都電は荒川線しかない。

 しかし、昭和30年代はそこかしこに都電が走っていた。


 そんな都電の最盛期をしのぶ工場が宇都宮にある。

 鉄道マニアの間では有名な場所だが、そもそもどうして宇都宮に都電があるのか?



都電ひとつばなし-宇都宮工場


 宇都宮に路面電車が走っていた過去は一度もない。

 これから、LRTを敷設する計画はある。

 だから、市民に路面電車の利便性を訴えかけるために置いているのか?


 答えはNOである。

 実は、この宇都宮にある企業、かつては大田区に所在していた。

 そのとき、電車の架線を製造していた縁で、引退した都電を引き取った。


 そして、工場が宇都宮に移転した今も、その業績を称えて、工場の敷地内に静かに保存している。


 都民の足を担った都電が、都民だけではなく広く愛される。

 宇都宮の市街地から離れた、ひっそりとした田舎に、今日も都電ファンが訪問しているかもしれない。


都電が走っていた懐かしの東京/株式会社レッカ社
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