レビュー「CGMマーケティング 消費者集合体を味方にする技術」
テーマ:本が好き!プロジェクト(書評)
CGMマーケティング 消費者集合体を味方にする技術
- 著:伊地知晋一
- 出版社:ソフトバンク クリエイティブ
- 定価:1890円
メディアは、(一方配信である)テレビ、新聞型の「Web1.0」(1.0型メディア)から、「Web2.0」(2.0型メディア)へ進化したと著者は説く。
そして、その2.0型メディアこそが、CGMだと。
この定義(命名)は、スマートで好感。しかし、思ったほど難解な(IT用語で彩られた)内容でもなかった点が、更に好感度を上げてくれた。
メディア名に、新定義を提示する時点で、硬い読み物という印象を植え付けてはくれるが、しかし、説法臭さは皆無で、むしろ透明トーン、機械処理的な文体で綴られた解説書といったところか。
ということは、広告文の延長書物。そうも取れるから、この手の本を評するのはやっかいだ。
だが、図解というサービス精神が旺盛で、読者へと伝えたい情報を項目ごとに整理整頓。
CGMの定義。
1.0型メディアと2.0型メディアの違い。
玉石混交流から玉を選んで整理をし、CGMプラットフォーム運営を説く。
ビジネスモデル。
ブログ、SNSのマーケティングへの生かし方と、CGMマーケティングを、どう把握し、どう活かすか。
そこに論点は収束されていく。
そして、初心者へのサービスとして、巻末に、ブログ等のCGMサービス・サイトを紹介してくれ、ビギナーにも理解しやすい一冊として、まとめ上げられている。
ただし、ややCGMのメリットを強調する反面、デメリット。特にこの社会において、インターネットの進化は、完全肯定していってもよいのか?
そういう対極からの論理が語られていない点は、一抹の寂しさえも残してしまう。
そこで、できれば、現代のメディアにあって、今一度、インターネットとは何か?
それを完全肯定していって、コンピューターと切り離されなくなる自然界の象徴である人間の本能、感覚は、正常さを維持できるのか?
その角度からの疑問を、ぼんやりとでもいい、本書の中に盛り付けてこそ、バランスというものは取れるのではないだろうか?
少なくとも私は、そう思ってしまうのである。
いや、私の論は、付加の論。
この本はこの体裁でよいのかもしれない。
CGMマーケティングを布教するためのビジネス書籍。
完全なる書籍を執筆することは、本当に難しいことかもしれない。(2007/2)




