平成 23年 7月 8日

玄海原発再稼働に関する抗議および申し入れ書

佐賀県県知事 古川康 

佐賀県県議会議員各位

申し入れとりまとめ人 土居智典

住所 ×××××××××××××××

Tel ×××××××××

(申し入れ者の名前は別紙)

知事に対しては、626日付で抗議申し入れを行いましたが(別紙にて添付)、その要求①は、627日の県議会の審議で拒否されたと了解しております。要求②についても、71日の県議会で、徳光清孝議員の隣県の自治体の意向も汲むべきでは、という意見に対して、知事は必要なしと答弁し、全ての項目について拒否されたと了解しております。その上さらに本日に至るまで、返答がないということを受けて、再度抗議を申し入れます。

311日の東日本大震災発生後、福島第一原子力発電所は過酷事故を引き起こし、4基の原発では、現在でも核燃料が溶融し続け、事故は現在も進行しつつあるといえます。原発の安全基準を策定する原子力安全委員会は622日に、ようやく福島第一原発事故を踏まえた安全指針の抜本的な見直しを始めたばかりで、早くとも来年3月を目処に最初の報告を行う予定としています。安全基準が、これから見直されようとしている以上、安全宣言など不可能です。にもかかわらず、経済産業大臣は618日には新たな基準がない状況下で「安全宣言」し、古川知事は629日の海江田大臣との会談で、「安全宣言」を鵜呑みにされました。海江田経産相の「玄海の活断層では横揺れで津波を起こさない。福島や東海地震のような津波の可能性は低い」といった、素人的説明で、津波対策がろくに出来ていない玄海原発の安全性問題がクリアされたとは、全く理解に苦しみます。日本には、まだ発見されていない活断層がいくつもあります。東北地方と同程度の津波を起こす活断層が、今後発見されないとも限りません。また、地震が起こる可能性が低いといわれても、起こる可能性がある以上は、それを考えた上での対策を考えなければなりません。大きな地震は起こらないといわれている中で、平成17年には全く予測不能の福岡県西方沖地震が発生しました。今後も予測不能の津波をともなう地震が起こらないと、誰が保障できるのでしょうか。

72日の県議会の委員会では、再稼働反対の立場から意見を述べた議員からの質問に、知事は明快に応答し得ず、「中長期の安全対策が整ってからといっていたらきりがない」と発言し、事実上、住民の安全を無視した発言まで漏らしました。正直、知事の態度には、憤りを禁じ得ません。

政府は今後、全国の原発に対してストレステストを実施するとしていますが、これは単にコンピューター上でのシミュレートによるもので、試験者が想定していない事態は考慮され得ません。現在、福島の過酷事故の全容は明らかになっておらず、どの程度の老朽化の状態にどの程度の衝撃が加わったかも未解明です。そういった新しい事故のデータもないままに行われようとしているストレステストなど、信用できません。また、ろくに安全性が確保されていないものに、618日の「安全宣言」再演のように、根拠薄弱な安全のお墨付きを与えるだけのパフォーマンスにしか過ぎないとしか思えません。

国の原発に対する安全対策は、かくも場当たり的で信頼のおけないものです。場当たり的で信頼のおけない運用に立脚した、国の原子力推進政策は、もう既に破綻しているといえます。佐賀県も早々に、静岡県・愛媛県・宮城県石巻市・茨城県の東海村のような原発立地自治体を見習い、脱原発を政策として打ち出されるべきではないでしょうか。

また、626日の「住民説明会」で絶大なる不評を受けて企画された県主催の78日の住民説明会のやり方にも疑問があります。入場者数550名とするも、入場者枠は玄海町・唐津市が各50人、佐賀市を含む市は20人、町は10人というものであると聞き及んでいます。既に不安は取り除かれたとして稼働を容認した玄海町に、不安を取り除くための住民説明会に多くの入場枠を振り分けるような手法には、合理的な必要性が見出せません。原発立地場所に近い自治体を優先したと説明されるかもしれませんが、原発で働いている原発推進派住民が多い自治体の枠を多くし、説明会で「納得」の空気を作り出す操作としか考えられません。原発に不安を感じる住民のための、住民主催の説明会の開催に応じる事を、再度求めます。

また玄海原発3号機については、昨年12月の放射性物質漏洩事故の全容(原因・影響)説明が、佐賀ならびに他の九州各県の住民に対して、九電側から十分に行われてはいません。そんな中での、玄海原発3号機の再稼働は、議論の俎上にあげることすら論外で、認めるべきではありません。今、本当に議論しなければならないのは、老朽化が進んだ玄海原発1号炉の問題です。1号炉の老朽化(脆性遷移)は、設計当初の予測をはるかに越えるペースで進んでおり、日本で一番危険な原子炉であることが、複数の専門家から指摘されています。知事は脆性遷移温度データの開示を九電に求めたとのことですが、県のみで判断せず、速やかに第三者的調査機関ないしは専門家に詳細な分析を行わせ、一刻も早い停止と廃炉の措置を促す強い態度に出ることを求めます。

最後に、関西電力管内では、京都府の了解がなければ福井県内の原発の再稼働は困難という観点から、関西電力と京都府の間で協議が進められています。当然のことながら、福島での過酷事故の影響が、複数の県に及んだことを受けての措置です。長らく原発からの利益を享受してきた県の長として、九州電力などと並んで、責任を持って隣県や隣県自治体(長崎県松浦市など)の了解も得るべく尽力するのが筋ではないでしょうか。

以上の理由から、私どもは、626日の抗議申し入れから重ねて、知事へ抗議と以下の要求を求め、申し入れを行います。また今回は、佐賀県議会の議員各位にも、この申し入れの課題にあたって欲しいという願いから、同様の要請をするものであります。

① 玄海2号機3号機の再稼働を容認せず、県として脱原発の政策を打ち出すこと。

② 玄海1号機の稼働継続を容認せず、速やかな廃炉を促すこと。

③ 県知事・経産省の原子力政策担当者・九州電力の関係部局担当者出席の上での地元住民主催の説明会の開催に協力すること。

④ 九州ブロックの知事・原発近隣市町村長と協議、および理解を得る形で原発に関する政策を議論すること。

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