智美の憂鬱(フィクション)

 

 

智美はぼんやり外を眺めていた。日本を出るときは考えてもいなかった。むかし、コミックスで見たことがあった。タンポポの毛が空を埋め尽くす風景。ブルーベルの咲き誇る草原の中、タンポポの綿毛たちがそよ風に乗ってフワフワと風景を埋め尽くしている。

 

ほんとにあるんだね、こんな風景。

 

 

 

 

テムズ川の流れは蕩々としてロンドンの街は雨に煙る。霧の都ロンドン。かつてそんな風に言われたこともあったっけ。あれは大気汚染のスモッグによるものだけれど、イギリスはほんとに晴れの日が少ないのね。

 

築数百年というアパートの出窓。雨に煙る森林風景、鳥のさえずり。昔は馬のひづめの音、馬車の車輪の音が響いていたのだろう。今は時折通る自動車のエンジン音を聞くばかり。君は変わらないのにまわりは変わるんだね。取り残されたさみしさに勝手に同調し、頬杖をついて、ふと風に心を溶かした。

 

 

最近は傷つくことが多くて。

この空模様、なんだか私の心みたい。。。

 

ひと月ほど前、いわれもせぬ嫉妬を受けた。恋愛感情を持ったことすらない人。昔からの友人なのだけれど、普通に話しているのが彼女の気に触ったらしい。話し合ってわかり合えたと思ったのだけれど、わだかまりは残ってしまったらしい。

 

二人でアフタヌーンティーを飲みにホテルのティールームに入ったときのことだった。私がチーズにはまっているとウキウキして話している中、チーズはうんざりとの会話を返してきた。その通りかもしれないけれど、なぜわざわざ今、そんなことを言うのか。

 

思わず顔をそらし会話が途切れた。気まずい沈黙のまま別れた。その後、彼女が訪れることはなくなった。

 

人間関係は難しい。そのな思いもさめやらぬなか、立て続けにいろんなことが起きた。友人が目標を達成したというので祝福の言葉をかけたのだけれど、彼女は一瞥しただけで言葉を返すことはなかった。その気になれなかっただけかもしれない。彼女にもいろいろあるし、仕方ない。

 

そんな思いを引きずったまま川沿いのパブを訪れた。来店したお客のことをネタに、楽しい記事を書くことで有名な店だった。先客の2名がいて、挨拶に名刺を差し出したのだけれど、一名の方は名刺を返してくれなかった。なんだか初っぱなから暗雲が漂ったけれど、そんなこともあるかもしれない。仕方ない。名刺を切らしていただけかもしれないし、私の差し出した名刺に気づかなかっただけかもしれない。なんだか気分が滅入ったのだけれど、それほど気にすることもないだろう。

 

明日はみんなで楽しく遊び日なのだし。小さなことは忘れてしまおう。そう、そんなことを気にしてしまうのは私の悪いクセ。

 

 

 

 

そして翌日。楽しみにしていたパーティの日。とても楽しみにしていた。手帖にもしっかり予定を書き込んでガッツリ時間を確保していた。楽しいだろうなぁ。いろいろできるなぁ。ウキウキと想像をふくらませながら朝から幸せな気分だった。

 

友人の一人は遅くなるとのことだったが、それまでは彼らと楽しく遊ぶことも出来るだろう。はやく時間が来ないかなぁ。あまりにそわそわしていたのだろう。ゆでたばかりの熱々のジャガイモを素手でさわって火傷して、さらに熱い鍋まで素手でさわってしまった。ひりひりする指を水で冷やしつつ、それでもなんだか気分が高揚してくるようだった。

 

 

午後、一本の電話が鳴った。友人の都合が悪く来れなくなったとの連絡だった。そう、仕方ない。それなら来れる人だけで遊ぶだけで私は楽しい。それで十分。ほんとにそれで十分。そう考えていたのだけれど、そもそも会う約束自体が取りやめになって、都合をつけた時間ごとほうり出されてしまった。

 

相手のあることなのでそれは仕方が無いのだが、立て続けに続くとさすがに落ち込んだ。楽しみにしていたパブの記事もただ一言来店名簿に名前があるだけだった。気分の落ち込みに拍車をかけた。記事を書くのは向こうの都合なのでそれは仕方ない。。そう 仕方ない。仕方ない、、仕方ない。。。

 

仕方ないことばかり。そんなの飲み込んでしまわないといけないこと。そう。きっとそう。そんなの、知ってる。わかってる。

 

智美は空を眺め、ふと呟いた。

 

このまま霧にとけ込んで消えてしまいたい。。

 

何気なくスマホを取り出し数字を押した。こんな夜に一人で居るとどこか遠くへ行ってしまいそう。ごめんね、こんな急に。。

 

彼女たちは何も言わず暖かく受け入れてくれた。ありがとう。ほんとありがとう。気のいい彼女たちに囲まれ、友人たちも訪れて。

 

霧にとけ込むことはかろうじて避けられたようだった。。。

 

外は今も雨。鈍色の空に吹く風は冷たい。

 

でもきっと、

 

雨が上がればまた、タンポポの綿毛舞う幻想的な風景が世界を埋め尽くすのだろう。

 

傷ついた心はシクシク痛むけれど、やがてそれもかさぶたとともに癒されると信じよう、、時の過ぎゆくままに、、

 

 

 

 

 

小説 by 夏風とも

 

 

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すこし心が疲れたので自閉モードに入ります。

 

モンハンや撮影は普通にしたいです。

もし見つけたら遊んでやって下さい。

 

フレンドはパスなし。

フレンド以外はパス8888です。

 

21日日曜日夜、22日月曜夜は撮影の先約があってパスワードが変わりますが、それ以外はそのままです。

 

 

ありがとう

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