さて、なんとか再婚を(事後承諾ながら)認めてもらった私たち。
入籍、お互いの子どもたちとの養子縁組の手続き、ひかりとかなめの学校に事情を説明して姓が変わることについての書類手続き…とやること山積み。
子どもたちの新学期に合わせて、3月の終わりにはハルのマンションに引っ越すことにしたので、つわりと戦いつつ荷造りに励む日々を送っていました。
そんな日々の中、週末、ハルの家に泊まった時のこと。
キクコさんからこう言われました。
「私は埼玉の家から、こっちに引っ越してくる時にハルの前のヨメさんからね、『お義母さん、狭いから荷物は最小限にしてくださいね!』って言われたからね~、立派なタンスもあったし、お気に入りの食器も大きな食器棚にいっぱいあったんだけど、何にも持ってこれなかったのよー! 処分するのって悲しいわよね、あんたはお気に入りのもの持ってきていいからね。ベランダの植木なんかもみんな持ってらっしゃい」と。
…それは、どうもありがとうございます。
でも。
現実問題、それは無理!
だって、私たち母子3人、ハルのマンションよりは狭いですが、一応3LDKのマンションに住んでいまして、それなりに家財道具というものがあります。
冷蔵庫や洗濯機テレビなど、生活に必要な家電もひと通り持っています。
みんな持ってきたら、6人家族になるというのに、いったいどこで寝ろというんでしょう?
冷蔵庫や洗濯機など、お互いが持っている家電はハルと相談して人に譲ったり処分したりすることにしました。
本当はうちにあった冷蔵庫の方が新しいし大きかったんだけど、入れ替える手間を考えたら、うちの冷蔵庫を引越しのときに処分するほうが簡単…ということで、ほとんどの家電は、もともとハルの家にあったものを使うことに。
私も買うときにいろいろ吟味してそろえたお気に入りの家電やインテリア。処分するのは悲しいけれど、限られたスペースなのですから、置けないものは持って行ってもしかたありません。
かなり思い切ってズバズバと処分することにしました。
引越し屋さんの指示で、処分するものには「廃」のシールを貼るようにと言われたのですが、たくさんの荷物に次々と「廃」のシールを貼っていくのは、なんだか物悲しい作業でした。
でも、再婚するのですから、しかたありません。
と、同時にハルにも今の家にある不要物の処分をお願い。
ハルとたくと、キクコさんの3人家族の割に、なんだかやたら荷物の多いハル家。
ハルの部屋には結構収納力のあるクローゼット、廊下には二箇所も物入れがあり、キクコさんの使っている和室にも押入れが、あと2つの洋室にもそれぞれ物入れがあるというのに、4LDKのどの部屋にも荷物があふれ返っています。玄関に一番近い部屋は、ハルの趣味の道具や冬の間使わないから外してある車のノーマルタイヤなどが雑然と積まれていて、倉庫と化していました。
いくら私たち3人の荷物を処分しまくって最小限に抑えたとしても、これを片付けてくれないと荷物が入らないのは明らかです。
「お願いだから引越しの日までにこの倉庫部屋、空にしといてよ」とくどいほど頼んでいたのですが…。
いざ、引っ越し屋さんが私たちの荷物をハル家に運び込んで、私たちが家に着いてみると…
…あ、足の踏み場が、ない。
ハールー!凸(--;)
片付けてないぢゃん!!!
私たちの持ち込んだ家具やダンボールがところ狭しと詰まれ、リビングも廊下もそれはそれはすごい状態になっておりまして。
いったいどうやってここで生活すればいいんだろうというか。
ダンボールを開けようにも、収納するところがないっていうか…。
その山を見て、キクコさんがチクリとイヤミ。
「まったくなんでもかんでも持ってくればいいってもんじゃないわよ」だって。
は?
言ってること全然違うじゃん!
何が「捨てるのは悲しいから、全部持ってきなさいね」なのよ?
あのー…たぶん、トラック1台分以上は処分してきたんですけど?
それで荷物が多いって言われてもね。
…。
娘・ひかりの部屋になる元倉庫部屋のクローゼットを開けてみたら、キクコさんの洋服がびっしり!
キクコさん、この家で一番広い和室を占領した挙句、まだそこに入りきらない荷物を詰め込んでいたのでした…。
キクコさんの部屋の広い広い押入れには、「客用」と称するお布団がみちみちと詰まっていまして、自分とたくとがふだん寝ているお布団は床にどんっ!と詰まれています。
…。
…。
あれから1年。
私たちが同居しだしてから、それまで頻繁に出入りしていたらしいコトメ一家も遠慮したらしくぱたりと訪れなくなったので、我が家には泊りがけでくる客などおりません。
(私も自分の友人など、お茶にすら呼べませんし)
その客用のお布団と、洗面所の棚の半分を占める「お客様用!使わないで」と張り紙して収納してあるタオル類。そしてふだん小一時間ほどスーパーに出かけるほかはほとんど外出しないのにクローゼットを占領している洋服類、一度も着ているところを見ませんので、そろそろ処分しませんかねえ…。