実の社会の中で、クリエイティブな人間が生きつづけるということは、どれだけ大変なことなのか、或いは何が必要なのかということを教えて欲しいね!
その為には学校を開くことが大切だね。
卒業生にご足労願って手伝って頂かないとね。

福永)お忙しいところ貴重なお時間を割いて頂き、ありがとうございました。


■編集後記  

いきなり本題から入った編集になりましたが、分刻みの多忙な時間を切り取って私達同窓会のインタビューにお付き合い頂いた蜷川学長に感謝致します。ありがとうございました。
ここに記載させて頂いたものは、1時間半に渡った 長い会談のほんの一部でしかありませんが、これだけでは到底蜷川学長の『人となり』をご紹介することは出来ません。
蜷川学長には大変失礼な言い方になるかも知れませんが、私達お伺いした執行部の率直な感想を付け加えさせて頂くとしたら、色々な意味で、混沌とした時代の汚れた空気を吸い
同じ釜のメシを食らい、薄暗いゴールデン街の酒場で体制の批判や演劇論を戦わせた同志いや、兄貴に久しぶりに出会ったような、そんな居心地良い時間を過ごさせて頂くことが出来ました。
加えて、「演劇と学園の為に同窓会にも力を借りたい」とのそんなお心遣いまで頂きました。本当にありがとうございました。
来春の同窓会総会&パーティーには是非ご参加頂き、昔話しに花を咲かせたいものです。きっと盛り上がることでしょう。



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