原作知らずで子供映画かと思っていたら、結構いいんです。
上映前にキャスト・スタッフの挨拶がありました。司会の伊藤さとり（敬称略）。登壇は夏帆、岡田将生、佐藤浩市、夏川結衣、山下敦弘監督、渡辺あや（脚本家）の6名でした。夏帆（カホ）ちゃんは11代目リハウスガールで、顔が小さく手足がすらっとしてます。照れながらも、ニコニコしていた可愛い子でした。岡田将生（マサキ）クンもスターダスト所属の美少年･･･ですが、金髪にしていてカッコよさがよく分かりませんでした。すごく緊張している様子で、答えに詰まると佐藤浩市さん達の方を見て助けを求めるのが微笑ましく･･･。佐藤浩市さんは最近ボサボサ頭のオヤジキャラが多くなっているけど、こっちの方がなんだかいいなと思ったり。
皆さん、口々に「原作がすばらしいので」と言っていたので、くらもちふさこさんの原作マンガ、読んでみたくなりました。
そよ（夏帆）は島根県の分校に通う天真爛漫な少女。ある日、そよの分校に東京から大沢くん（岡田将生）という転校生がやってくる。生徒数が少ない分校では、そよにとって初めての同級生である。やがて、そよの心に大沢くんを想う淡い恋心が芽生え、彼のことを意識するようになる･･･。
田舎の夏休みという雰囲気のチラシにひかれていました。映画の世界もそのまんま。そよの行動や気持ちが共感できたり、懐かしかったり。それが（「ハチクロ」みたいに）こっぱずかしいというのではなく、しっくりと温かく受取れるんです。中学生の頃抱えていた不安・ドキドキ・幸せをそのまま、素朴な美少女・夏帆ちゃんが再現してくれます。雰囲気は違うけれどあるシーンでは「スタンド・バイ・ミー」を思い出しました。
原作者くらもちふさこさんの言葉としてチラシ中「二度と戻らないからこそ、かつて存在したその世界は記憶の中で輝き出す。そして映画にはそのきらめきが全て保存されている」。まさにその通りです。
恋愛だけではなく、家族・学校の仲間・町の人・島根の自然が主人公を囲んでいて、音楽も不思議に柔らかく、素敵な映画に仕上がっていました。泣きはしないけど、とっても大切にしたい映画。
* 夏帆ちゃんの方言がすごく可愛いのもポイント！「ワシ（自分）」とかいう一方で、「～してくんしゃる？（～してくれる？）」なんて少し上品ぽい響きもあって、気に入っちゃいました。
7月シネスイッチ銀座ほかにて公開予定
満足度：★★★★★★★★☆☆