浮世絵に潜む新しさ
たまたま見たテレビのドキュメンタリーに感動した。
浮世絵の巨匠 葛飾北斎とその三女お栄の話だったのだが、今まで浮世絵に持っていた認識をいっぺんさせられた。
ゴッホをはじめ多くの西洋画家が、浮世絵に見せられた話は知っていたが、逆に北斎が西洋の絵画に憧れ、その美を取り入れていたとは驚きだった。
この絵は、そのお栄こと葛飾応為のものだが、光の使い方などは西洋のそれであるし、光に浮かび上がる影の迫真性など、今見ても実に新鮮だ。
ジャズベーシストの鈴木良雄さんが、「大事なのは新しさではなく、深さである。」と、ある記事で語っていた。新しさだけを求めたとき、そこに生まれるのは、ただの流行であって真のマスターピースとはなりえない。
おそらく応為は、新しさを求めたのではなく、浮世絵の可能性に挑戦したのだと思う。その過程で、西洋の技法を取り入れたのだ。
深化させることによって、作品は個性を持つ。個性こそが、色あせぬ新しさである。
そこに必要なのは、ただただ作品に対する愛情だけだと思う。
どれくらい好きか。
それが、芸術家にとっての唯一無二の命題だ。







