DWの指標

テーマ:
透析でどこまで水を抜くべきか。
ドライウェイトは適正か。
これは難しい問題で、つねに考えていなくてはなりません。
簡単に、パラメーターを入れると計算できるようなものではありません。

腎機能が正常だと、体液量を適切に保つため普段から常に腎臓が尿量を決めて微調整してくれているためすこしずつ増えたり減ったりしているものを、透析ではドライウェイトを決めるといつもその数字を目指して除水することになります。しかし、実際はその日によって少しずつは違うはずなのです。また、血圧を下げるため、心臓の負荷を下げるため少し水を絞り気味にする(ドライウェイトを下げ気味にする)ときもあります。便秘していることもあるだろうし、ご飯を食べた直後で胃の中に食べ物が何百グラムか入っていることもあるでしょう。いろいろな条件をかんがみてその日の除水量を決めないといけません。

ドライウェイトを決めるためによく使っている指標は次のようなものです。

1. 血圧
2. レントゲン画像(心胸比)
3. 浮腫
4. 透析後の体調・自覚症状
5. 心臓超音波検査
6. シャント血管の具合
7. 体液濃縮度
8. hANP
9. 残腎機能
10.下肢つり
11.太ったなどの体重増減状況

また、患者さん自身がどうしたいかも重要な要素になるのでそれをよく聞いて反映する必要があります。
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ドライウエイト

テーマ:
ドライウエイトについてわかってほしい!

 ドライウェイトが変わるのは、患者のみなさんにとって大問題なのでこちらは変えたくても変えさせてもらえないことがとても多いのです。

 なにしろ、自分の体重が他人(医者)の指図で変わってしまうので違和感があるとは思うのですが、ドライウェイトは血圧、心臓への負担を始め健康にかなりダイレクトにしかも強烈に影響するので、私も説得には必死になります。

 なんといっても、ドライウェイトを下げさせてほしいのに嫌がられることが多い。3対1くらいの割合で、上げたいのに嫌がられることもあります。

ドライウェイトが下がると

1.体内の水分量が減る。
2.体内の血液量が減る。
3.血圧が下がる。
4.心臓の負担が減る。
5.むくみがとれる。

。。。といろいろいいことがあります。

しかし、適正なドライウェイトより下げすぎると
体内の水分量が減るため→
   のどがからからになる。
   声がかすれる。
   しわが出てくる。
   目が落ちくぼんでしまう。
   足がつる。
   血液が濃くなりすぎる。
   血圧が下がりすぎる。特に透析後半に下がりすぎたりする。
   透析が終わった後の疲れがひどくなる。
   おしっこが出ている人は、その量が減る。
   翌日の朝に血圧が下がったりする。通勤途中に下がる場合も。
   透析の後に、頭痛がひどくなる人もいる。

。。。とやっぱりいろいろつらいことがあります。それはよくわかります。もちろん下げすぎは良くないことは確かだし、人間の体は水分量が少ないことに対しては敏感なのでドライウェイトがきついと(軽く設定しすぎると)すぐに苦しい反応が出てきます。しかし、ここで忘れないでいてほしいのは、こういった症状はドライウェイトがきつくなくて適正であったとしても出てくるということです。透析での除水量が多いときは、まったく同じ症状がでます。ドライウェイトが適正でも、もしくは場合によっては少し甘くても透析1回での除水量が多いとこういった症状は出ます。実際、透析中には体の中から水分を抜いていくわけなので当然です。透析間体重増加が少なくて、一回の除水量が少なくてもこれらの症状が出るのならドライウェイトがきついのかもしれません。まずは、よくいわれる中1日では3%、中2日では5%の体重増に抑え、1時間当たりの除水量をドライウェイトの0.8%以内になるように透析時間を延長し、それでも症状が出るかどうかを見てみましょう。
   

 反対に、ドライウェイトが甘い(重く設定した)場合、すぐには症状はあまり出ません。透析導入前にむくみがあった人は、その頃のことを思い出していただけるといいのですが、透析導入したころはどんどん、3kg、5kgと体重を下げて除水したのではなかったでしょうか。10kgかそれ以上減らしてようやくドライウェイトとして設定したのではないかと思います。そのような場合は、適正なドライウェイトからみて10kg以上の余分な水が体の中に溜まっていたことになります。それくらい水が溜まってこないとつらい症状は出てこないことが多いのです。

 ドライウェイトが甘いと血圧が上がってしまうことが多々あります。そして、この場合はどんなに血圧を下げる薬を増やしてもなかなか下がりません。3種類、4種類と処方できる限度までお薬を飲んでいる方も多いのですが、それでも下がりません。血圧は下げられるときに下げておかないと、脳出血、クモ膜下出血、大動脈瘤や脳梗塞、心筋梗塞、心臓弁膜症などなどの怖い合併症をおこす原因になってしまいます。適正なドライウェイトまで下げることがまず第一で、その上でお薬を加減するようにしましょう。
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 透析が始まるということで、大変なことだとは思います。いろいろ不安な思いがあると思いますが、どんな問題があってもぜひ一緒にそれを乗り越えていきましょう。

 週3回透析室に来るということも大問題なのですが、食事の制限についても心配されているかたが多いと思います。透析になってからの食事制限のきつさというのは、透析に入る前に保存期腎不全の食事療法をしっかりやってきた人と、そうではなくとつぜん透析に入った人ではずいぶんと感じ方が違うようです。

 食事制限の基本は塩分制限と水分制限です。それ以外もカリウムとかリンとかいろいろ言い出すときりが無く、一体何を食べたらいいのか!と怒り出したくなるほどなのですが、実際はカリウム制限、リン制限はそんなに気にしなくてもいい場合のほうが多いです。透析の条件を変えることでコントロールできたり、お薬に頼るということが出来ます。しかし、塩分はそうはいきません。一度口から体の中に入った塩分は、汗で出る以外は透析で除去するしかありませんので、多いと透析が大変になります。塩はとにかく良くない。これから透析が始まる人は、とくに塩分だけはとらないように気をつけるようにお願いします。人の体は、体内の塩分濃度を1%くらいに保つ機構がありますので塩分が体に入るとそのぶん体が水を求めます。1gはいると100gの水を。10g入ると1kgの水を必要とします。

塩分制限のために

1.塩味は嫌いになるべし。薄味が好きになって、薄味でもおいしいものしか食べないくらいにしましょう。
2.しょうゆは使わない。
3.味噌汁は飲まない。
4.スープも飲まない。
5.漬物は食べない。
6.スナックも食べない。
7.外食は出来る限り避ける。
8.外で食べるラーメンは問題外。
9.そばはざるそばを選び、そばつゆをつけないで。
10.ラーメンは食べない。
11.お寿司は1人前は食べない(寿司飯に塩味がつけてあることがあるため)
12.お寿司、お刺身にはしょうゆはつけない。
13.納豆もおしょうゆ、たれはつけないで食べましょう。
14.煮物は避ける。少しにする。
15.おかずは全体的に少なめに。
16.カレーは塩味が少なくて辛いものはOK。辛くないけど塩味が濃いものはダメ

などなど、まずは塩分を体の中に入れないように注意しましょう。食事についてはそれだけは心がけてください。

そうして、あとは水分も出来るだけとらないように。また、体の中に入ってしまったら、可能なら汗をかいて排出できるように。お風呂で汗が流せるようならラッキーです。普段から湯船につからないでシャワーだけの人、つかってもカラスの行水の人はちょっと考えを変えて、できればゆっくり湯船に使って汗が流せるようにしてほしいところです。最近は、防水のテレビも売っていますのでテレビを見るのもいいかもしれません。冬場などは湯船に入ったからといってなかなか汗が出てこないことも多く、15分くらい使っていてようやく汗が出ることもあります。それでも汗が流せればしめたものです。ただしこれは、入浴すると、血圧が下がりやすいかたは主治医の先生とよく相談してください。

 塩分制限がしっかり出来ていると水制限はそんなにつらくないといいますが、塩分を十分控えた上で水分も避けるようにしていきましょう。水分制限のために、まずは水分制限が必要と納得しましょう。いま、健康のために水を多めに取ったほうがよいといわれることもよくあります。「血液どろどろを避けるため朝起きたらまずはコップ一杯の水を飲みましょう」「こまめな水分補給で脳梗塞を予防しましょう」などといわれます。しかし、これらのフレーズは透析をされているかたには当てはまりません。そもそも、おしっこが十分には出ないからこそ透析と透析の間に体重も増えるわけですから、それ以上に水分を取る必要は全くありません。我慢できないからのむだけのことで、我慢できるものだったら出来るだけ水は飲まないほうが良いのです。

 塩分・水分 これだけは気をつけて、楽しく元気な透析ライフをつくっていきましょう。
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