東野圭吾 「探偵ガリレオ」

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探偵ガリレオ (文春文庫)/東野 圭吾
¥540
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天才物理学者、湯川学のシリーズ第1弾。

月9ドラマでやった「燃える」「離脱(ぬけ)る」を含む5作品。


湯川を福山に演じさせるのは月9ならではのキャスティング。

ドラマで毎回なんらかのスポーツで汗を流している姿は

まぁ~カッコ良いことラブラブ

眼鏡をくいっと上げる仕草もメガネ男子合格点。

そんなステキな湯川を思い描いて読むのもよし、

もっと変人な学者を想像するもよし。


なにしろこの本の解説を佐野史郎がしている通り、

東野さんは佐野さんをモデルに書いたそう。

佐野さんならTBS系で夜10時枠かしら。


短編なので、事件のトリックを解くことでいっぱいで

人物の心理描写までいっていないところが少々残念。

理路整然とした湯川と草薙刑事の対比ももっとほしいかな・・・

などと欲を言ってみる。

トリックは理科オンチの私には見当もつかないものばかりで

それが却って新鮮だったけど。

よく考え付くものだわ。理系の能みそってすごい。






読後満足度     ★★★








東野圭吾 「予知夢」

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予知夢 (文春文庫)/東野 圭吾
¥490
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今度の月9ドラマ、「ガリレオ」の予告で

この本が原作なんだと知った。

あれ?たしかツンドクの中にあったよなぁ・・・と

発掘してきた。

登場人物の中の物理学者を福山雅治が演じるらしい。

かっこいいねぇ。

これは「探偵ガリレオ」の続編だったのね。

あー順番違った・・・。


本作はオカルトに見える事件を科学的に解く短編5作。

草薙刑事が友人で物理学者の湯川に相談するパターン。

予知夢、幽霊、ポルターガイスト、火の玉といった

超常現象がからんだ事件を湯川がさくさくと解いていく。

しかし、事件を持ち込む草薙は頼りないなぁー。

そのおかげで湯川の切れが際立つんだろうけれど。


短編で一気に読めるのが楽しかった。

湯川が出てくる「探偵ガリレオ」と「容疑者Xの献身」も

読みたくなっちゃった。






読後満足度    ★★★





東野圭吾 「分身」

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東野 圭吾
分身

ふたりの女子大生、鞠子と双葉。

北海道と東京という離れた地で生まれ育ったふたりは

何も面識がなかったのだが、

鞠子が出生の秘密を知りたいと思い、

双葉がテレビ出演をした時から運命の歯車が回りだした。

彼女たちはうりふたつの容姿を持つのだという。

ふたりは双子なのか。どうして別々の母から産まれたのか。


体外受精、遺伝子操作など先端科学を扱ったミステリー。

人間が善悪を見失い神の領域に踏み込んだがゆえの

恐ろしさと悲しさを感じた。

それでも主人公2人はいつでも生きることに純粋で、

重苦しい中にも爽やかさが残る。


お互いがそっくりだということが分かってから

彼女たちの心の中に相手の存在がどんどん大きくなってゆく。

同じ顔と同じ運命を持ったふたりがどう出会うのかも

読んでいてとても興味を持った。


自分の存在を否定しなければならない辛さを味わうことになる

ふたりの絶望のあとにも生きる強さを感じられて、勇気づけられた。

登場人物に裏がありすぎて気分が滅入る中、

鞠子と双葉の母親たちの愛情の深さが際立ってきて

救われる思いがした。




読後満足度   ★★★★☆   4.5

東野圭吾 「宿命」

テーマ:
東野 圭吾
宿命

警察官の勇作が殺人事件の聞き込みに行った先は

学生時代に宿敵だった瓜生晃彦の家だった。

その玄関先に出てきた女性はかつての恋人、美佐子。

現在は晃彦の妻となっていたのだ。


勇作と晃彦との対立、勇作と美佐子の過去、

晃彦と美佐子のつながりが描かれ、

捜査本部とは違った角度から事件を捉えている勇作。

文庫の表紙のイラストは彼らの宿命を象徴するレンガ病院。


ラスト数ページで晃彦が語る真実の重さが痛かった。

今まで冷血な男だと思わせた晃彦だったが、

それは彼の宿命がそう見せていたのだと分かった。

瓜生家が関わった過去の実験の恐ろしさは

当事者がこの世からいなくなった後も続いていた。

事実を知った勇作はこれからどう生きてゆくのだろう。

これから知るであろう美佐子は彼らにどう向き合うのだろう。


殺人事件をきっかけに再びめぐり会った3人だが、

事件そのもののほうはなんだかあっけなく解決してしまった。

会社の人間関係のドロドロはどこへ?



読後満足度   ★★★       



東野圭吾 「変身」

テーマ:
東野 圭吾
変身


人には、してはならないことがある。

たとえ10万分の1の確率の適合率でも

この脳移植は間違いの始まりだった・・・。


移植されたのは1部分だったのだが

ドナーの意識がホストである純一を乗っ取っていく。

内向的で絵を描くことが好きだった彼が

周囲の人を憎むようになり次第に傲慢になっていく。

それは本人にも止められない変化だった。


純一が自分のことを「僕」と言っていたのだが

ドナーは「俺」と言っていた。

文章の中でその2つが入れ替わっていく瞬間が

人格の変化をよく表していて不気味だ。

自分が自分でなくなっていく感覚というのは

どんなにか不安で恐ろしいことだろう。


この脳移植を行った医師たちは

純一のことを人間として見ていないと思った。

医学の進歩を自分の手で起こしたことばかり優先して

人としての慎みを失くしてしまっている。

確かに脳もほかの臓器も人の1部ということでは同じだけど、

どうしても脳は特別な気がする。


以前テレビで臓器移植を受けた人の嗜好が

ドナーの好みに変わったという番組をとを見たことがある。

実際に起こりうる話なんだ。

人の性格を決める脳の移植だったらなおさらのこと。

この話では凶暴になってしまったから目に見えて分かったのだけど

もっと隠れた性質だったら分からなかっただろう。

そして気が付かないまま自分が自分でなくなっていったら

何を支えにしたらいいのだろう。


帯に蒼井優ちゃんと玉木宏くんが載っていて

11月にこの映画が公開されるんだって。

1度は買わずに通り過ぎたんだけど、

優ちゃんの泣き顔がどうしても気になって

次に本屋さんに言った時に買ったんだ。

「感動のラブストーリー」と書いてあるけれど

これ、悲しすぎるよ。



読後満足度  ★★★★