オリエント急行殺人事件

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オリエント急行殺人事件

MURDER ON THE ORIENT EXPRESS

ケネス・ブラナー 監督作品

ミッシェル・ファイファー
ウィレム・デフォー
ジュディ・デンチ


犯人の深い悲しみと怒りに、涙が流れて止まらなかった。
ケネス・ブラナー演じるポアロは格好良すぎだが、彼の眼球の上に滲む涙さえもいい演技で震えた。

寒々しい景色と、豪華な車内と、実力派ぞろいの役者。
もう一回観たい!

三谷幸喜版のももう一回観たい!





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猫と漱石と悪妻

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猫と漱石と悪妻  中公文庫

植松三十里 (うえまつみどり) 著


漱石の命日と聞いて、この本を借りて読んでみた。

漱石が渡英中に心を病んだことはおりにつけ聞いていたが、妻や子に暴力を振るったとは。
今の時代ならバッシングを受けていたはず。

妻、鏡子の、見合い相手には何はともあれ「顔」の良さ求めたという件など、軽快で楽しいエピソードもよい。

福猫がやってきて漱石が小説家になったのも、漱石×鏡子の強運の相乗効果だったのでしょう。


カバーイラスト 川上和生
カバーデザイン 中央公論新社デザイン室
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レアンドロ・エルリッヒ展

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レアンドロ・エルリッヒ展

森美術館


視る人をちょっと驚かせ、ちょっと笑わせる現代アート作家、レアンドロ・エルリッヒ。

スイミング・プールに私たちは心をつかまれたけど、ほかにもたくさんあるよぅ~楽しい作品が~

アートだとか思い込まず、意味を考えたりせず、見てみる。体験してみる。
そういう美術館体験は、美術館や芸術祭に行くハードルを下げてくれる。
子どもと一緒に遊ぶのもいい。
ひとりより、複数で行くのがおすすめ。



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IT   イット “それ”が見えたら、終わり。

アンディ・ムスキエティ 監督



スタンド・バイ・ミー的ホラー。
思春期に~♪少年から~♪の時期の不安定な彼らが出会ってしまう、恐ろしいモノ。
弱き者は殺される。

ひどい大人ばかりの町で、それでも彼らは生きていかなければならない。
戦ってもいいし、逃げてもいいから、とにかく大人にならなければならない。
何も起きなくても残酷な毎日に、“それ”が現れた。

クラウンは恐ろしい。

クラウンを見て愉快な気持ちになる子どもがいるだろうか。
恐ろしく、物悲しい顔。

“それ”に顔があるのかわからないが、あるとすればピエロ顔はピッタリだ。

ブレードランナー2049

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ブレードランナー2049

BLADE RUNNER

ドゥニ・ヴィルヌーヴ 監督
リドリー・スコット 製作

ライアン・ゴズリング
ハリソン・フォード


美しい映画だった。
どこをどう切り取っても美しかった。

前作のブレードランナーを愛している人が作ったとよくわかる。
でも同時に、今、作る意味のある映画だったとも思う。
何十年も時間が経ったなんてウソのように、前作の映像もいまだに古びることはなく、更に今作でそこに最新の映像技術が違和感なく溶け込みグレードをあげている。
一流のデザイナーの仕事。
芸術作品として、衣装もセットも遠景も美しい。

前作のあと、様々な作品に「ブレードランナー風」な街が登場したけれど、今作を観て、ブレードランナーはブレードランナーでしかない、他作とは全く違う世界だと確信した。

娯楽作品としての成功はないかもしれないが、もっと評価されてよい映画。


陸王

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陸王陸王
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陸王

池井戸潤 著

池井戸潤の小説はテレビドラマで見ればいいか、と思うことも正直ある。
が、原作を読めばやっぱり面白い。

経営を描くことで人生を見せる力量がさすが。
選んだ題材が、老舗足袋やがランニングシューズを開発というのもいい。

おしゃれは足下から。なんていう。
まぁそれはそれで本当かもしれないが、この御時世、靴は命を守るものでもある。
緊急事態時、歩ける靴を履いているかどうかは大きい。
水辺で足を滑らせないシューズで救われることもあるだろう。
35キロ地点からの走り。
命を守り、生かすための靴。
そこには、信頼が必要だ。

モノ作りの根底に必要な信頼。
信頼がなくて何が経営だろう。何が技術だろう。


中表紙にも凝った装幀、本づくりにも愛情が感じられる。

装丁 岩瀬聡
イラスト 龍神貴之





書店ガール 6

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書店ガール 6  遅れて来た客 (PHP文芸文庫)

碧野圭 著


本屋さんに対する愛は世の中に溢れているはずなのに、なぜ本屋さんは消えてゆくのか。
本が売れない、とはいうけれど、じゎあ、みんながどれくらいお金を支払って本を買うと街の本屋さんが1件たたまずにすむのか教えてほしい。
書店も出版社も作家もそして読者も、本を大切に思っている。
それは間違っていない。
でも、本がなくても生きてはいけるのだし、絶対に本は読むべきだ、と子どもたちに言いきれるかといえば、言えないなぁ。
それでも、本の森取手店の最後の日を、少なくとも私は胸に持っておこう。




装丁 高柳雅人
装画 野田あい



みかづき

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みかづき

森絵都 著


このタイトル、この装丁からは想像していなかったまさかの教育問題小説!

なぜか縁あって目の前に現れてくる問題があったら、そこからは逃げずに相対してみることだ。若いうちはもちろんだが、大人になってからも。
そこにはきっと、やるべき事があるはずだから。



装丁 鈴木久美
装画 水谷有里