ちょっとしたかすり傷や

切り傷ならば

好きな人とおしゃべりしたり

好きな人のブログやSNSを眺めたり

好きな音楽や動画に身を任せ

好きな食べ物で味覚を喜ばせてやりさえすれば

その傷をいやすことは

容易なこと

 

 

けれども

深いところに負った傷は

ちょっと事情が違う

 

 

それらのもので

いち時しのぎの痛み止めにはなっても

実は

深いところには

まったくとどいてなくて

 

 

じゃあ

どうすればいいのか

それはぼくにも

はっきりしたことはわからない

 

 

けれども

いまのぼくが

ひとつだけ言えるとするなら

あなたのその傷は

同じ傷を負った

他の誰かを救うためにあるってこと

 

 

「同じ傷」という

数少ない人しか持っていない

限られた鍵を持ってしか

決してひらくことがない扉

というものがあるんだ

 

 

そして

ちょっとした勇気をこじつけ

その扉をこじあけ

同じ傷を負った誰かの傷に

あなたがふれるとき

誰にもふれることができなかった

あなたの深いところでくすぶっていた

その傷もまた

いつのまにかふれられているよ

 

 

それはとても

とてもあたたかいものなんだ