箒(ほうき) | 思考回路

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驀進して見る♪

放課後、一緒に図書係をしている時、

転校生の少女は言った。


「私、魔法使いなの」


彼女が手にしていた本が、

ファンタジー小説だったので、

冗談かと思って僕は話を合わせた。


「魔法使えるって、便利で良いよね」


「そうでもないよ、

例えば、箒で移動するより、

自転車の方が楽な時もある」


彼女は、かなり本気な顔して言った。


彼女の横顔を見て僕は

「下ネタトークをしてみよう」

とふと思った。


だって彼女の横顔、凄く色っぽかったんだもん。


初めての下ネタトーク・・・・。


今日の昼休み、

彼女&その他大勢と鬼ごっこをしたから、

テンションは上がったままだ。


チャンスだ!


クラスの変態野郎みたいに、

下ネタトークで場を盛り上げるんだ!


「僕、箒になりたいかも・・・・」


なんか微妙な下加減の言葉を、僕は言ってしまった。


「いいよ」


「ん?」


僕は、状況を理解する前に、箒になっていた。


彼女は、箒になった僕をバトンの様に、

くるりと回すと、僕に跨った。


僕は、「ムッキーーー 」と、

怒りをあらわにした。


一応・・・。


本心とは裏腹に・・・ニヤニヤ。

だって、すっごく柔らかいんだもん・・・


そんな僕に構うことなく、彼女はふわりと浮かぶと、

図書室の窓を抜け、一気に雲の上まで上昇した。



その速さは、光速を超えるんじゃないかと思うほどの速さだった。

一瞬で、雲の上に到達して、彼女は僕から離脱。

僕だけ、さらに大気圏を突破、宇宙空間へ・・・


そして、僕はそのまま、箒星になってしまいましたとさ♪


箒星ってのは、彗星の事。

魔法使いの彼女の能力は、箒星を作れる能力。


大気圏を突破する寸前、彼女は僕に言った。


「あなたが地球に戻るのは1000年後よ。

戻ってきたら、私の子孫に人間に戻してもらってね。」


「なんて無茶振りだ!」


と言う僕のツッコミは、静かな宇宙空間にこだましたとさ♪



おしまい



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